【キャリアに悩む女性も必見】ロールモデルとは?本当に必要?いない人はどうすればいい?

(画像=miya227/iStock)

「成功者の陰にはロールモデルがいる」という話はよく耳にします。

しかし、実際に探そうとしても、ロールモデルを見つけることはなかなか難しいものです。

自分がなりたい姿に近付けるのであれば、ぜひロールモデルを見つけて参考にしたいものですが、本当にロールモデルは人の成長に欠かせないものなのでしょうか?

今回は、ロールモデルの意味や必要性、キャリア別の設定方法・手順の他にも、ロールモデルが見つからない人におすすめの方法をお伝えします。

働く女性にとってためになるロールモデルの考え方についても紹介するので、将来のキャリア形成に悩んでいる女性も必見です。

ロールモデルとは?

ロールモデルとは、行動や考え方の規範となり、その人物を目指したいと模倣したり、スキルや行動を学んだりできる存在のことをいいます。

自分の将来を投影し、成長のお手本にできる人物をロールモデルとして設定します。

具体的なキャリア形成の指針となるため、企業側からロールモデルを提示する例も増えています。

明確にロールモデルを設定していない場合であっても、「あの人のようになりたいな」と、誰かに憧れを抱いた経験は、誰もが持っているのではないでしょうか?

多くの人はこのように、無意識にロールモデルを選定し、影響を受けていると言われています。

ロールモデルの必要性とは

ロールモデルは、自身の成長のために必要としたり、社員の成長のために設定を推進したりする企業が増えています。なぜロールモデルが必要とされているのでしょうか。

将来設計が立てやすい

特定の人物をロールモデルとして指標にすると、未来の自分を想像しやすくなります。

女性であれば、結婚や出産といったライフイベントを重視する方も多いのでは。何年後にどのようなイベントがあって、それまでにどのような立ち位置を得ておきたいのか、お手本を作ることで指標を立てやすくなるのです。

必要な能力を具体化しやすい

指標が明確になると、それを達成するためにどんなスキルが必要なのか、具体的に目標を設定することができます。

足りないスキルを何年後までに習得すればいいか、そのために今どんな努力が必要かなど、とるべき行動が明らかになります。

ロールモデルは絶対に必要?

リーダーシップ開発の場などでも「ロールモデルは必要」とされており、積極的に取り入れる企業も増加しています。

しかし、無理にロールモデル探しをすることに疑問を感じている方もいらっしゃるかもしれません。キャリア形成において、ロールモデルは本当に必要不可欠なのでしょうか?

実はロールモデルいらない派もいる

変化の多い現代においては、特定の人物をロールモデルとして設定することに疑問を投げかける声もあるようです。

情勢の変化が激しい状況では、必要とされるスキルや能力も短期間で変動していきます。

特定の1人を手本として設定してしまうと、変化に対応しづらくなってしまう側面も、確かにあるかもしれません。

また、ロールモデルを設定するにしても、特定人物を模倣することは難しいという意見もあります。

それぞれが置かれた状況や時代背景、スタートラインによって、必要なスキルや身に付け方も様々です。

自分のキャリアに合わせて、その都度参考になる人物を見つけることはいいですが、絞らない方がいいという考えもあります。

ロールモデルを設定することが難しい場合には、反面教師を探すというのも一手です。

模倣するのではなく、他者との違いを明確にして差別化をはかるという戦略も、現代にはマッチするかもしれません。

女性にとってのロールモデルの必要性

それでは、「ロールモデルは必要ない」と結論づけてよいのでしょうか?
ロールモデルの必要性を考える上では、男性と女性とでは違った背景があることに留意が必要です。

それは、女性は結婚・出産を経て、子育てと仕事の両立が求められるケースが多いためです。

男性の子育てへの参画が増えてきたことにより、女性の子育てへの負担は、一昔前よりも随分軽減されてきたと言われます。

しかし、実状はまだまだ女性の方が子育ての負担が大きいと言えるでしょう。

そんな中、出産によって、せっかく築き上げたキャリアが中断されてしまうことに不安を抱いている女性も多いのではないでしょうか。

そんな時に、子育てと仕事の両立をしてきた女性の管理職や、先輩社員を参考とすることで、上手く両立できたり、精神的な負荷の軽減が図れたりします。

先にライフイベントを経験してキャリアを継続させているロールモデルの存在があることは、心強い指標となるでしょう。

ロールモデルが合わない人は必要ない

ロールモデルはキャリア形成をする上で指標となる存在ですが、キャリアアップのために絶対に設定しなければいけないわけではありません。

乗り気ではない人が無理やりやろうとしても意味はなく、また、効果も期待できません。それであれば、前述したように反面教師を探す方が効果的かもしれません。

ただし、女性がキャリア形成を考える場合には、ロールモデルの存在は心強いものです。

結婚や出産などライフイベントとキャリアの両立を目指す場合には、参考となるロールモデルがいるとキャリアプランが立てやすくなるでしょう。

キャリア別ロールモデルの設定方法

それでは、どうやってロールモデルとなる人物を探し、設定すればいいのでしょうか。厚生労働省では、キャリア別にロールモデルを設定する方法を紹介しています。

キャリア初期(入社から3年)

様々なことにチャレンジし、仕事の手順を身につけていく段階です。

自分の指針を持ち、積極的に仕事にチャレンジしている身近な先輩社員をロールモデルに選定しましょう。

私生活との調和をとって、メリハリをつけた働き方をしていることも重要です。

中堅社員(30代前後)

将来的なキャリアビジョンが必要になってきます。

スキルアップ研修会に参加するなど、自己研鑽に勤め、仕事の幅を広げる姿勢を持った先輩社員をロールモデルに選定しましょう。

プライベートではライフイベントが発生しやすいのもこの時期。仕事との両立も視野にいれて、指標とします。

管理職(課長・部長)

組織の中心に立ち、リーダーシップが必要とされる時期です。

会社や部門で目標達成し、組織全体をマネジメントできる能力を目標としましょう。

また、転勤や介護など人生の転換期となるライフイベントが発生しやすいのもこの時期。周囲の理解を得ながら働く姿も参考になるでしょう。

スペシャリスト

専門分野をもって、スキルを高めながら働きキャリア形成する職種の場合です。

職種転換や独立なども視野に入れ、スキルをしぼる必要があるので、同じような職種で独立している人などを選ぶとよいでしょう。

ロールモデルの基本的な活用手順

ロールモデルを選定する

まずは、ロールモデルとなる人物を選び、設定していきます。

ロールモデルは1人にしぼらなくても、時期やスキルごとに複数の人物を選定してもかまいません。

選定方法は前述の「キャリア別ロールモデルの設定方法」を参考にしてください。

ロールモデルの特徴を明確にする

人物を選んだら、その人のどの部分をどのように指標にしたいのか、特徴を明確に文章化してみましょう。

行動パターンを実践する

洗い出した特徴を実際に真似てみます。実際に行動することでその理由も理解しながら、行動パターンに落とし込んでいきます。

ロールモデルを見つける方法

ロールモデルについてよく聞かれるのが、「探したけど、職場で見つけることができない」という声です。

特に、女性の管理職が少ない職場であれば、特定のロールモデルを見つけることは確かに困難です。

社内でロールモデルを見つけられない場合には、社外で選定することも一手です。

女性が活躍している企業や関係会社、あるいは著名人でもかまいません。

また、ロールモデルは1人にしぼる必要もありません。

社外ネットワークを活用し、ライフイベントごとやスキルごとに必要な部分だけでも参考になる人物を探していけば、指標として設定しやすくなります。

ロールモデルのいいとこどりで目標とする生き方ができる

ロールモデルはキャリアアップに不可欠といわれていますが、無理して探す必要はありません。

また、たった1人にしぼる必要もないのです。

複数名設定したり、社外で見つけたり、ロールモデルではなく反面教師を見つけたりと、活かし方は人によって様々でいいのです。

固く考えることなく、自分にとって必要な部分を参考にするだけで、キャリアの指針を明確することができます。

ロールモデルが見つからなくて悩んでいる方は、少し視野を広げて“いいとこどり”をしてみてはいがでしょうか。

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