Z世代とは?特徴やマーケティング戦略、会社に求めること、人材育成の方法など紹介

近年テレビでも耳にすることが増えたZ世代。
マーケティングの分野では、いかにZ世代を取り込むかが注目されています。また、企業の中では、Z世代の社員をどのように育成するかも課題となっているのではないでしょうか。

本記事では、Z世代の意味や特徴を解説します。Z世代に向けたマーケティング戦略や、Z世代が会社に求めること、人材育成の方法についても紹介するので自身のお仕事にぜひ、お役立てください。

Z世代とは

Z世代とは1997年頃から2012年頃までの間に生まれた人を指します。2022年現在で25歳以下の若年層です。ただ、年齢の明確な定義があるわけではなく、各メディアで数年の誤差がある点に留意しましょう。

Z世代は物心ついた頃から携帯電話やスマートフォンに触れており、インターネットやSNSに慣れ親しんでいます。その点で前世代とは違った思想、価値観、購買行動を持つ傾向があるでしょう。

Z世代の由来

そもそもZ世代は、アメリカの世代別定義で生まれた「ジェネレーションZ」から派生して生まれた言葉です。アメリカでは1997 年以降に生まれた人を「ポストミレニアル世代」や「ジェネレーション Z」と呼びます。

なぜZなのかと言うと、Z世代よりも昔の世代である1965年から1980年までをX世代、1981年から1996年までをY世代と区分してきたため、その流れでZ世代と名付けられたようです。

Z世代の前世代と次世代とは

Z世代の前世代はY(ミレニアム)世代、次世代はα世代と言います。それぞれの生まれた年代や特徴を見てみましょう。

Y(ミレニアム)世代

1981年から1996 年までに生まれた人口がY(ミレニアム)世代です。ミレニアム世代はデジタルネイティブとも呼ばれ、ちょうどインターネットが普及した時期を過ごしてきた人達です。

親しい人を中心としたSNSの始まりも経験しており、X世代までの「村社会」的な近しい人との人間関係を価値観のベースにしつつも、X世代に比べると他者との広いつながりを持ちます。ゆとり世代もこの世代に該当しており、競争よりも協調や共生を好む傾向があるでしょう。

α世代

Z世代の次のである2013年以降に生まれた人はα(アルファ)世代と呼ばれます。X世代からアルファベット順に世代が名付けられてきましたが、Zが最後の文字であり次に該当するものがないため、ギリシャ文字の最初の文字をとってαが採用されたようです。

Z世代が注目される理由

今、なぜこれほどまでにZ世代が企業から注目されているのでしょうか?ここでは、Z世代が注目される主な理由を見てみましょう。

近未来での購買力が期待されるから

Z世代は25歳以下の若年層であり、ちょうど専門学校や大学など卒業して自ら稼いだお金を消費に使用しはじめ世代です。これまでは両親からもらったお金の中で消費していた状態から、自分の権限でお金を使用できるようになるため、消費意欲が高まることが想定されます。

ミレニアム世代に比べると、まだまだ消費量は少ないものの、今後、所得が上昇するに伴って消費が伸びてくることが期待される世代なのです。

購買行動が変わる可能性のある層だから

Z世代はこれまでの世代と違って生まれた時からインターネットが整備されており、小中学校の頃にはSNSが当たり前に普及していた世代です。これまでもミレニアム世代を中心に店舗での購入から、スマホやパソコンでインターネット検索をしてインターネットで決済する形式へと移行してきました。

ただ、Z世代はSNS上で検索し、消費、動画などで投稿と、相互作用のある層としてこれからさらに購買行動が変わる可能性があるため、注目度が高いのです。

新入社員に該当する世代だから

Z世代は学生から新社会人になる世代です。そのため、企業は新卒の採用活動をする場合、ほとんどの学生はZ世代に該当するでしょう。

Z世代はミレニアム世代とは違った思考、価値観、行動をとりやすいと言われています。そのため、採用活動はもちろんのこと、入社後に優秀な人材として活躍してもらうために、Z世代について知りたいビジネスマンが増えているのです。

Z世代の特徴

それでは、Z世代の主な特徴について見てみましょう。

貯蓄を重視する傾向がある

Z世代は経済の停滞している時期しか過ごしていないため、貯蓄を重視する傾向があります。
バブル崩壊後に生まれ失われた20年を過ごし、経済的なインパクトを何度も経験。2008年のリーマンショックや、2022年の東日本大震災など経済の混乱を体験してきた世代です。そのため、経済に対して不安感が強く、消費よりも貯蓄を大切にしやすい特徴があるでしょう。

協調性を大切にする

度重なる経済的な混乱や社会問題の深刻化を経験しており、環境問題への対応やジェンダー多様性への考え方に触れてきたZ世代は、人との協調性や自然との共生を大切にする特徴があると言われています。

ゆとり教育など競争の少ない環境で育ったミレニアム世代も協調性が高いと言われていまが、Z世代の協調性とは少し違いがあるでしょう。ミレニアム世代は、現実社会のつながりの中で協調性を大切にする中で、「言えない」と認識します。一方でZ世代は、多様なつながりの中で、価値観を尊重して「言わない」ことで他者の価値観を尊重し協調するのです。

SNSが当たり前の存在

日本のZ世代はインターネットや、SNSが当たり前に存在している中で育ってきました。そのため、Z世代にとってSNSは日常の中にあるものとして親しんでおり、情報もインターネットで検索するよりもSNSで検索する方が多いと言われています。

ググる(Googleで検索する)よりもSNSでタグる(ハッシュタグを検索する)方が、宣伝目的ではない真実味のある情報を手に入れやすいと考えているのです。SNS上での他者の評価を選択肢のひとつとしてとらえている特徴があるでしょう。

つながることが得意

Z世代は全く知らない他者とつながることが得意な特徴があります。
ミレニアム世代がmixiやFacebookからなど近しい人とつながるSNSで使用し始めたのに対して、Z世代はTwitter、Instagramなど全く知らない人とつながるSNSに慣れています。

そのため、他の世代と比較して、他者と多様なつながりを持っており、その中でより多くの人の考え方に触れてきた世代と言えるでしょう。異なった多くのコミュニティに属しており、他者とつながることが得意です。

ブランドにあまり興味がない

Z世代はハイブランドな商品を購入することに、あまり重きを置かないと言われています。ハイブランドな商品を持つことで、自分のステータスを大きく見せようという点に価値を見出さない人が多いのです。

ブランドよりも、実際に本当に機能的な価値があるのか、またその商品が作られた背景や、製造している企業に心惹かれるところがあるかといった点を重視しやすいでしょう。

Z世代の流行りとは

ここでは、Z世代が注目しているものを3つほど紹介します。

加工と編集好き

Z世代は自分の感じたモノ・コトを共有することが好きで、写真や動画の加工・編集して投稿するのがここ数年のトレンドとなっています。

Twitter、Instagram 、TikTokなど動画配信できるSNSに慣れており、高い加工技術を持つ人も少なくありません。ミレニアム世代は入手した情報から、それをやってみたという人が多いのに対して、Z世代はSNSで入手した情報を自分なりにアレンジして実行し、その結果を作品として投稿することが人気のようです。

サブスクリプション

サブスクリプションもここ数年のトレンドです。サブスクリプションとはモノを所有するのではなく、年額や月額でレンタルして利用するという形態のサービスで動画配信サービスなどから急速に広まりました。

Z世代は特に家や車など所有することに魅力を感じない世代と言われており、服・家具など日用品やライフスタイルについてのサブスクリプションも広まりを見せています。

サステイナブルな商品

Z世代は社会貢献への意識が高いと言われており、環境に優しいサステイナブルな商品への注目が集まっています。リサイクルが可能な商品であったり、製造工程で環境破壊の少ない商品であったりと、地球環境への配慮がなされた商品を好んで買う傾向があるようです。

地球温暖化、大地震、コロナ禍などさまざまな環境問題を経験してきているZ世代は、特に自然を大切にする意識が高いようで、一時的なトレンドのみならず社会の流れとして根強くこういった商品が愛される流れが醸成されていくのではないでしょうか。

Z世代に効果的なマーケティング戦略

ここでは、Z世代に効果が高いと考えられるマーケティング戦略を4つほど紹介します。

インフルエンサーマーケティング

Z世代は特に、インフルエンサーマーケティングが効果的であると言われています。

インフルエンサーマーケティングとは、SNSでのフォロワー数が多く影響力のあるインフルエンサーにブランドや商品を使用・紹介してもらうことで宣伝し認知度を高め購買力を高めようとする手法です。

インフルエンサーによる投稿も建前ではなく、よりリアルな感想を投稿されるものが人気を集めており、特にZ世代から支持されています。

セグメンテーションが難しい

Z世代はセグメンテーションの分類が難しい傾向があると言われています。現在のマーケティングの主流となっているのは、購入に至るまでのWEB、SNS上での接点を分析して、どのような属性をもつセグメントなのか分類し、広告の種類を決めるなどアプローチするマーケティング方法が主流です。

ただ、Z世代については、多様なつながりを持っている特徴があり、SNS上でも異種のコミュニティに属し一人でさまざまな側面を持つ人が少なくありません。そのため、ハッシュタグによる属性での分類が必要となり、ターゲッティングが複雑化している特徴があるでしょう。

フリーミアム

フリーミアムによるマーケティングもZ世代には有効と言われています。フリーミアムとは、基本的なサービスや商品は無料で利用でき、それ以上のサービスについてはプレミアム会員として有料サービスとなる手法のことです。

WEB上のサービスで有効な手法として広まりを見せており、サブスクリプションでもよく見られるでしょう。本当に機能性のある商品を購入したいZ世代から人気を集めています。

リアルを提供する

Z世代を対象としたマーケティングでは特に、リアルさを伝えることが重要と言われています。美しく撮れた時に言う「映え」という言葉が流行しましたが、Z世代は映えよりもいかに本当のことを伝えてくれているかを重視するでしょう。

SNS上の動画などでトキ・コトの消費をして疑似体験をする中で、本当に必要とされる機能性を見出したサービスに対して購買する傾向があります。アメリカでは、今では一般的になっている写真加工を行わないリアルな宣伝写真が人気を集めたという事例出てきています。

Z世代を対象としたマーケティングの事例

ここでは、Z世代をターゲットとしたマーケティングの事例を紹介します。

フードデリバリーGrubhub

Grubhuはアメリカのオンラインフードデリバリーの大手企業です。主要顧客は大学生で、ブランド認知度を高めるために、SNSでのスタンプや加工機能が充実しています。また、一定の時間が経過するとメッセージや写真が消えるユニークな機能が若者の間で人気を集めるSNS「Snapchat」を用いたマーケティングにいち早く着手しました。

「SnapHunt」と呼ばれる広告キャンペーンでは、毎日食べ物についての課題をストーリー上に公表し、お題についての投稿から選定した 10 名にそれぞれ 50 ドル分のギフト券を贈るコンテストキャンペーンを実施し、フォロワー数20%の増加を実現するなど、Snapchat 広告の成功例として話題を集めています。

同社は、Snapchat を用いて、インターンの募集のほか、ユーザーが同社の広告をスワイプしてプレイできる「Food’s Here」と呼ばれる大学をテーマにしたゲームを制作することで、ユーザーのエンゲージメントの向上や同社のモバイルアプリケーションのダウンロードを後押ししています。

JETRO『次世代を担う「ミレニアル世代」「ジェネレーションZ」‐米国における世代(Generations)について‐』

Z世代が会社に求めるもの

ここでは、Z世代が主に会社へ求めるもとを3つほど見てみましょう。

柔軟な働き方のできる体制

ワークライフバランスを重視する価値観の人が増えていますが、Z世代は「ワークライフインテグレーション」と呼ばれる仕事とプライベートを隔てなく感じる生活をしたいと考えます。

そのため、仕事を生活の一部として考えられるよう、テレワーク制度、フレックス制度、休暇制度の充実、残業のなさなど柔軟に働ける体制を重視する傾向があるでしょう。また、多様な関わり合いの中でやりたいことを実現できるよう副業や起業を応援してくれる会社に魅力を感じやすいです。

社会への貢献度

会社の社会への貢献度の高さに魅力を感じるZ世代も多いです。Z世代は環境、社会、ジェンダー問題への関心が高く、自分が会社で仕事をすることで、社会に貢献したいと感じています。

そのため、SDGsやCSRへの取り組み、環境に優しい商品の開発、ダイバシティに配慮した人事体制などを推進している会社に魅力を感じやすいでしょう。

やりがいを実現できる体制

Z世代にとって、やりがいが実現できる体制かどうかも重要です。
Z世代は流行っているからただやってみたいというよりも、流行に自分のオリジナリティを足してやりたいことを表現することが好きな世代です。

また、みんながやっているからやりたいというよりも、本当に自分は必要と思っているのか考える傾向もあります。自分にとってやりがいがあるかどうかきちんと考えて取り組むところがあるので、他の世代よりもよりやりがいに価値をおくでしょう。

Z世代の人材育成方法

Z世代が能力を十分に発揮して活躍してもらうために、企業の人材育成方法を3つほど紹介します。

ロールモデル制度

Z世代の育成においては、ロールモデルとなるメンターを置くことが有効です。新人の育成方法としてOJTは一般的ですが、OJT期間中は配属先に働き方を任せることになり、なかなか柔軟な働き方ができなかったり、直属の上司や人事担当者に言いだせない不満もたまったりしがちです。

自分の手本になるメンターとつながれる体制をつくっておくことで、いつでも相談ができストレスの解消を図れますし、より広い視点で仕事をとらえられるよう促せるでしょう。

目標設定と公正な評価

目標設定の場を提供することと、公平な評価・報酬が結びついた上で育成することも大事です。Z世代は特にやりがいを求める人が多いため、どんな目標を持って仕事に取り組んでいるか、またそれがどのように評価されているかについて関心が高いでしょう。

その分、何を基準にしているのかわからない評価制度を運用している場合など、やる気を失ってしまう可能性も高いです。Z世代の人材育成には、納得感を持ってもらって仕事に取り組んでもらうことがポイントとなります。

仕事のルールの明確化

Z世代の育成には、仕事のルールの明確化も欠かせません。Z世代の人材育成では、オンライン環境下でいかにルールを決め運用できるかがポイントになります。Z世代の会社員の中には、ほとんどリモート勤務で仕事の仕方をつかめていない状況に不安を抱えている人も少なくありません。

毎日の固定ミーティング時間を定めたり、どのような仕事の報告が必要なのか明確にし、ルール化することで、Z世代は安心して仕事に取組みやすくなります。これまで、対面ではその場ですむため、あえてルール化していなかったことも、改めて考え直すことが重要です。

Z世代の特性に合った戦略を立てよう

Z世代はデジタルを通して多様なコミュニケーションが得意で、これから企業の戦力として欠かせない存在になってきます。

また、マーケットのターゲットとしても新たなトレンドをつくっていく世代として注視したい世代でしょう。企業には、Z世代のユニークな感性や価値観を活かせる取り組みが期待されます。

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