組織や個人の成長のために欠かせないのが目標設定です。目標設定を行ううえで、「will-can-must」という考え方は非常に重要な役割を担います。
この記事では、will-can-mustとは何なのか、目標設定方法とそのためのポイントを解説していきます。
will-can-mustのフレームワークとは?
will-can-mustのフレームワークは、就職活動やキャリア形成など目標設定における様々なシーンで活用されています。will-can-must、それぞれの意味は以下の通りです。
- Will:したいこと、やりたいこと
- Can:できること
- Must:しなければいけないこと
目標設定をする際には、これらの3つの要素がバランスよく含まれている必要があります。
例えば、Willの要素が強く、Mustの要素が弱い目標設定をしたとしましょう。自分のやりたいことのために目標を立てることは決して悪いことではないものの、組織や企業にとっては不要なものであれば意味がありません。
また、逆も同じです。組織や企業にとって必要であっても、本人ができないことやしたいことでない場合にはモチベーションが維持できず達成への道のりは困難と言えるでしょう。このような観点から、目標設定にはwill-can-mustが非常に重要なのです。
では続いて、will-can-mustひとつひとつの要素を深掘りして見ていきます。
Will
まずWillは、「やりたいこと」や「夢」、「目標」などが挙げられます。
本人の目指したい将来像やこれからやっていきたいことなどがWillに当てはまります。「起業する」「課長に昇進する」という具体的なものもあれば、「顧客満足度の高い営業になる」といった抽象的なものまで様々です。
ポイントとなるのは、自分自身の意思です。本人が心の底から、やりたい、目指したいと思えているかどうかは非常に重要と言えるでしょう。
もちろんここでのWillは、必ずしも業務に直結している必要はありません。Willを洗い出していく際には、まず大まかで良いので本人のやりたいことや好きなことなどを聞き出しましょう。
今は明確化していなくても、好きなことややっていて楽しいことを整理することでどんどんWillが固まってくるでしょう。
Can
Canは、「できること」です。たとえWillの要件を満たした目標であっても、現実的に実現不可能であれば意味がありません。
例えば社会人で休日に野球をしている男性がプロ野球選手を目指すのはほぼほぼ不可能と言えます。
目標設定において大切なことは「達成可能かどうか」ということです。達成できない目標を立て実行したとしても、達成が難しければモチベーションは維持できません。
とはいえ、実現が簡単すぎるものも企業としても成長が見込めず、意味のなさない目標となってしまいます。そのため、目標達成の際には本人が達成可能なラインを意識しましょう。
Must
Mustは、「しなければいけないこと」です。
具体的には組織や企業から求められている項目で、使命・義務・責任などという言葉にも当てはめられるでしょう。
例えば、自社の社員がエンジニアとして活躍するための目標を立てたとします。しかし、その社員は企業には営業社員としての活躍を期待されていれば、その目標は企業や組織にとってはプラスになりません。
WillとCanを満たした目標であっても、Must の要件を満たせていなければ組織・企業の成長にはつながらないのです。そのため、目標設定を行うためには企業にどのような影響を与えるのかも意識しながら設定していきましょう。
しかし、Mustの要素が大きすぎると社員のモチベーション維持が難しくなるため、バランスが大切です。
will-can-mustを活用した目標設定の方法
will-can-mustの要素を理解したら、早速目標を決めていきます。will-can-mustを活用した目標設定の方法について見ていきましょう。
Willを考える
まずは、Willを考えていきます。Willは、自分自身の興味や関心、そして他人への憧れなどから考えていきます。Willがわからないという場合、まずは自身の過去を振り返っていきましょう。
過去の行動や言動の中で、自分自身が「楽しい」「面白い」と感じられることを探します。
充実感や楽しいと思うことに対して、なぜなのかと深堀していきましょう。そうすることで、自分にとってのポジティブな感情が明確になります。このような方法で、自分自身のWillを考えていきましょう。
Canを考える
Canでは自分自身にできることを明確にしていきましょう。
これまでやってきた仕事や得意なことを明確にしていきます。例えば営業であれば、交渉力や新規開拓のためのテレアポや飛び込みなどが挙げられます。
事務であれば、ワードやエクセルなどの事務スキルなども挙げられるでしょう。ただ職種という大枠だけではなく、具体的にどんな仕事ができるのかを洗い出していきましょう。
また、Canは実務的なスキルだけではなく、粘り強さや継続力といった内面的な自分自身の強みなども含まれます。自分自身で見つからない場合には客観的に判断するのも一つの手です。
「ストレングスファインダー」などを活用すれば自分でも気づけていない強みが分かるかも知れません。
Mustを考える
続いて、Mustの要件を考えていきます。属している企業や組織にとって必要なことや、それらをより成長させるために欠かせないものなどを考えていきましょう。
Mustを考える際、人事担当として意識すべきは「現状の課題」です。例えば、現状の売上が低迷しているという課題があるのであれば、その売上を上げるために必要な行動をとる必要があります。
また、若手社員が少ない会社であれば、若手社員の採用を積極的にしたり、採用担当を増やしたりなどが挙げられます。個人個人が組織にとって何を求められているのか、どういった成果を出せるのかを把握することが大切です。
will-can-mustの情報をまとめる
will-can-mustの要素を洗い出したら、それらの情報をまとめる作業を行います。中でもリクルート社が導入しているwill-can-mustシートを活用すれば、効率よく情報をまとめられるでしょう。
will-can-mustシートでは、will-can-mustそれぞれの項目を書き出します。そして、それらの項目を全て満たす目標を設定していくのです。
とはいえ、Mustの部分は上長と話す必要があるためまずはWillとCanを埋めていきましょう。その中でそれらの項目を満たしながらも組織にとって必要な項目を探していきます。
例えば、営業としてのスキルを生かして社長賞を取りたい社員がいるとします。そこから上長との面談を通して、企業にとってどの分野を強化していくべきなのかなどを具体的に決めていきます。
目標達成に向けて年間・月間でどのように動いていくのかを定められれば目標は設定完了です。このように、まずはWillとCanを洗い出しながら上司や先輩と一緒に目標を決めていきましょう。
面談を通して定期的に振り返る
目標は立てっぱなしではなく定期的に振り返る必要があります。達成に向けて今どれくらいの場所にいるかわからなければモチベーションは維持できません。
また、いつまでも目標達成ができずうやむやなままで終わってしまう可能性もあります。月に1回程度を目安に、will-can-mustシートを活用した面談を設定しましょう。
きちんとwill-can-mustを満たした状態で目標に取り組めているのかを確認しながら、実際にやって見てわかった課題や問題を随時修正していきます。
仮にはじめに設定した目標の達成が難しい場合には、目標を再設定する必要もあります。きちんと期限を定め、それに向かって実現な目標を設定しましょう。
まとめ
企業や組織の成長には欠かせない目標設定では、will-can-mustのフレームワークを活用しましょう。will-can-mustを満たした目標であれば、社員のモチベーションを高められるということはもちろん、企業にとっても大きな成長が期待できます。
社員数の多い企業であれば一人ひとりの目標設定を管理することは非常に難しいでしょう。
人事管理ツールである「あしたのチーム」を活用すれば、個々の目標を一眼で管理できます。「あしたのチーム」を活用し、効率よく企業を成長させましょう。
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