一元管理は、様々な業種で資産を管理する方法として用いられています。経営資源を一か所にまとめ活用しやすくすることで、業務の効率化が期待できます。
また、IT技術の進歩により、クラウド上で操作できる一元管理システムが次々に登場しています。
この記事では、一元管理の意味を紹介するとともに、業務で一元管理の方法を導入するメリットを紹介。さらに、人事領域で一元管理システムに期待できる効果を解説します。
一元管理とは?
一元管理とは、複数の種類のデータや情報を一か所にまとめ、出し入れしやすいように管理することを指します。
一般的に、ヒト・モノ・金・情報の4つが一元管理の対象となる経営資源です。多岐に散らばる経営資源を一元管理することで、情報収集の時間や意思決定にかかるコスト、資源の重複を減らすことができます。
それにより、経営資源を効率的かつ集中的に目的に投資することが可能になります。
一元管理の意味
一元管理とは、対象物を一か所にまとめ管理することを意味します。単純に「まとめる」だけでなく、散らばっている情報や商品を集中させ管理を統一することで、より効率的に活用できることを指します。
アプリやクラウドシステムといったツールを用いたり、アナログな手法で統一的に管理したりする方法があります。
一元管理の英語
一元管理を英語でいうと、「unified management」や「centrally managed」という表現が当てはまります。
「一元管理」という英単語があるわけではなく、対象や文脈にあわせて表現が変わります。
一元管理の類語
一元管理と似た言葉に、一括管理や集中管理があります。同様に一か所にまとめる意味です。ただし一括管理や集中管理の場合は、管理する側のポジションまで統一されている表現が強くなります。
一元管理の場合、対象をまとめる場所から管理するフローまでが、規則的・統一的であり、必ずしも管理する側の権力が一か所に集中しているとは限りません。あくまでも、情報の格納から取り出しまで効率的であることを指しています。
一元管理システムとは
生産、販売、在庫、財務・管理会計、人事・給与などシステム上で管理することが一般的になってきましたが、それらを一元で管理するシステムを一元管理システムと言います。
また、システムで一元管理しようとする考え方をERP(Enterprise Resource Planning)と呼び、一元管理を実現するシステムそのものをERPと呼ぶこともあるようです。
例えば、人事評価システム、出退勤システム、給与計算システムを別々のシステムを使用していたものを、連動した一元管理システムに変更する場合などがあります。
連動させることで、今まで個別管理のために効率が悪く手間がかかっていた部分が解消できるでしょう。
一元管理すべき経営資源
企業がなぜ経営資源を一元管理するのか。それは、業務を効率化し無駄をなくし、より企業の生産性を上げるためです。
一元管理することで、経営資源のもれや重複を防ぐことが可能になります。
経営資源とは、一般的に以下の4つを指します。
• ヒト:人材や組織
• モノ:商品やサービス、在庫や設備
• カネ:運営資金
• 情報:技術やノウハウ
一元管理の体制やシステムを構築するにはコストも時間もかかります。そのため、対象となるべき経営資源を確認することが大切です。そのうえで、自社が効率化するべきと考える対象を選択します。
以下に、それぞれの経営資源に当てはまる具体例と、一括管理の例を紹介します。
ヒト
「ヒト」は、企業の人材や人材が構成する組織のことを指します。「ヒト」は、4つの経営資源で一番重要だと考えられます。
なぜなら、ヒトによって、モノが生み出され、カネが投資にまわされ、情報が活用されるからです。まさに、企業の成長戦略において、もっとも重要視される資源だといえるでしょう。
ヒトの一元管理に関連するのは、採用や人事制度、労務管理です。求人に応募してくる人材の情報と選考フローを管理することで、採用業務を効率化し、優秀な人材確保の可能性を高めます。
また、組織の人材が生き生きと働くために、適切な人事制度を構築し、成果や評価を一か所にまとめ、フィードバックに活用することが不可欠です。
勤怠管理や給与計算といった労務の一元管理システムも、働きやすい環境の構築に欠かせないものとなっています。
モノ
ヒトが生み出す商品やサービス、または企業が持っている在庫や設備が「モノ」に該当します。
複数の窓口からの顧客の注文情報をまとめたり、複数の店舗の在庫状況を一元管理する仕組みは、情報通信技術が発達しスピーディーな対応が求められる今の時代に、必然の取り組みです。
リアルタイムでモノを管理することで、より効率的に生産ラインをマネジメントすることができます。
金
経営に直結する資金の流れを一元管理することは、お金の流れを明確にし、経営者の意思決定にプラスの影響をもたらします。
たとえば、複数の法人口座を利用している企業の場合、銀行口座と自動連係し入出金明細をリアルタイムで管理できるツールが一元管理に役立ちます。
会社の売上・残高を即時に把握し、経営状態に合わせた融資や投資の判断が可能になります。
情報
経営資源の情報とは、企業が有する技術やノウハウを指します。本来であれば、属人的な情報を一元管理することで、組織内で技術やノウハウを共有でき、部署や個人という壁を超えて活用できます。
営業が持っている取引先情報や、サービスに登録している顧客情報も一元管理するべき経営資源に当てはまります。
顧客管理はCRM(Customer Relationship Management)と呼ばれ、顧客台帳の管理にとどまらず、ダイレクトメールの配信やアフターサポートなど、情報からアクションまでを管理するツールも存在します。
一元管理の4つのメリット
情報を一か所にまとめ、目的に応じて適宜引き出したり編集したりすることが可能になる一元管理は、関連する業務や意思決定を効率化する特徴があります。
それにより、人事領域では以下の3つのメリットが期待できます。
- 作業時間を短縮化できる
- 業務フローを省人化できる
- 情報が活性化する
- 公正公平な人事評価システムを構築できる
作業時間を短縮化できる
「複数の管理ツールにアクセスするのに時間がかかる」「書類を閲覧するのに人事の部署まで行かなければいけない」
業務に関連する情報や文書が、いくつかの場所に分散されている場合、単純作業一つとっても工数が発生します。一元管理のツールを導入することは、こうした作業時間を劇的に短縮化する効果が期待できます。
たとえば、採用業務で応募者の履歴書をアナログで管理するケースでは、コピーをとって面接官に手渡すといった業務が発生します。Eメールで共有するにしても、複数の選考ラインが走る新卒採用では、管理が煩雑になることも。
採用情報を一元管理できるツールがあれば、応募者の選考状況から合否結果のアップデート、採用にかかわる社員への共有など、一つのツールで事足ります。作業時間を短縮化し生まれた余裕で、優先度の高い採用業務に集中できます。
業務フローを省人化できる
一元管理を行うことで業務フローに携わる人員を減らす省人化のメリットが期待できます。
特に、在庫・受注・発注管理といった業務を行う店舗では、一元管理の効果は大きくなります。在庫の管理や発送処理での重複・漏れを減らし、少ない人数でスピーディーに対応することが可能です。
ほかにも、勤怠管理や給与管理で一元管理システムを導入することは、省人化につながります。タイムカードの情報から給与計算がクリック一つで実現できるなど、複数のスタッフがかかわっていた業務を一人に任せることも可能です。
情報が活性化する
情報を一元管理することで、的確に分析・判断できる機会が増えます。
人事が有している社員の評価に関する情報は、そのままでは活用するのに時間がかかります。そのため、上司と部下の定期面談がただのフィードバックで終わってしまうケースも。
人事評価制度の一元管理システムでは、こうした眠ってしまいがちな情報を、人事制度や配属に役立てられるよう、多様な機能を有しています。
配属予想を立てるなど、適切な人材配置の予測から組織のパフォーマンスを向上させることにつながります。
公正公平な人事評価システムを構築できる
業務プロセス、成果、評価から給与計算に連動した人事領域の一元管理システムは、公正公平な人事評価システムの構築に貢献します。
従来からの評価から給与までが分離したシステムでは、目標への達成率、またその努力に対して、どのように評価され給与へ結びついているのかが曖昧でした。その結果、社員のモチベーション低下が問題となってきました。
連動したシステムでは、給与に反映されるまでのプロセスがはっきりしているため、社員のやる気向上やスキルアップを促進するメリットがあります。
一元管理の3つのデメリット
一元管理にはメリットがある一方で、デメリットも存在します。
こちらも人事領域における、一元管理のデメリットを3つ紹介します。
新規基幹システムの導入費用
一元管理するためには、既存のシステムから一元管理できるシステムへ入れ替えるのが一般的です。
そのためには、最低でもシステムを導入するための費用が必要となります。
その他、ライセンス費用やメンテナンスのための保守費用などもかかるため、導入の際にはしっかりとコスト計算をしておくことが必要となるでしょう。
システム導入の手間
一元管理システムを導入するにあたっては、導入する手間がかかります。
他の領域でも言えることですが、人事領域における一元管理システムであっても導入後にはしっかりと機能を使用できることが大切です。
そのため、導入に際しての手間もそうですが、使用方法の説明会など社員への教育やアフターケアも必要となります。
システム活用の知識
一元管理システムはカバー領域が広い分、自社の仕組みに合うシステムを選定することが必要です。
せっかくコストをかけてシステムを導入するため、人事領域の既存の仕組みをよりよい制度へ変更しつつシステムを導入するのが一般的です。
そのため、システムの基本的な知識はもちろん活用するために、人事領域全般の幅広い知識から最適な方法を選ぶことが必要となるでしょう。
一元管理システムで業務効率UP
では、一元管理システムのどのような機能を使って業務効率がアップするのか。具体的な特徴をもとに、一元管理システムの導入で期待できることをご紹介します。
自社の採用力のアップ
情報通信技術が発達した現代では、採用の現場でもスピード感が求められます。
具体的には、応募から最終面接までたどり着く日数や、面接を受けてから合否結果を受け取るまでの間隔が、求職者を内定まで導く結果を左右します。
各ステップにかかる時間が短ければ短いほど、求職者の心を離さずに次の選考に進ませる可能性が高まります。そのためには、採用業務を一元管理システムで効率化させることが大切です。
求職者の情報を管理し、いつでも引き出せるようにする。選考フローごとの結果がワンクリックでわかる。
合否の結果を入力しただけで、自動で案内メールが送られるなど、一元管理システムの機能が企業の採用を手助けするでしょう。
社員のやる気と生産性の向上
人事が活用する一元管理システムには、適切な人事評価制度の設計・運用に特化したものがあります。
一元管理にすることで、これまで属人的だった評価基準を統一。さらに、部署の上司と管理部門が、個々の社員の評価を共有することで、円滑な人材配置が可能になります。
成果と評価が公平に連動していると感じられると、従業員の働く気力は向上します。意欲的に仕事に取り組む社員が増え、ひいては生産性の向上につながります。
人材の定着率の向上
適切な人事評価制度だけでなく、正確な給与・賞与設計と運用は、働きやすい環境づくりには欠かせません。
働いた時間が適切に給与に反映され、成果が賞与としてプラスされます。金銭的報酬は、労働とは切り離せないリターンの一つです。
残業時間の計算や休日労働の割増賃金など、規則にのっとった運用を続けることで、社員が安心して就業できる土台を構築できます。働いた分報われると実感できる組織では、おのずと人材の定着率が上昇するでしょう。
人事評価の一元管理はクラウドシステムがおすすめ
人事評価クラウドの導入は単純な業務効率化にとどまらず、組織の人材を活性化させ、採用力を強化したり、生産性を向上させたりする効果が期待できます。
3,000社以上の導入実績を誇る『あしたのクラウド™HR』は、人事評価制度の運用工数を劇的に効率化するクラウドシステムです。
基本給や賞与・インセンティブの管理から、評価ランク、目標シートなど、組織に合った人事評価制度を運用できます。
また、導入後もトレーニングを受けた評価マイスターが丁寧に運用をサポートするため、システムの導入がはじめてという企業でも、安心して活用可能です。
人材の流動性が高く変化の激しい時代において、働きやすい環境づくりは、企業の重要な課題となっています。
「働きやすさ」の実感には、就業ルールの整備だけでなく、仕事が正当に評価される仕組みを構築しなければいけません。
適切で公平な人事評価制度は、従業員の働く意欲を刺激します。一元管理で業務を効率化することで、より活気ある組織作りに貢献できるでしょう。
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