スキルセットとは、職種や役職に必要なひとまとまりの知識や能力を指します。
必要なスキルセットを把握することは、人材採用の点でも人材開発や組織マネジメントの点でも欠かせません。
経営者や人事担当者は自社事業に必要なスキルセットを整理し、効果的な人事を行う必要があるのです。
今回は、スキルセットの意味に触れた上で職種別に必要なスキルセットを解説し、スキルセットを高める研修も紹介します。
スキルセットとは
スキルセットとは、職種や役職において仕事を果たす上で必要とされる知識や能力群を指します。
なお、スキル(Skill)は「能力」「技能」などを指し、セット(Set)は「一式」「ひと揃い」という意味を持つことが語源です。
世の中には「マーケティング」「システムエンジニア」などさまざまな職能がありますが、1つの職能で活躍するために特定の知識や能力だけで足りるかというと、必ずしもそうではありません。
むしろ、ビジネスパーソンとしてのコミュニケーション能力や論理的思考力といった基礎能力と、専門的スキルの組み合わせが求められるケースが一般的です。こういった知識や能力や組み合わせのことを特にスキルセットと呼びます。
例えば、ビジネスパーソン全般に求められるスキルセットを構成する要素として挙げられるのは主に以下の4つです。
1.基本スキル
まずは基本スキルとしてビジネスマナーや文書作成、計算力、会計といったスキルがあります。
2.対課題スキル
次は対課題スキルとして、問題解決能力や戦略立案力、プロジェクトマネジメントなどが必要です。
3.対人スキル
そして対人スキルとしてはコミュニケーション能力やプレゼンテーション能力、リーダーシップなどが求められます。
4.自己スキル
最後に自己スキルとしてセルフマネジメントやモチベーション管理などが必要です。
スキル(能力)とスキルセットの違い
能力を単体として捉えるのがスキルであるのに対して、スキルセットは複数のスキルの集合体として捉えられます。
スキルは、能力や技能、技術といった個別の要素を指す用語です。
例えばコミュニケーション能力は営業職に必須のスキルですが、それがあるからといって営業職が必ず務まるわけではありません。
一方、スキルセットは職能や役職に求められるスキルの集合です。
営業職にはコミュニケーション能力に加え、計算力やプレゼンテーション能力、段取り力などさまざまな要素が求められます。こういった組み合わせをスキルセットと呼ぶのです。
職種別スキルセット一覧
職種別にスキルセットは異なります。経営者や人材開発、人材採用の担当者は、職種に応じてどのようなスキルセットが必要なのか知っておくことが大切です。
ここでは具体的な職種を挙げながら、それぞれのスキルセットを紹介します。
1.Webエンジニア
Webエンジニアは、技術者として要件を実現するためのテクニカルなスキルと、コミュニケーションスキル、マネジメントスキルが必要です。
テクニカルなスキルについては、フロントエンジニアであればhtml/cssやJavaScript、PHPといったブラウザに関係する言語への理解が求められます。
バックエンドエンジニアであれば内部のシステムを構成するためのJavaやPython、Rubyといった知識が必須です。
また、クライアントの要望を読み取る上ではコミュニケーション能力も欠かせません。さらに、スケジュール通りにプロジェクトを進行させるためにはプロジェクトマネジメントやセルフマネジメントのスキルも重要です。
2.システムエンジニア
システムエンジニアは、開発に必要な技術力と、管理能力、対人スキルが求められます。
目的のシステムを開発したり運用・保守したりする場合には、システムを構成する言語を理解しておかなければなりません。
JAVAやC、PHPなどは定番の言語ですが、プロジェクトによって異なる言語を扱う場合もあります。加えてネットワークやデータベースの知識も必要です。
また、システム開発では工数管理がそのまま納期やコストに直結するため、プロジェクト管理のスキルもより一層求められます。
また、リーダーであればメンバーのパフォーマンスを向上させたり、クライアントとの調整を行ったりする対人スキルも重要です。
3.サーバーエンジニア
サーバーエンジニアは、ITエンジニアの中でも特にシステムに関する専門的技術力が必要です。
サーバーエンジニアはインフラエンジニアとも呼ばれ、アプリケーションの土台となるような基盤系のシステムを構築・運用します。
アプリケーションはもちろん、それを支えるためのサーバーやネットワークといった幅広い領域に精通していなければなりません。
サーバーが停止すると、関連するシステムも全て稼働がストップするので、冗長性を持たせた安全への取り組みや、普段から負荷を減らすといった構築力・提案力も必要です。
4.ネットワークエンジニア
ネットワークエンジニアも、ITエンジニアの中で特に専門性が要求される職種です。サーバーエンジニアと合わせてインフラエンジニアと呼ばれることがあります。
ネットワークエンジニアは、サーバーやコンピュータを接続して通信を正常に動作させるためのスペシャリストです。
ネットワークを支えるシステムや物理的な機器についての専門知識や開発・運用スキルが求められます。
クライアントや社内の要望をヒアリングした上で、最適なネットワーク環境を構築するための対人スキルや開発力も必要です。
5.データサイエンティスト
データサイエンティストは、ビジネスの基礎力とデータ活用の専門知識が必要です。
ビジネスの基礎力として重要視されるのは、目標・テーマ設定力や問題定義能力、処理・分析スキルや課題解決力などが挙げられます。
単に統計手法に優れているだけでなく、データを活用してビジネスにどのように貢献するのかデザインする力も欠かせません。
また、データを活用するためのデータサイエンス力やデータエンジニアリング力も必要です。
これらは統計手法を使ってデータ分析を行なったり、あるいは機械学習によって新しい分析アプローチを構築したりするスキルを指します。
6.ライター
ライターは高い品質の成果物を制作するスキルや企画力、対人スキルなどが必要です。
制作力については、正しく読みやすい文章を作成できることは前提とした上で、可読性やセールスといった付加価値を提供できる力も求められます。
また、クライアントや読者ニーズを読み取った上で、自ら魅力的なアイデアを提案する企画力も必要です。
さらに、自身をメディアなどに売り込む自己アピール力や、クライアントとスムーズにコミュニケーションする対人スキルも欠かせません。
スキルセットの向上に有効な研修
ここまで紹介したように職種によって求められるスキルセットはさまざまで、経営者や人材開発担当者はスキルセットを向上させるための方法を知ることが効果的です。ここではスキルを向上させる研修について解説します。
1.基本スキル研修
基本スキルとしては、ビジネスマナーや文書作成術、PCスキルなどが挙げられます。
ビジネスマナー研修は、敬語や電話応対、名刺交換の作法などを習得させるものです。
また、ビジネスのあらゆる場面で役立つ文書作成術や、今や必須と言えるPC操作を対象とした研修もあります。
こういった研修は、講師などの指導のもと実技形式で行うパターンが一般的です。その他、Eラーニングなどで知識を身につけさせるパターンもあります。
基本スキル研修は、新入社員や社会人経験が浅い社員などに対してビジネスパーソンとして最低限必要な基礎力を身にさせることが可能です。
2.対人スキル研修
対人スキルとは、コミュニケーション、プレゼンテーション、組織管理といったスキルが挙げられます。
コミュニケーション研修では、聴く、質問する、伝えるといった基本や報告・連絡・相談の方法が対象です。
プレゼンテーション研修では、要点の整理やプレゼン構成、スライドの作成方法などを学ばせます。管理スキルでは、組織マネジメントや、役職者にふさわしいリーダーシップなどのスキルが対象です。
対人スキルは、若手ビジネスパーソンにとっても重要ですが、より役職が上がっていき責任ある立場を任されるにつれてさらに磨きをかける必要があります。
対人スキル研修では、その立場に応じて最適なスキルを習得させるために効果的です。
3.課題解決スキル研修
課題解決スキルとは、ロジカルシンキング、マネジメントスキルなどが対象です。
ロジカルシンキング研修では、現状分析や要点整理、問題解決スキームの構築といった、ビジネスの課題解決に役立つスキルを学ばせます。
マネジメントでは、タイムマネジメント、プロジェクトマネジメントといった、管理者に必須のスキルが対象です。
ビジネスパーソンは、キャリアを積み重ねるに従って、与えられた課題に取り組むだけでなく、自ら課題を設定したり、課題解決に向けて適切なメンバーをアサインしたりといったスキルが求められます。
課題解決スキル研修では、こういった高度なスキルを身につけるために有効です。
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