リスケとはスケジュールを再調整すること！使い方やビジネスメールでの例文も紹介

ビジネス用語の1つとして知られているリスケですが、言葉の意味や、リスケ時のマナーを知らなければ、思わぬところで自身の印象を下げてしまう可能性があります。

この記事では、そういった事態を防ぐために、リスケの意味、似た用語との違い、リスケをするときの注意点やマナー、リスケ時に使える会話例、メール例文などをお伝えしていきます。

リスケとは

リスケは「リスケジュール(reschedule)」を略した言葉です。「スケジュールの再調整、計画の組み直し」といった意味を持つビジネス用語で、会議や打ち合わせ日時の調整、納期の延長、商品仕様の見直しなど、当初の予定を変更するときに使われます。

略語であることから、同僚や部下との会話で用いられることが多く、取引先、顧客などに対して用いることは避けられています。また、予定を前倒しする際に使われることはあまりなく、後ろ倒しする際に使われるのが一般的です。

金融業界でのリスケとは

金融業界では、返済が厳しくなった事業者などが金融機関へ相談し、返済条件を緩くしてもらうことをリスケといいます。つまり、金融業界におけるリスケには「債務返済の繰り延べ、返済計画の見直し」といった意味があります。

資金繰りが一時的に楽になる、経営を再建する猶予ができるなど、大きなメリットがあるため、金融業界でのリスケは財務状況が厳しいときに検討する手段の1つとされています。

リスケの言い換え・似た言葉との違い 

ここでは、リスケという言葉がビジネスシーンに合わないときに使える言い換え表現を紹介します。また、リスケと似たような言葉であるキャンセル、ドタキャンとの違いも解説します。 

リスケの言い換え 

リスケを言い換えるには、以下のような表現を使いましょう。 

• スケジュール調整、再スケジュール 
• 日程調整、日時変更 
• 予定変更、予定の組み直し 
• 前倒し、繰り上げ（予定を早める場合） 
• 後ろ倒し・繰り下げ、延期（予定を遅らせる場合） 

キャンセルやドタキャンとの違い 

リスケが予定を変更することであるのに対して、キャンセルは予定を取り消すことです。例えば、会議がリスケされた際は、いずれ会議が行われますが、キャンセルされれば会議自体がなくなります。 

言い換えれば、リスケの対象は物事のスケジュールですが、キャンセルの対象は物事そのものです。例えばキャンセルの対象は、売買契約、宿泊予約、パソコンの操作などになります。 

ドタキャンとは、「土壇場でキャンセルする」という意味の造語です。したがって、ドタキャンとリスケの違いもキャンセルと変わりません。

リスケの使い方

リスケという言葉は、例えば次のような場面で使用されます。

会議、面談などの日時変更時

会議や打ち合わせ、面談などの予定日時を変更したい場合に使われることが多くなっています。
使用例：「明日に予定していた社内会議をリスケします」「○月○日の面談をリスケさせて欲しい」

納期の変更時

受発注した商品の量を変更し納入期限を伸ばしたいという場合などにも、リスケという言葉が使われます。
使用例：「納期をリスケしてもらえるか確認しよう」

仕様の変更時

商品や製品などの企画・開発において、仕様を変更したり追加したりするときにもリスケという言葉を用います。
使用例：「例の企画内容を変更するのでリスケしたい」「製品の仕様変更のためリスケしてほしい」

金融機関への返済困難時

事業者が金融機関へ通常の返済を続けると倒産に至る恐れがあるときなどに、リスケという言葉を使用することがあります。
使用例：「経営状況的に返済のリスケを検討している」「銀行に返済のリスケを相談してみようと思う」

リスケする際に注意するポイント

リスケをする場合、いくつか注意したいポイントがあります。ここではどのようなことに注意すればいいのかを、お伝えしていきます。

リスケによって信用を失うリスクを認識する 

安易なリスケは避けましょう。やむをえない場合は仕方がありませんが、自分勝手なリスケは単なる約束破りです。何度もリスケを繰り返せば信用を失ってしまうでしょう。 

「一度リスケできたから大丈夫」「この業界ではよくあること」などと考えてリスケを繰り返し、信頼を失ってしまうのがよくある失敗例です。 

安易なリスケを避けるには、スケジュール管理を徹底することが大切です。例えば、予期せぬ問題が発生しても間に合うように余裕を持っておいたり、小まめに進捗状況をチェックしたりするなどの対策があります。また、スケジュール管理ツールを使って、タスク忘れや予定のバッティングなどを防ぐのも良い方法です。 

上司や取引先に「リスケ」は使わない 

リスケという言葉は略語であることから、軽率な印象を与えてしまうことがあります。そのため、上司や先輩、取引先や顧客に対して使用するのは避けましょう。例えば「リスケさせてください」と伝えたい場合は、以下のように丁寧な表現に変えます。 

• 日時を変更させてもらえませんか？ 
• スケジュールを再調整したいのですが、ご検討をお願いいたします。 

一方、同僚や部下に対してリスケを使うのは問題ありません。リスケはスケジュール管理用語としてビジネスシーンで一般的な言葉ですので、伝わらない可能性は低いでしょう。上手に使えば、簡潔に要件を伝えられます。 

リスケの希望は複数提案する

打ち合わせや面談などのスケジュールをリスケしたい場合、希望日時を複数提案しましょう。電話でリスケの相談をするときはこの限りではありませんが、メールの場合はやり取りの手間を少なくすることも重要です。

ただし、一方的にこちらの希望を伝えるのではなく、「提案した日時が厳しい場合は、都合の良い日時をいくつか知らせて欲しい」など、可能な限り相手の希望にあわせる旨も添えましょう。

リスケの理由を伝えるときは言葉を選ぶ

リスケをする場合、例え事実であっても「優先したい打ち合わせが入った」「忙しくて時間がなくなりそう」など、自分本位な理由をそのまま伝えるのは好ましくありません。

相手に「折角時間を確保していたのに失礼だ」「当社との取引は優先度が低いのか」といった不快感を抱かせてしまいます。本来は先述したような事情でのリスケ自体を避けるべきですが、やむを得ない場合は体調不良、急な出張など、相手の心情に配慮した伝え方を心掛けましょう。

リスケしてもらったスケジュールは守る

リスケした場合、変更後のスケジュールは必ず守りましょう。相手が社外、社内、どちらの人間であっても、度重なるリスケは相手の時間を軽視する行動と捉えられ、信頼失墜に繋がります。

自身の事情によりリスケしてもらっているという認識を忘れず、リスケは1回に留めましょう。

リスケする際に必要とされるマナー

リスケをするときには、いくつか守るべきマナーがあります。ここではどのようなマナーを守るべきか、お伝えしていきます。

連絡はできる限り早めにする

打ち合わせなどをリスケする必要があると分かった場合、すぐに相手へ連絡しましょう。連絡が直前になればなるほど迷惑がかかってしまいます。

早めにリスケが分かれば、相手も他の予定を入れるなど、時間を有意義に使いやすくなります。仮に先々の打ち合わせをリスケする場合であったとしても、必ず早めに連絡しましょう。

丁寧に謝意を伝える

リスケをするときは「スケジュールを変更することへのお詫びの気持ち」を伝えるようにしましょう。また、相手がリスケに応じてくれた際には、感謝の気持ちを伝えることも大切です。相手が社内の人間であっても、取引先企業であっても、誠意ある対応を心掛けましょう。

できるだけ電話でも伝える

リスケをしたいときは、電話でその旨を伝えるといいでしょう。特に当日にリスケを申し出る場合、メールだと相手がすぐに確認できないケースもあります。思わぬすれ違いを防ぐためにも一度電話で連絡し、もし相手が出なかった場合には、メールをする、後ほど掛け直すなど、柔軟に対応しましょう。

リスケする場合の会話例文 

リスケをお願いする際は、言葉だけで用件や謝罪を伝えなくてはいけないため、具体的にどのように伝えればよいか、迷う人もいるのではないでしょうか。そこでビジネスシーンで使われるリスケの会話例を紹介します。また、メールの例文として「面談や打ち合わせをリスケする場合」「納期をリスケする場合」の2パターンを紹介します。 

ビジネスシーンで使われるリスケの会話例 

ビジネスシーンで使われる簡単な会話例をいくつか紹介します。 

• 急用が入ってしまったため、予定していた打ち合わせをリスケさせてください 
• 本日予定していたA社との商談ですが、先方都合によりリスケになりました 
• 作業遅延で納期に間に合いそうもありません。〇月〇日にリスケすることは可能でしょうか？ 
• 支払い期日をリスケできないか銀行に相談してみてください 
• 大幅な仕様変更になるため、リスケしてほしい 

リスケする場合のメール例文

リスケをメールでお願いする場合、文字だけで用件や謝罪を伝えなくてはいけないため、どんな文章を送ればいいか迷う人もいらっしゃると思います。そこでここは「面談や打ち合わせをリスケする場合」「納期をリスケする場合」の2パターンの例文を紹介します。

打ち合わせをリスケする際のメール例文

打ち合わせや面談などをリスケしたい場合、下記のようなメール文を意識するといいでしょう。

件名：打合せ日時変更のお願い

株式会社△△
△△様

お世話になっております。
株式会社○○の○○です。

○月○日(○)の○時からのお打ち合わせについて、
日時の変更をお願いしたくご連絡いたしました。

お時間を調整いただいたにも拘らず、申し訳ございません。
急な出張が入ってしまい、貴社に伺うことが難しくなってしまいました

ご多用のところ勝手を申しますが、
下記の日時で再度ご検討いただけないでしょうか。

○月○日(○)○時～
○月○日(○)○時～
○月○日(○)○時～

上記が難しい際には、
○○様のご都合の良い日をいくつかお知らせいただけますと幸いです。
大変恐れ入りますが、何卒よろしくお願い申し上げます。

簡潔に用件を伝えつつも、リスケの理由や謝罪の気持ちを伝えましょう。また、リスケ後の打ち合わせでは「スケジュールを変更して申し訳なかった」「スケジュールを変更してもらえて大変助かった」といった謝意を伝えると、より相手に誠意が伝わるでしょう。

納期をリスケする際のメール例文

納期をリスケしたい場合、下記のようなメール文を意識するといいでしょう。

件名：納期延期のお願い

株式会社△△
△△様

いつもお世話になっております。
株式会社○○の○○です。

○○の納期について相談させていただきたく、ご連絡いたしました。

大変恐縮ですが、○月○日の納期を
○月○日に延期していただけないでしょうか。

先日の豪雨による停電の兼ね合いで、
商品を製造する機器の点検が必要になり、
一部商品の完成が間に合いそうにない状況です。

機器の点検は2～3日で完了する予定ですので、
完了次第急いで生産させていただきます。

ご迷惑おかけして大変申し訳ございませんが、
何卒よろしくお願い申し上げます。

納期をいつに延期して欲しいのか、明記するようにしましょう。延期をお願いする理由についても、伝えられる範囲で丁寧に説明するのがポイントです。

なお、納期が変われば、相手の業務や事業に大きな影響を与えるケースもあります。状況によってはメールよりも、電話や対面で伝えるのが好ましいでしょう。

仕事上のリスケはマナーを守って相手に伝えよう

リスケはスケジュールの再調整を意味する言葉です。略語であるため、上司や取引先に使うと失礼になりますので、基本的に使わないようにしましょう。また、こちらの都合でリスケする際は、誠意を持った対応をすべきです。リスケを丁寧な言葉に言い換えたり、相手の都合を考えて複数の日時を提案したりするなど、ビジネスパーソンとしてのマナーと対応が求められます。 

リスケという言葉を使うシーンを選び、マナーを守ったリスケを申し入れれば、良好な人間関係を保っていけるでしょう。