MECE(ミーシー)とは漏れがなくかつ重複のない状態や分類をする考え方です。
MECEの大まかな意味はわかっていても、実際にビジネスに活用できるまでに落とし込めないという方は多いのではないでしょうか。
今回はMECEの意味や内容について具体例を交えながら紹介します。実際に活用できるよう切り口や考えたい要素、やり方や作る時のコツについても見てみましょう。
MECEとは
MECEとは、Mutually Exclusive and Collectively Exhaustiveの略で相互にダブらず全体としてモレがないことを意味します。
Mutually | 相互に |
Exclusive | 重複しない |
Collectively | 集団として |
Exhaustive | 余すところがない |
MECEは、物事を考える際に、モレ・ダブりがなく区分・分類する考え方です。
ビジネスにおいて考えを伝えたり、問題の解決策を考えたりする際に活用されます。モレによって説得力を失うこと、ダブりによって効率を下げることをMECEは防ぐのです。
ロジカルシンキングにおけるMECEとは
そもそもMECEは、ロジカルシンキングなど論理的な思考法を実践するテクニックのひとつとしてコンサルティング業界で活用されてきました。
ロジカルシンキングがビジネスの世界で一般的に知られるようになるとともに、ビジネスマンへと普及しました。
ロジカルシンキングとは直訳すると「論理的に考える」という意味で、実際の使い方としては2つあります。「①考えを論理的に整理することでわかりやすく相手に伝える」「②問題を論理的に考えることで解決策を導く」の2つです。
MECEは①、②両方で使用できるメソッドですが、特に「①考えを整理して伝える」で活用しやすいでしょう。
MECEの内容とは
それではMECEとはどのような状態なのでしょうか。
ここでは、MECEについてさらに理解を深めるために、MECEではない状態とMECEの状態を比較してみましょう。
モレ・ダブりがない状態
MECEはモレがなくかつダブりがない状態を言います。簡単な例で言うと、「春・夏・秋・冬」はすべての季節が抽出できており、MECEの状態と言えるでしょう。他にも、「過去・現在・未来」「黄色信号・赤信号・青信号」「国内・海外」「大・中・小」「主観・客観」「生・死ぬ」などもMECEです。
MECEは、ある切り口において「それとそれ以外とをすべて表現する」ことでその切り口に同列では他に存在するものがない状態となります。
モレ・ダブりがある状態
MECEでない状態では、モレがある、ダブりがある、もしくはモレ・ダブり両方ある場合に当てはまります。まず、モレがある場合はMECEではありません。例えば、総合職・一般職・技術職の3つの職種がある会社の場合に、この3つの内ひとつの職種が抜けていたらMECEではないのです。
また、ある新商品のプレゼンをする際に、デザイン・機能・価格・形・色を同列として分類して紹介した場合、MECEではありません。形と色はデザインの中のひとつであり、重複してしまっています。
実際には、全体を把握しきり分類すること、重複を完全になくすことは不可能です。全体を把握したと思っていても、新たな考えや発見があるたびに内容は変わっていくからです。また、物事すべてが重複していない状態というものも多くはありません。
MECEの目的は完璧を目指すことではなく、できる限りMECEに近づけることで物事をわかりやすくして考え方の整理や解決策を図るものです。厳密にMECEを追い求めるのではなく、MECEの内容を十分に理解し目的を忘れず運用することが大切でしょう。
MECEと論理的思考の違いとは
MECEは、情報を「互いに排他的かつ網羅的」に分類することで、クリアなフレームワークを作成し、思考や分析の効率性を高めます。MECEに基づいて情報を整理すると、重複や漏れを防ぎ、体系的かつ包括的に情報を整理できます。
一方、論理的思考は、論理的な推論や分析を通じて問題を解決する能力や方法論を指します。根拠や前提に基づいて、正確で合理的な結論を導くための思考プロセスです。情報や証拠を分析し、因果関係やパターンを特定し、妥当な結論に到達するために使用されます。
MECEは情報の整理や分類の原則であり、論理的思考は問題解決や意思決定における思考プロセスです。MECEの原則を適用することで、情報を整理し論理的思考をサポートすることができます。MECEを使用すると、論理的な思考プロセスをスムーズに進めることができ、より効果的な分析や意思決定が可能になります。
MECEが必要とされる理由
MECEが必要とされる理由には、ここ数十年の時代・価値観の変化が背景にあります。高度経済成長期は物・お金が潤沢にめぐる時代で、上司などとの人付き合いや根回しによって仕事が進められる環境でした。しかし、経済の成熟とともにグローバル化・IT化が進み、仕事に対する価値観も変化。
ワークライフバランスを大切にする人が増えるようになり、人間関係によるビジネスから論理的根拠をベースとして仕事をする時代へと変わりました。また、厳しいビジネス環境で企業が生き抜くためには、創造力のある差別化された商品が求められるようになりました。
その結果、同僚とのコミュニケーションは議論する形が増え、ビジネスを創出したり、考えを人に伝え納得させたりするスキルが必要となっているのです。論理的に相手に考えや、解決策を提示できるMECEのテクニックは現在のビジネスマンにとってはベースとして必要不可欠なスキルとなっているでしょう。
MECEの日常生活における具体例
それではMECEは日常生活においてどのように活用できるのでしょうか。ここでは、日常生活におけるMECEの具体例を3つ紹介します。
買い物リストの作成
買い物リストを作成する際にもMECEの考え方を活用できます。例えば、食料品の買い物リストを作成する場合、互いに排他的かつ網羅的なカテゴリー(例: 野菜、果物、肉類、乳製品、パントリーアイテム)に食材を分類し、買い忘れや重複を避けることができます。
旅行計画
旅行計画にもMECEの原則が役立ちます。例えば、旅行の目的地における互いに排他的かつ網羅的なカテゴリー(例: 観光名所、食事、ショッピング、アウトドアアクティビティ)に活動や見所を分類することで、旅程やスケジュールを効果的に組み立てることができます。
タスクの優先順位付け
日常生活では、多くのタスクや活動が同時に発生します。MECEの原則に基づいてタスクを優先順位付けすると、互いに排他的かつ網羅的なカテゴリー(例: 緊急・重要、緊急・非重要、非緊急・重要、非緊急・非重要)にタスクを分類できます。これにより、優先すべきタスクを明確にし、時間とエネルギーを効果的に管理することができます。
MECEのビジネスにおける具体例
MECEは、実際にどのようなビジネスシーンにおいて活用できるテクニックなのでしょうか。ここでは、MECEの具体例を紹介します。
MECEを使用していない具体例
ある企業の社員が各管理部門長へ向けて、B社のグループウェアの導入を提案するプレゼンをしました。社員はB社のグループウェアの導入を提案する理由として、「チャット機能が使用できる」「遠隔で日報の入力ができる」「社員のカレンダーが共有できる」を挙げました。
プレゼンを聞いた部門長からは、便利そうではあるが費用対効果や、他社と比較してB社のグループウェアが優れているのか、本当に自社に必要なのか疑問とのフィードバックがありました。結果、否決。プレゼン内容を再考するよう指示がありました。
MECEを使用した具体例
B社のグループウェア導入のプレゼンにおいて再考を行いました。B社のグループウェアの導入を提案する理由として、「情報共有の遅さなど、自社の短所を改善できる機能があること」「数社のグループウェアと比較してサービスが優れていること」「数社のグループウェアの金額と比較して費用対効果が高いこと」を挙げました。
こちらのプレゼンの場合は、製品のメリットと機能、サービス内容、金額に触れられておりモレダブりのないMECEの状態と言えるでしょう。一方MECEを使用していない具体例の方は、機能についてしか理由をあげておらずモレが発生しています。
MECEの3つの分け方
MECEを考える際、まずどのように分類すればよいのでしょうか。ここでは、基本的な3つの分類方法について説明します。
四角内で区切る
一番シンプルでスタンダードな方法が、ひとつの切り口について分類するやり方です。
四角を書いて、その中に内容を書いて切り分けていきます。他の切り口については、また他に四角を用意し、完全に別々に区切っていく方法です。例えば、前述した「春・夏・秋・冬」「国内・海外」「大・中・小」などの分類方法はこちらに当たります。
シンプルで考えやすい方法ですが、2つ以上の切り口について組み合わせて表現することはできません。組み合わせて表現したい場合には、下記2つの分類方法が有効でしょう。
ツリー
ツリーは一番左に考えの結論などを置いて、切り口を幹にして右へと展開していきます。左から順に大きい枠組みから詳細な項目へとツリー状に広がります。
切り口が多い場合に有効な分類方法です。また、切り口ごとの内容をバラバラにしたい場合にも向いているやり方でしょう。
例えば、切り口がエリアで、国内・海外と二つの幹があったとして、その先の項目について国内は中小企業の数、海外は日系企業の数で分類するなど、項目ごとの内容を統一しなくてもよいのです。
マトリックス
マトリックスは縦軸と横軸に項目を入れて、組み合わせて表現できます。
縦軸に一つの切り口、横軸に別の切り口を置きます。例えば、2マス×2マスの場合、縦軸は国内・海外、横軸は新規顧客・既存顧客と設定。
そうすると国内新規顧客・海外新規顧客・国内既存顧客・海外既存顧客を表すことができます。そこに対してさらに切り口を設定し、マス目に項目や内容を複数記述することも可能でしょう。
複数の切り口であっても視覚に優しく、直感的に見やすい点がメリットでしょう。ただ、4マス以上の区分がある切り口については、複雑になってしまうので、ひとつの切り口に対し2・3の分類しか必要のないケースに向いている方法です。
MECEの切り口を考えるコツ
MECEの切り口は多岐に渡るため、見当はずれな切り口を選ばないように注意が必要でしょう。切り口を考える際に一番意識したいことが、何を目的としてMECEを使用したいかです。
例えば、社員のワークライフバランスについてアンケートを取る際にMECEを使用する場合、「なんのためにアンケートをとるのか」という点をはじめに意識します。「社員の有給休暇取得率を上げる」を大枠の目的にするとして、次に現状を整理しましょう。
現状で有給休暇取得率が全体、また各職種でどれくらいの取得率かわかっている状態でしょうか。
ある一定の職種において、取得率が低い場合にはアンケート対象をその職種に絞ってもよいかもしれません。各職種での取得率がわかっておらず、今回のアンケートではまず「何が原因で取得率を下げているのか」という点を重点的に調査したい場合には、職種、取得状況、取得を阻む原因など目的に沿って分類していきましょう。
ある程度何が原因で取得率を下げているのか予め情報があり、「どんな施策をしたら取得率が上がりそうか」という点を調査したいのであれば、新たな施策に対して取得できそうかという一点の切り口を掘り下げて分類するのがよいかもしれません。
大枠の目的を基に現状を整理し、より詳細な目的を達成するために必要な情報は何かという点を重視して切り口、切り口の数を決めるとよいでしょう。
MECEの2つのアプローチ方法
MECEは結論が出ている場合と出ていない場合とでアプローチ方法に違いがあります。
ここでは、MECEの2つのアプローチ方法を見てみましょう。
ボトムアップ
情報の収集ができていたり状況は把握できているが、結論は出せていない場合にボトムアップ式のアプローチを使用します。調査結果の報告や、分析結果のレポート、新規事業の経過報告など情報はそろっているが、集約されておらず結論があやふやな際に活用しましょう。
自分の中で答えが出てないままに、手元にある情報だけを報告する形ではよい報告方法とは言えません。ボトムアップ式により集めた情報を分類し、結論は何が言えるのか自分の中で腑に落とした状態にすることができます。また、集約したものと結論を報告することで相手の理解を促せるでしょう。詳細な情報を上に向けて集約していく流れからボトムアップと呼ばれます。
トップダウン
すでに言いたいことや結論が出ている場合には、トップダウン式のアプローチを使用します。相手を説得したい、納得させたい場合に使用する方法です。
例えば新しいITツールを導入したい場合や、お客さんに商品の提案する場合などに活用しましょう。
使用したいITツールや、提案したい商品は既に決まっていて、どのような理由を考えて説明すれば納得させられるかを考えます。結論から下に向けて理由を詳細に掘り下げていきましょう。
MECEのつくり方
MECEは定義が広いため、内容は理解しているものの意識して活用するには幅広すぎてどこから手をつけていいのか考えたらいいのかわからないといった声も少なくありません。
ここでは、MECEの4つのつくり方を紹介します。
~以外
一つ目は、「~以外」で考える方法です。
まず、何かひとつ「ソレ」というものを設定します。例えば、先進国を切り口として、日本をソレとした場合に、次にソレ以外を考えます。日本、アメリカまで抽出したら、またその2つ以外に該当するものを抽出します。日本、アメリカ、中国などです。
そのまま「先進国」のカテゴリーに該当する項目をすべて抽出する必要があれば、すべて挙げていきます。主要何か国か必要な場合、該当する国を挙げた後、「その他」でまとめるのも一手です。
要素分解
要素を分解して分ける方法です。
特に全体像がわかっている場合に、構成されている要素に着目して、切り分けていきます。例えば、出来上がっているチャーハンを構成する要素を考えてみるとすると、ごはん・卵・チャーシュー・ネギ・油・塩と分けることができます。
それと同じように、日本国内のエリアを分ける場合には「九州、四国、中国、近畿、中部、関東、東北、北海道」と分けることができます。不明な部分がなく、はじめに全体像が分かっている時に有効なつくり方でしょう。
プロセス
物事をプロセスで区分して分類する方法です。
PDCA、サプライチェーン、時系列などで区分します。
PDCAはPlan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(再施行)の一連の流れを示します。新規プロジェクトや事業の流れについて説明する際に活用できるでしょう。
サプライチェーンは、開発・製造・品質管理・マーケティング・営業などサービスが提供されるまでの自社が担っている仕事の流れを示します。事業がどのような役割区分によってなされているのか、現状を整理する際に役立てられるでしょう。
過去・現在・未来の観点を意識して、プレゼンの構成を考えるのもよいでしょう。これまでにどのような事実があり、現状どのような状態であり、今後はどのようになりそうか予測を立てます。改善状況を説得の材料にしたい場合など有効でしょう。
因数分解
「ある商品の売上をアップさせたい」と説明する時など、数字を使用する際は構成される数式に着目し因数分解することもよいMECEのやり方です。
売上のアップの方法はさまざま考えられますが、アイデア任せで他にも施策があるのではと取られかねません。そこで、売上アップのベースを頭のなかで区分しておいてから施策のアイデアを分類するのです。
売上の数式は、販売価格×売上数量で表すことができます。つまり売上を上げるためには、価格か数量をアップさせるしかありません。そこで、売り上げ数量を上げるためには認知度を上げる=SNS広告に力を入れるなどの提案につなげられます。
MECEをつくる時の4つのコツ
ここでは、MECEをつくる時のコツを4つお伝えします。
選択する
これまで見てきた通り、MECEを活用した使用方法は多岐に渡っており、切り口とそれに伴う項目が複数浮かぶこともあるでしょう。しかし、プレゼンや企画書などでMECEを使用する場合、時間や分量に制限があります。わかりやすく相手に伝えるためにもある程度、焦点を絞って簡潔に伝えることが大切です。
MECEで内容を考える際には、自分が話す内容の根拠や理由として有効と思われる切り口を思いつくだけ挙げていきます。その後に、複数の中から、より説得力があり制限内で伝えきることのできる切り口や項目を選びましょう。
最初から切り口や項目を絞ってしまうのではなく、一旦考えられる内容を考え尽くしてから絞り込みます。そうすることで、新たなアイデアを創出しやすいですし、プレゼンや企画書などに反論が出た場合に対応しやすいです。
相手をイメージする
MECEを使用して、説得させる相手が誰なのかを意識することも重要です。
部署長・役員・社長など誰が決裁者なのかによって、焦点を当てるべき内容が変わってくるでしょう。
例えば、ある営業部門の所属社員が新規企画をプレゼンすることが決まっているとします。その企画は予算がそこまで必要ではなく、部署長の決裁が取れれば開始できます。そのケースでは、他の営業部門の差別化、他部署と比較しての商品のメリットなどより小規模の話にも焦点をあてる必要が出てくるでしょう。
しかしもし、新規企画に必要な予算が大きく、社長の決裁まで必要な場合はどうでしょうか。競合他社を含めた外部環境分析や、内部環境分析、その上での新規企画のメリット・デメリットの説明など、より大きな視点で企画の必要性を説明する必要が出てきます。
「相手の立場にたってどのような話が必要か」という目線をもってMECEを活用するようにしましょう。
わかりやすい言葉を使用する
相手にとってわかりやすい言葉を使用するよう、意識するようにしましょう。特にビジネス用語はカタカナ言葉や英語が多く、受け取り手によって認識が違う場合があるので注意が必要です。
例えば、「マネジメント」という言葉について、「人材の管理」「組織の適切な運営」などイメージするマネジメントの内容はひとそれぞれです。また、役職のない社員なのか、管理職なのか、経営者なのか聞き手の立場によっても印象は違うでしょう。
「マネジメントを強化することが必要」と表現するのではなく、「社員の意欲を向上させるために評価管理体制を強化することが必要」などのように具体的に全員が理解しやすいように伝えることが大切です。伝えた言葉によって解釈が違ってしまうと、ある人にとっては「その内容はすでに十分対応している」とみなされしっかりと話を聞いてもらえないことにもつながりかねません。
反対のMECEをつくってみる
MECEを活用した成果物が相手にとって説得力があるか、確認しながら進めることも大切です。自分が考えた内容について、その内容を見た人の側に立って反論がないか考えます。それには、自分の出した結論の真反対の結論を基にMECEをつくるのが有効です。
例えば、「リモートワーク時の管理のために、稼働時スカイプを起動させた方がよい」と提案するとします。理由としては、「リモートワーク時に見られている状況下で仕事の効率をアップできる」「どんな作業を行っているのか雰囲気を把握しやすい」「ちょっとしたことを気軽に聞きやすい」と3つ挙げます。
この場合に、逆に「リモートワーク時の管理のために、稼働時スカイプを起動させない方がよい」と真反対の結論を作ってみるのです。理由としては「ずっと見られていることでストレスが増える」「目標設定もなくただ座っている姿を見せるのでは、逆に集中力が下がるのではないか」「タイムカードの運用、チャットワークでの報告に加えて新たにスカイプのオン・オフを設定しなければならないのは過剰管理」などの理由が考えられます。
真逆の結論のMECEを考えておくことで、「スカイプはカメラをオフにできる」「時間ごとでの目標設定も併用する」「過剰管理にならないようチャットワークでの報告はなくす」など反論を予見した内容を盛り込むことができるでしょう。それにより、より説得力の高い内容へと改善できます。
MECEで活用したいフレームワークの一覧
ここではMECEで使用したいフレームワークをいくつか紹介します。
3C
3Cとは、Customer(市場・顧客)、Competitor(競合他社)、Company(自社)の頭文字で、市場、競合、自社の経営資源を分析し自社の戦略に活かすフレームワークです。
例えば、現状の市場は毎年何パーセントの成長率があり、競合他社の市場占有率は何パーセントであると洗い出せているとします。さらに、その市場で成功が見込めるノウハウやニッチなスキルを自社が保有していることを説明できれば、自社で何年後には何パーセントの市場占有率が見込めるという考えを伝えることができるのです。
4P
4Pとは、Product(製品)、Price (価格)、Promotion (販売促進)、Place(流通)を意味し、マーケティング戦略立案のフレームワークのひとつです。それぞれのPについて整合性をもって考えることで、戦略的に競争力のある商品を立案できます。
また、セグメンテーション、ターゲッティング、ポジショニングなどを組み合わせることで、実行性の高いマーケティング戦略を計画することができるでしょう。戦略の一貫性を損なわない点がメリットと言えます。
SWOT
SWOTとは、Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)の意味で、自社の内部環境と外部環境を整理し戦略を立てるためのフレームワークです。自社の強み・弱みを整理し、外部環境における機会・脅威を洗い出します。
マトリックス上に組み合わせることで、強みを生かして機会を生かす方策、強みを生かして脅威を避ける方策、弱みを補強し機会を生かす、脅威を最小限に抑えるなどの分析が可能です。経営戦略や事業の見直しなどに活用できるでしょう。
PEST
PESTとは、Politics(政治)、Economics(経済)、Society(社会)、Technology(技術)の意味で、企業の置かれるマクロな環境を分析します。
企業を取り巻く4つの環境はコントロールすることが難しく、企業は自社のビジネスに与える影響を考えておく必要があるのです。
また、PEST分析により、外部環境におけるビジネスチャンスや企画のきっかけをつかむことにもつなげられます。現在のマクロ環境のみならず、数年後の環境を見越したPEST分析も有効でしょう。
ロジックツリー
ロジックツリーは、問題を分解して根っこから始まる木のような形に整理します。根っこには問題や目標があり、枝や細かい枝には解決のための要素やアイデアや、具体的な行動やアクションがあります。ロジックツリーにMECEの考え方を活用すると、より精度の高い分類ができるでしょう。
ロジックツリーは問題解決のための洞察や意思決定の基盤となるフレームワークです。ツリーの構造を見ることで、問題の因果関係や関連性を視覚化し、効果的な解決策の発見や優先順位付けがしやすくなるでしょう。
MECEを活用して結論をロジカルに説明しよう
MECEはモレなくダブりなく論理的に考えることで、説得力をもって考えや解決策を伝える手法です。厳しいビジネス環境の中で、新たな価値を創造し関係者にその考えを伝えるためにMECEを活用しましょう。
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