新型コロナウィルスの蔓延を機に、自然環境の中でクリエイティブに仕事ができるワーケーションに注目が集まっています。
2020年政府により推進を発表されたことを皮切りに、その知名度も一気に上がりました。ワーケーションは地域経済復興の観点からも有効とされ、推進に向けた動きは地方自治体にまで及んでいます。
地方自治体がワーケーション導入を検討中の企業向けに、短期滞在を条件にワーケーション設備の整った施設を提供。そこに補助金を給付することで企業のワーケーションを推進させ、地方活性化を目指しているのです。
この記事では、企業向けのワーケーション補助金の動向を詳しく解説するとともに、ワーケーションの補助金が手厚い地方自治体を紹介します。
企業へのワーケーション補助金が増えた背景
ワーケーションとは、「ワーク」と「バケーション」を融合させた造語で、観光地などに滞在し休暇を取りながら仕事をするスタイルを言います。
2020年7月政府は観光戦略実行推進会議にて、リゾート地など休暇先で働く「ワーケーション」の普及に意欲を示しました。 政府がこのタイミングでワーケーションの普及を明言した目的として、観光地の経済復興と地方の活性化があります。
休暇の分散化や取得の推進をはじめとする環境を整備することで、一斉休暇による混雑をさけ、新型コロナの感染防止を推進しつつ、冷え込んだ観光需要の回復を見込んでいます。
そして、ワーケーションを推進するにあたって、政府よりワーケーションを運営する民間企業や地方自治体向けに補助金が設けられました。
企業にとってワーケーションを導入していくにはコストがかかります。そのため、ワーケーションの誘致していく動きが高まる地方自治体から企業に対しても、補助金を増やしている背景があるのです。
2021年度ワーケーション補助金の動向とは
2021年度は、観光庁の予算が前年度の4割減少で閣議決定されています。ワーケーションの助成金の動向はどうなっているのでしょうか。
政府は「感染拡大防止と観光需要回復のための政策プラン」において、ワーケーションを活用した観光需要の喚起と、インバウンドの段階的復活に向けた取り組みを推進してくことを提言。
観光再生に向けた「新たな旅のスタイル」促進事業として新規予算を計上する動きがありました。この「新たな旅のスタイル」促進事業に、ワーケーション推進に関わる予算が組み込まれることが決定されています。
観光再生に向けた「新たな旅のスタイル」促進事業として新規予算を計上する動きがありました。この「新たな旅のスタイル」促進事業に、ワーケーション推進に関わる予算が組み込まれることが決定されています。
「新たな旅のスタイル」促進事業には新たに5億400万円が予算として計上。
ワーケーションをはじめ、出張と休暇を融合した「プレジャー」、企業の本社から離れたローカル地域に設置する「サテライトオフィス」に対して予算が使用されます。用途としては、環境整備、普及啓発、旅行商品づくりの支援に充てられます。
さらに、ワーケーションの活性化に繋がる、宿泊施設をメインとした新規ビジネス展開の支援にも約1億円の予算があてられています。
参考文献:https://news.yahoo.co.jp/articles/73c01603bbedbc4c03db8a84df21468e67430829
企業へのワーケーション補助金の種類
企業へ支給されるワーケーションの補助金には主に、宿泊費、移動費、ワークスペース利用費があります。ワーケーションを実施するにあたり、宿泊費や移動費などの出費は避けては通れません。
企業にとってワーケーションに掛かる費用の社員・企業との分担については、悩ましい要因の1つ。導入前にコストがネックとなり足踏みするケースが多いですが、補助金を使って一度ワーケーションを実施してみることで、導入のハードルを下げられます。
またワーケーションでは、仕事がスムーズに行えるようWi-Fi環境の配慮や、セキュリティに関する問題もクリアしていくために、環境設備を整える必要があります。
そこで、活用できるのがサテライトオフィスです。オフィスと同様の設備環境を整えられるので、安心して業務を行えます。このサテライトオフィスを活用したワーケーションの費用に関しても、補助金が支給されるケースがあるでしょう。
企業へのワーケーション補助金の金額
ワーケーション補助金の金額は、地方自治体によって設定されている金額が異なります。宿泊費はおよそ1泊5,000円前後、移動費は上限10,000円前後の補助金が支給されます。
また、サテライトオフィスの補助金については、引っ越し代・オフィス賃料など月額10万円以上補助してくれる場合もあるため、必見です。
お試しで利用後に、実際にサテライトオフィスを設置する場合には、さらに補助金が支給されるケースもあります。場所によっては、100万円以上給付してもらえることも。
詳しい金額は、希望の地方自治体の情報を確認するようにしましょう。
企業へのワーケーション補助金5選
地方自治体ごとに、ワーケーション推進へ独自施策を立てており、その補助金と滞在可能期間も異なります。
補償が手厚く、短期滞在が可能であり、かつワーケーション推進を積極的に行なっている地方自治体を5カ所ご紹介します。
三戸町(青森県)
宿泊費:無料
移動費:なし
ワークスペースの利用:宿泊費に含まれる
URL:https://www.town.sannohe.aomori.jp/soshiki/machidukuri/2954.html
滞在期間が3ヶ月以内と長期滞在ができるのが特徴。木造平屋建ての3LDKの建物にオフィス機能と居住スペースが設置されており、ワーケーション環境がしっかり整っています。
三戸町に本社を保有していな企業が対象で、三戸町でサテライトオフィスの設置もしくは起業を希望していることが条件です。宿泊費や光熱費が一切かからず、ワークスペースの利用料も負担なしとなります。
松江市(島根県)
宿泊費:なし
移動費:全額保証(往復)3名まで
ワークスペースの利用:全額保証
URL: http://www1.city.matsue.shimane.jp/jigyousha/sangyou/kigyou/otameshi.html
サテライトオフィスにか関わる利用料や光熱費が全額保証されているのが特徴。ただし、宿泊費用などは企業負担となります。滞在期間は5日程度からと短期間で、1社につき3〜5名が参加できます。
サテライトオフィスがITエンジニアの交流拠点でもある「松江オープンソースラボ」に隣接していることから、市内外のITエンジニアとの交流の場を持てるメリットがあります。
サテライトオフィスの所在地が駅前という好アクセスなのも魅力です。
(※2021年3月末終了予定)
庄原市(広島県)
宿泊費:無料
移動費:往復旅費、レンタカー代
ワークスペースの利用:無料
URL: https://oiden-sai.com/oidensai/
広島駅、広島航空などの交通拠点までの往復の交通費とレンタカー代が補助など、移動に関わる費用の補助が手厚いのが特徴。
旧総領中学校寄宿舎の1階を改修してワーケーションができる環境へと整備。Wi-Fi環境やスクリーンなども完備され、オフィス機能はそのままに、宿泊もすることも可能です。
滞在期間は原則2週間で、庄原市においてサテライトオフィスの開設を検討している事業者や個人が対象となります。
北九州市(福岡県)
宿泊費:最大6,000円/日(1人最大30日まで)
移動費:最大45,000円/人(片道)
ワークスペースの利用:最大2,500円/日(1人最大30日まで)
URL: https://www.city.kitakyushu.lg.jp/files/000902787.pdf?fbclid=IwAR0O4BOxu_YgJTVPKSws-RizoXPAiyORnGUIwJc_2XwWlYgWppsN5REo7Z8
最大30日の長期にわたり補助制度があり、宿泊先やワークスペースが市内の施設からニーズに合わせ選べるので、利用する施設によっては企業側の負担がゼロになる可能性も。
ビジネスマッチングサービスを提供しており、地元企業とのネットワークの構築、人材の確保などが実現できる特徴があります。主催している北九州市により、地元の魅力を堪能できるプランなども選べるため、有意義なワーケーションが可能です。
(※2021年3月末終了予定)
錦江町(鹿児島県)
宿泊費:無料
移動費:最大30,000円/人、レンタカー無料貸し出し
ワークスペースの利用:無料
<錦江町お試しサテライトオフィス利用>
宿泊費:2,500円/日
移動費:最大5,000円/人
ワークスペースの利用:最大5,000円/日
URL: https://www.town.kinko.lg.jp/soshiki/27/78176.html
廃校活用し、南国情緒溢れるサテライトオフィス・コアワーキングスペースにリノベーション。山と海に囲まれ、ワーケーションには絶好のロケーションです。
建物内には、オフィススペースが4部屋とコアワーキングスペースに分かれており、コアワーキングスペースでは、他社と交流ができネットワークの構築に役立てることができます。
警備システムが完備されているので、セキュリティ面も安心できます。サテライトオフィスの利用と、ワーケーション体験では補助金が異なるため注意しましょう。
(※2021年3月末終了予定)
ワーケーション補助金を上手く活用しよう
ワーケーションを本格的に導入する前に、自治体が提供する補助金などを利用してワーケーションが実現可能かを試す機会として活用するとよいでしょう。
自治体や民間企業サイドがワーケーションに必要な環境設備を十分に整えている場合には、企業でのインフラ整備についての準備は必要ありません。
ただ、ワーケーション下における、社員のマネジメント面は自社でシステムを整備する必要があります。ワーケーション下でも社員が成果を発揮できる、人事評価クラウドシステムの導入も重要な対策のひとつです。
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