従業員の不適切な行動や企業の不祥事など、コンプライアンス違反が社会問題となることが増え、コンプライアンス研修の重要性が再認識されるようになりました。ここでは、コンプライアンス研修の概要や目的、研修成果を上げるポイントを解説しています
コンプライアンス研修とは
「コンプライアンス」は元々「法令遵守」の意味として使われていましたが、近年では法令だけでなく企業規則を遵守することもコンプライアンスと呼ばれるようになりました。
企業規則を整備しても、守られなければ規則としては機能していません。
従業員へコンプライアンスの重要性や違反のリスク、さらに遵守すべき法令や企業規則の基本的な知識を身に付けさせる目的で行われるのが、「コンプライアンス研修」です。
コンプライアンス研修を実施する3つの目的
コンプライアンス研修を実施するのは、コンプライアンスの重要性を再認識させることだけが目的ではありません。コンプライアンス研修が果たす主な3つの目的をくわしく見てみましょう。
社会人としての基本的なルールを身に着ける
コンプライアンス研修は、新入社員や新卒社員に対しても多く実施されています。彼らは会社の一員としても、また社会人としてもまだ必要な知識や経験が身についていない状態です。
そこで、コンプライアンス研修から社会人としての基本的なルールを身に着け、企業人としてふさわしい振る舞いや態度ができるようにするのも、研修の目的となります。
例えば、法令や企業規則だけでなく、社会人として常識と良識のあるSNSの取り扱い、取引先との適切なやり取りなども研修テーマの中に含まれています。
法令や企業の規律を把握し職場環境を整える
コンプライアンス研修では、「個人情報保護法」「不正競争防止法」「独占禁止法」といった取引に関する法令と、企業ごとに整備された企業規約や規則に関する基本的な知識も学びます。
法令や企業の規則を再認識させることで、従業員全員がルールを守る職場環境を整え、業務が円滑に進むようにするのもコンプライアンス研修の目的です。
コンプライアンス違反によるリスクマネジメント
コンプライアンス違反が発生すると、個人としてだけではなく企業も社会への責任を負うことになります。
例えば、近年頻発している従業員が勤務中の不適切行動を撮影し、SNSや動画サイトへ投稿する「バイトテロ」も、コンプライアンス違反による重大な責任問題のひとつです。
コンプライアンス研修では、実際にコンプライアンス違反が起きたときの演習などを行い、従業員への自覚を促しリスクマネジメントを行うのも重要な目的です。
コンプライアンス研修の成果を上げる3つのポイント
コンプライアンス研修を実施しても、実際に成果が出なければ意味がありません。コンプライアンス研修の成果を上げるには、3つのポイントを踏まえて研修を実施することが重要です。
実施するタイミングを考える
コンプライアンス研修は定期的に行うのではなく、以下の適切なタイミングで実施することでより成果を上げられます。
- 実際にコンプライアンス違反が発生した、または発生しそうな時
- 同業他社または社会問題に発展するコンプライアンス違反が話題になっている時
- 企業規約の改定や組織の変革があった時
- 新卒採用後、海外事業展開後など従業員の層が変化する時
研修対象によってテーマを変える
コンプライアンス研修を行う対象によって、研修の主なテーマを変えましょう。
- 新人や一般の従業員はコンプライアンスの基礎
- 係長や主任クラスは、コンプライアンス事例への対処法と部下への対応
- 課長、部長などのマネジメント層は、管理職として・組織としてのコンプライアンスを機能させるための知識
- 経営者や取締役員クラスは、企業としてのコンプライアンスと社会への使命
参加しやすい環境を作る
コンプライアンス研修を実施するとしても、対象の社員が参加できなければ意味がありません。適度に業務内容の見直しなどを行い、対象社員が参加できる環境を整えましょう。
今だからこそ見直されるコンプライアンス研修
近年の流れを受けて、コンプライアンスの重要性は高まっています。今後多様な働き方を実施する上でもコンプライアンスは必須の要素です。業務を円滑に進め、かつ企業の社会的な責任を果たすうえでも、コンプライアンス研修をぜひ実施してみましょう。
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