近年、本やテレビでよく見聞きするようになった「自己肯定感」。
特に日本人は自己肯定感が低い人が多く、自己肯定感の低さが人生の豊かさや仕事への取り組み方に影響していると言われています。
今回は、自己肯定感の意味や、自己肯定感が低い・もしくは高い場合の具体例と特徴、自己肯定感の低さによる影響、高さによるメリット、 自己肯定感を高める方法を紹介します。
自己肯定感とは
自己肯定感とは自分自身について積極的に評価する感情、自分の存在意義を肯定する感情を意味します。
自己肯定感は、自分を尊び他人からの干渉をうけないで自分に自信を持つことを意味する自尊心などともほぼ同じ意味です。
人はさまざまなリスクから自分の身を守るために、常にネガティブな考えで予測を行ってしまう生き物です。
ネガティブな考え自体を悪いものと捉えがちですが、日常のリスクを避け生活する上で大切な思考とも言えます。
ただ、ネガティブな考えが出たときに、自己肯定感を持ってその思考を捉えるとができるかどうかがキーポイントです。
特に、自己肯定感は、過去の失敗やトラウマ体験があると低くなりやすい傾向にあります。
自己肯定感が低い・高いことの具体例
具体的に自己肯定感が低い・高い場合の具体例を見てみましょう。
【起こった事象】
上司から頼まれていた資料作成をするのを忘れてしまい、同僚に一緒に残業してもらい何とか期限までに提出した。
上司からは「次からは気をつけるように」と注意を促されたのみで、怒られることはなかった。
自己肯定感が低い具体例
資料作りを忘れてしまった自分を許すことができず、同僚に迷惑をかけてしまったことを申し訳なく思っている。
「自分はできない人間だ」という風に、上司からも同僚からも見なされているだろうなという思いが頭をめぐる。今後上司は信頼して仕事を任せてくれないだろうし、評価にも影響するだろうと考えている。思い返せば、自分は昔から重要なことに限って忘れたりするダメな人間だと落ち込む。
自己肯定感が高い具体例
忘れてしまったのはメモを取っていなかったからだと反省し、今後は仕事用のスケジュールにTo Doリストを加え対応しようと考えている。
間に合ったのは同僚のおかげで、お礼の品と共に感謝の気持ちを伝えることにしようと思っている。
今回の件は、周りに迷惑をかけてしまったが、よりよい仕事の方法を実践するためのよい学びになったなとポジティブな感情が出てきている。
自己肯定感が低い人・高い人の特徴
ここでは、自己肯定感が低い人と高い人の特徴をそれぞれ見てみましょう。
自己肯定感が低い人の特徴
・自己否定しやすい
・他人の目が気になる
・精神的に安定しない
・意欲的に行動できない
・他人に対して批判的・攻撃的
自己肯定感の低い人は、自身の不安な感情に振り回されて、現実の今を意欲的に過ごすことができない特徴があります。
また、自分を認められていないのと同様に他人を認めることができず、自己防衛のために他人を批判したり攻撃したりする傾向があるでしょう。
自信がないので、他人の目が気になり、結果精神的に不安定な人も多いです。
自己肯定感が高い人の特徴
・肯定的な態度でいる
・ネガティブなことの良い面を見る
・周りに感謝している
・考えるが悩まない
・自分の性格を否定しない
自己肯定感の高い人は、自分への肯定感が多幸感につながり周りへの感謝の気持ちにあふれており、ネガティブなことがあってもよい面を見るという特徴があります。
自分を認めているため、同じ存在である他人のことも認めることができ、肯定的な態度をとることが多いです。
よくない事が起こっても自分の性格を否定するのではなく、その方法が間違っていたとして、方法を変えることを考えます。物事について悩むのではなく、考えるというスタンスでいるでしょう。
自己肯定感が低いことによる影響
自己肯定感が低いことによる、主な影響は下記の通りです。
ネガティブな感情に振り回される
自己肯定感が低いと、他人の目が気になり常にネガティブな感情を気にしてしまいます。仕事で失敗した場合にも、解決案を考えるのではなく、感情に引きずられポジティブに業務にあたることが難しいでしょう。
人間関係が上手くいかない
自己肯定感が低い人は、自分と同様に他人に対しても厳しい目で見てしまったり、劣等感から攻撃的になってしまったりと人間関係が上手くいかないケースが多いです。
職場での人間関係にも、影響が出る場合があるでしょう。
自己肯定感が高いことによるメリット
それでは、自己肯定感が高い場合には、どのようなメリットがあるのでしょうか。
逆境に強くなる
自己肯定感が高いと、何かうまくいかないことがあったとしても、冷静に方法を考え対応していくので、逆境に強いというメリットがあります。
仕事上では逆境に陥ることは多いので、戦力になる能力といえるでしょう。
他人のせいにしなくなる
自己肯定感が高まることで、他人の目を気にして行動することがなくなり、自分で決めて行動するようになります。そのため、たとえ失敗したとしても他人のせいにすることがなくなるでしょう。
悩む時間が少なくなる
自己肯定感を上げることで、何かに悩んで落ち込む時間が少なくなります。
ポジティブにどうやったらできるかということを考えることに時間を使うようになるでしょう。
今までぐるぐると同じことを悩むことで浪費していた時間を、有効に活用することができます。
自己肯定感を高める方法
ここでは、自己肯定感を高める方法を紹介します。
セルフハグ
自分を自分で抱きしめて、「よくがんばっているね」「大変だけど耐えているね」など自分に対して励ましの言葉をかけます。
肌が触れ合うことで分泌される「オキシトシン」と呼ばれる愛情ホルモンが、スレスを緩和し幸福感をもたらしてくれるでしょう。
また、肯定的な言葉を耳にすることで、自分への肯定的な感情を引き出すことにつながります。
マインドフルネス
マインドフルネスは、自分自身の今の状態に意識を集中することを言います。
マインドフルネスを実践している間は今に集中しているため、まだ起こってない未来を不安に思ったり、既に変えることができない過去のことで落ち込んだりすることがありません。
短い時間であっても継続して実践することで、悩む時間が減り自己肯定感を高める効果があるでしょう。
自分軸で考える
日頃から他人の行動や考えに左右されず、自分の考えや意見の軸で選択するよう心がけます。自分の判断で選択・行動することで、他人の目を気にしたり結果を他人のせいにしたりすることなく過ごすことができます。
事象を客観視してポジティブ面を探す
ある事象が起きたときに主観的・感情的になるのではなく、少し遠くから見ているような意識で客観視して受け止めます。
そして、その事象がネガティブなことであっても、ポジティブな面も探すようにしましょう。
自己肯定感を高めて仕事・生活を充実させよう
自己肯定感とは、自分という安定した軸を持って、自分のやりたいことを実現していくために高めたい感情です。
自己肯定感を高めることで、私生活のみならず、仕事に対してもポジティブな効果が期待できるでしょう。中には、マインドフルネスを取り入れることで、自己肯定感を高める取り組みを行っている企業もあります。
社員が意欲的に働けるよう、会社で自己肯定感を高める取り組みの導入を検討するのもよいでしょう。
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