ビジネスにおいてチーム内でのコミュニケーションは必要不可欠です。そんなコミュニケーションの手法として、近年注目されているのが「オフサイトミーティング」です。
欧米の企業から広まった画期的なコミュニケーション手法ですが、日本ではあまり耳慣れないのも事実です。
この記事では経営者や人事部担当者の方に向けて、オフサイトミーティングのメリットやデメリット、開催場所などについて解説します。
オフサイトミーティングとは?
日頃からミーティングを行っている企業は多いものの、オフサイトミーティングはまだ一般的ではありません。
英語の「オフサイト(off-site)」は「離れた場所」という意味であり、「ミーティング(meeting)」は人々が集まって会話をすることを指します。
つまり、オフサイトミーティングとは「現場から離れた場所で話し合うこと」。よりリフレッシュできるように、オフィスとは異なる非日常的な空間で行うのが理想的です。
雰囲気が開放的になることで、従業員の本音を引き出せるだけでなく、積極的な発言が苦手な人の緊張をほぐすこともできます。
また、息苦しい会議室では出てこないようなアイデアが生まれるでしょう。オフサイトミーティングは、優れたクリエイティビティを創出する場であると言えます。
オフサイトミーティングのメリット・デメリット
オフサイトミーティングは日本企業では一般的ではありません。メリットとデメリットをそれぞれ解説していきます。
オフサイトミーティングのメリット
オープンな雰囲気で行われるオフサイトミーティングの最大のメリットは、それぞれの役職や立場に縛られずに発言できることです。
従業員のコミュニケーションが深まれば、会社の風通しも良くなることでしょう。
ミーティングは、議題に対する意思決定を目的とする「会議」とは異なります。オフィスから離れて行うオフサイトミーティングのリフレッシュ効果は絶大で、画期的なアイデアも飛び出しやすくなります。
また、場所を変えることで話し合いに集中できるというメリットもあります。「閉塞的な会議室では眠くなる」「呼び出しや他の業務によりミーティングが中断してしまう」といった問題の解決にもなるでしょう。
オフサイトミーティングのデメリット
オフサイトミーティングにはデメリットも存在します。
分かりやすいデメリットの一つは、コストがかかることです。
オフサイトミーティングを行う際は、会場までの交通費やミーティング中の飲食費だけでなく、移動時間などの見えないコストも発生します。
ミーティングのテーマや参加人数に応じて社内会議とオフサイトミーティングを使い分けることで、このデメリットは軽減されます。
二つ目のデメリットとして、「意見がまとまらない可能性」があります。
発言がしやすくなる雰囲気作りは大切ですが、意見が飛び交うだけで最終的にまとまらない、というのは時間の無駄遣いです。
また、雰囲気がくだけることで失言や意見の対立、互いの反感を生むこともあります。あくまでもビジネスの場であるため、マナーやルールをざっくりと擦り合わせておくのがベストです。
オフサイトミーティングを失敗しないためのポイント
メリット・デメリットを踏まえた上で、オフサイトミーティングを失敗させないためのポイントを解説していきます。
参加者はじっくりと検討する
オフサイトミーティングの参加者を選ぶ段階で失敗してしまうこともあります。ミーティングには、議題の目的に最適な人数を呼びましょう。
たとえば、たくさんの戦略やアイデアが欲しいならば大人数、プロジェクトの主要メンバーだけでじっくりと話し合いたければ少人数、というように設定します。
参加者の役職やスキルも考慮し、駆け引きや遠慮によって議題が逸れることを防ぐのも大切です。
基本的にはオフサイトミーティングを行う前に、経営幹部を集めてコアとなるチームを認識させます。
そこに追加するべきメンバーを話し合うことで、オフサイトミーティングに必要な人物が見えてきます。
アジェンダは詳細に作成する
オフサイトミーティングの目的と参加者を決めたら、詳細なアジェンダ(課題項目)を作成しましょう。
「45分から最大2時間」など、各テーマに割く時間を事前に決めておけば「話がまとまらないまま議題が変わる」「中身のない会話で時間を引き延ばす」といった失敗を防げます。こうしたガイドラインに基づくことで一日に複数のテーマをカバーできます。
オフサイトミーティングを実施する前に、アジェンダと目的、ゴールを照らし合わせることも大切です。何を持ってミーティングが終了となるのかが曖昧だと、「和気あいあいと話し合った」という結果に終わってしまいます。
ミーティングを邪魔しない会場を選ぶ
オフサイトミーティングを行う会場選びも重要です。会場の雰囲気や使い勝手によって、ミーティングの質・進行度が左右されることもあります。
会議室をレンタルする場合は、「大きな窓がある」など、少しでも非日常感が出るように工夫しましょう。
また、宿泊施設やキャンプ場がオフサイトミーティングプランを提供していることもあります。
クリエイティブが刺激される瞬間は事業内容や議題によって異なるため、会場の選び方は自由ということです。ただし、食事を用意する場合はアルコールを禁止するか、控えるようにしましょう。
オフサイトミーティングの事前準備
オフサイトミーティングを開催する上で必要となる事前準備について、具体的に解説していきます。
予算を検討・獲得する
社外で行うオフサイトミーティングは当然コストがかかります。
まずは開催の意思を伝え、会社からの承認を得るとともに、十分な予算を獲得することから始まります。
オフサイトミーティングにかかる費用の割合は、「会場代7割・飲食代2割・交通費や備品代などの雑費1割」を目安にしましょう。
オフサイトミーティングの予算を簡単に獲得できない場合、または通常より多めに予算を得らなければならない場合は、会社側を説得する必要があります。
「プロジェクトを成功させたい」「建設的なオフサイトミーティングを実施したい」というチームの目的を、明確に伝えられるようにしましょう。
参加者や開催日時を決める
オフサイトミーティングの目的を果たすにあたり、参加者の人数は必要最低限で構いません。
大きなプロジェクトだからといって、オフサイトミーティングの規模まで拡大すると、結局のところ発言者が偏ってしまう恐れがあります。フラットな意見が出やすいように、参加者はなるべく10人以下で構成すると良いでしょう。
途中参加を防ぐためには、全員が同時にミーティングに参加できる日程を提示します。
開催時間はミーティングの目的に応じて設定しますが、時には丸1日を費やすこともあるため余裕を持って日程を調整しましょう。
企画者と当日の進行役が異なる場合は、特に念入りな打ち合わせが必須です。
必要なもの・準備をリストアップする
オフサイトミーティングの会場によっては、進行に必要なものが用意できない場合もあります。
そのため、必要になりそうなものをリストアップし、しっかりと準備しておくことが大切です。
たとえば、Wi-Fi・プロジェクター・ホワイトボードといった会場の備品・機材のチェックは欠かせません。
会議室やレンタルスペースを利用する場合は、急な買い出しにも対応できるように立地や周辺のショップを確認しておきましょう。
さらに、ミーティングで配る書類の印刷、共有するべきデータの配布といった「やるべきこと」もリストに入れておきます。社外で行うからこそ、通常のミーティングよりも下準備に力を入れるべきだと言えます。
オフサイトミーティングの開催場所(関東 宿泊・日帰り)
関東近郊でオフサイトミーティングを開催するのにオススメな場所を紹介します。ぜひ会場選びの参考にしてください。
ザ・ミレニアルズ渋谷
ザ・ミレニアルズ渋谷は、渋谷の中心地に位置するライフスタイルホテルです。ワークスペース、キッチン、ラウンジスペース、コーヒーマシンを24時間利用できます。ワークスペースは最大70名を収容可能。
備品もホワイトボード、プロジェクター、スクリーン、Wi-Fi、マイク、音響機能など充実しています。宿泊も可能で、17時半以降はフリービールを楽しめるという嬉しいサービスを実施しています。
ライジング・フィールド軽井沢
ライジング・フィールド軽井沢では、大自然に囲まれたミーティング場所を提供しています。ビジネスに精通したファシリテーターがいるため、アクティブラーニングのカスタマイズも可能です。
屋外スペースで行うオープンエアミーティングは非日常感たっぷり。最大60名収容できるウッドデッキスペース「スカイアーク」、大型テントを使用し、最大500名で利用できる「スカイフィールド」の2つの会議スペースがあります。
湘南OVA
湘南OVAでは、海外のリゾートホテルにいるような雰囲気を味わえます。周囲は自然に囲まれており、鎌倉や葉山、横須賀、三浦へのアクセスも抜群。アフターコンベンションも充実するのではないでしょうか。
宿泊施設はシングルルーム、ツインルーム、ヴィラツインルームがあり、ゆったりとくつろげます。旅行気分で羽を伸ばしつつ、いつもと違った環境でオフサイトミーティングを行い、新たなアイデアを生み出せるでしょう。
ミーティングで決まった内容に合わせて人事評価制度の見直しもお忘れなく
オフサイトミーティングは、フレッシュなアイデアが飛び出す画期的なミーティング手法です。経営や人事に関わる場合、ミーティングの成果に伴い、人事評価を見直すことも大切です。
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