社員研修の効果を高めるために、アイスブレイクを取り入れることは重要です。とはいえ参加者の構成や、研修の目的に合ったアイスブレイクを選ぶ必要があります。
研修や会議のアイスブレイクに使える20のアイデアを、詳しいやり方と共に解説。自社に合ったアイスブレイクを選ぶ参考にしてください。
アイスブレイクとは
アイスブレイクとは、研修を始める前に行う簡単なゲームや、商談や面接の本題に入る前に行う雑談などを指す言葉です。
参加者の緊張をほぐし研修の効果を高め、場の空気を作るために重要な要素として、多くの企業が社員研修にアイスブレイクを取り入れています。
アイスブレイクの効果とは
アイスブレイクを適切に実施するには、その効果・メリットを把握しておくことが重要です。アイスブレイクが研修にもたらす効果として、主に以下の3つのポイントが挙げられます。
- 緊張をほぐし本来のパフォーマンスを引き出す
- メンバー紹介とチーム意識の形成
- 研修内容への準備・新たな気づき
緊張をほぐし本来のパフォーマンスを引き出す
アイスブレイクによって、参加者が「本来のパフォーマンス」を引き出しやすくなるという効果が期待できます。 参加者同士が初対面の場合は特に、「緊張」がコミュニケーションの妨げになることがあるためです。
アイスブレイクによって緊張をほぐすことで、参加者が「自由に発言しやすい空気」を作ることができます。
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メンバー紹介とチーム意識の形成
参加者がお互いのことを知るきっかけになることも、アイスブレイクのメリットです。 「ゲーム形式の自己紹介」によって、参加者はお互いの趣味や考え方を知ることができます。
また「グループ形式のゲーム」で協力して1つのことを成し遂げることで、チーム意識を形成し、その後の研修・ワークへの準備にもなります。
研修内容への準備・新たな気づき
アイスブレイクでの自己紹介は、参加者が自分についての新たな「発見」や「気づき」のきっかけになることもあります。 チームワークを通じて、仕事の進め方のコツや、自分に足りないスキルに気づかされることもあるでしょう。
アイスブレイクは雰囲気づくりになるだけでなく「研修の一環」ともいえるのです。
アイスブレイクのやり方
アイスブレイクの準備の仕方や、進め方、基本的な注意点を解説します。
参加者に合った内容を計画する
計画段階では、人数や構成を考え、「参加者に合った内容」のアイスブレイクを選ぶことが重要です。例えば少人数の研修で大人数向けのアイスブレイクを選んでしまうなど、参加者に合わない内容では、本来の効果を発揮できなくなってしまいます。
また、「参加者にとって分かりにくい題材ではないか」「初対面でも盛り上がるか」など、参加者の構成についても検討したうえで内容を考えましょう。
目的や内容を説明する
始める前に、参加者に対して「アイスブレイクの目的」を詳しく説明することが重要です。 アイスブレイクが盛り上がったからといって、目的を達成していなければ意味がありません。アイスブレイクを実施する目的を参加者と共有することで、目的を達成しやすくなります。
また、内容やルールの説明も分かりやすくなるように工夫し、参加者が混乱しないように気を配りましょう。
制限時間を決めて実施する
アイスブレイクが長引かないよう、制限時間を決めて実施しましょう。時間が押して本来の研修の時間がなくなってしまっては本末転倒です。特に自己紹介は、長く話す人が出てくる可能性があるため、1人あたりの制限時間を決めて実施することが重要です。
ゲームに使う道具を配ったり、Web会議ツールの設定をしたりなど、ゲーム本番の前後にも時間がかかることを踏まえて計画してください。
研修・会議の前にやりたいアイスブレイク20選
研修や会議におすすめのアイスブレイク20選を、以下の3種類に分けて紹介します。
- 緊張をほぐすアイスブレイク
- 自己紹介のアイスブレイク
- Web・オンラインで使えるアイスブレイク
緊張をほぐすアイスブレイク6選
脱出ゲーム
物語形式の謎解きゲームです。脱出といっても「閉じ込められる部屋」を用意する必要はなく、紙などに書かれたヒントを元に、グループで協力して謎を解いていきます。
1つの目標に向かって協力することで「仲間意識」が高まり、分担して作業を進めるという「仕事に必要なスキル」を磨くことにもなるアイスブレイクです。
謎解き問題はインターネットや本などで探すことができます。オンライン謎解きゲームのサービスを利用すれば、リモートでも可能です。以下の手順で実施します。
- グループごとに分かれて、協力しながら謎を解く
- 制限時間以内に謎が解けなかったグループは失敗
- 謎が解けたグループは答え合わせをする
紙飛行機ゲーム
自由な折り方で紙飛行機を追って、飛距離を競うというシンプルなゲーム。紙飛行機の折り方や投げ方について、参加者同士の自然な会話が生まれやすいアイスブレイクです。
- 参加者全員に折り紙を配る。
- 各自、折り紙を使って紙飛行機を作る。折り方は自由。
- 一直線に並んで、一斉に紙飛行機を飛ばす。最も遠くまで飛ばした人が勝ち。グループ戦にしてもOK。
絵合わせゲーム
参加者同士でコミュニケーションしながら絵合わせパズルをするゲーム。自分の配られたパーツとつながるパーツを持っている人を探しながら、自然に会話が生まれるアイスブレイクです。 ゲームが終わると複数のグループができるため、研修の前段階としても使えます。
- 作りたいグループの数と同じ枚数の、異なる絵を用意する。雑誌のページなどでも可。
- 参加者1人1枚になるように、絵を切り分ける。
- 切り分けた絵をシャッフルして、参加者1人あたり1枚ずつ配る。
- ゲームスタート。参加者は同じ絵のパーツを持っている人を探して、元の絵を完成させる。
集団じゃんけん(グループじゃんけん)
グループ戦で行うじゃんけんです。グループに分かれて、何を出すかを話し合いながら、協力してゲームを進めます。勝ち負けを共有することで、チーム意識を高められるアイスブレイクです。
- まずはグループ分け。このとき、グループの数は必ず「偶数」にする。
- グー・チョキ・パーのうち何を出すかは話し合って決定し、進行役の合図に合わせて各グループが一斉に同じ手を出す。トーナメント方式などで、優勝のグループを決める。
バースデーライン(バースデーチェーン)
グループに分かれて「誕生日の早い順」に並ぶゲームです。ただし声を出したり、文字を書いたりなどは禁止で、ジェスチャーのみで自分の誕生日を伝える必要があります。参加者の誕生日が分かり、お互いを知るきっかけにもなるアイスブレイクです。
- グループごとに分かれて、各自がジェスチャーで自分の誕生日を伝える。
- 5~15分ほどの制限時間以内に、誕生日の早い順で1列に並ぶ。
- 制限時間がきたら、答え合わせ。順番に声を出して、自分の誕生日を言う。
- 間違えずに並んだグループの勝ち。
ペーパータワー
紙を使ってタワーを作るゲームです。限られた枚数の紙を、丸めたり折り曲げたりなど工夫をして、高くしていきます。チームワークや話し合いのスキルが磨かれるアイスブレイクです。協力して1つのことを成し遂げられ、仲間意識を高められることもメリット。以下の手順で進めていきます。
- A4用紙を、1グループあたり20枚ほど配る。
- グループごとに数分の作戦タイム。どのようにタワーを作るかを話し合う。
- ゲームスタート。A4用紙を使って、制限時間内にできるだけ高いタワーを作る。
- 各グループのタワーの高さを計測。一番高いグループの勝ち。
メンバー・自己紹介になるアイスブレイク8選
漢字一文字自己紹介
自分について「漢字一文字」で紹介するという方法です。自分の性格や特徴を表す漢字一文字を発表し、その理由について説明していきます。一文字に絞ることで印象に残りやすく、ありきたりな自己紹介になりにくいことがメリットです。
- 全員に紙とペンを配る。
- 順番に1人ずつ、自分を表す漢字一文字を発表し、その漢字を選んだ理由を説明する。
他己紹介
自分のことを「他人に紹介してもらう」という形式のアイスブレイクです。ペアになった相手に対してインタビューをすることで、初対面同士でも紹介できます。インタビューでコミュニケーションをしながら、ペアになった相手について深く知ることができる点がメリットです。他の人の発表を聞くことで、自己紹介とは違った印象で参加者のことを知ることができます。
- ペアを作り、お互いインタビューする。
- インタビューで得た情報に基づいて、ペアになった相手を他の参加者に紹介する。
共通点探しゲーム
ペアになった相手と自分の共通点を探すアイスブレイクです。
「必ず10の共通点を見つける」などのルールを設けることで、簡単に思いつく範囲で止まらず、相手について深掘りできることがメリット。ゲームをクリアするために、お互いに遠慮せず質問しやすいことも魅力です。
- ペアを作り、話し合いながら共通点を探す。
- 「10の共通点を早く見つけたペアが勝ち」や「見つけた共通点の数が多いペアが勝ち」など、あらかじめ決めたルールで勝ち負けが決定。
覚えて自己紹介ゲーム
他の参加者についても覚える必要のある自己紹介です。自分について紹介できるだけでなく、ゲーム形式で他の参加者について楽しみながら知ることができます。
- テーブルを囲んで座り、時計回りなど自己紹介する順番を決める。
- 「趣味」などのお題を決め、最初の人は「サッカーが好きな〇〇です」と短い言葉で自己紹介する。
- 次の人は、前に自己紹介した人の内容を含めて「サッカーが好きな〇〇さんの隣にいる、読書が好きな△△です」と、自分の紹介を加える。
- 次の人も同様に、それまで自己紹介した人の内容をすべて覚えてつなげながら、最後に自分の紹介を含めて回していく。
ヒーローインタビュー
参加者1人の「成功体験」について、他の参加者が質問し、インタビュー形式で紹介するアイスブレイクです。 スポーツで行われるヒーローインタビューのイメージで、インタビュアーの人がリアクションをしながら進行していきます。
- ペアを作り、インタビュアー(聞き役)とインタビュイー(話し役)に分かれ、インタビュー形式で会話する。
- 役割を交代し、同様にインタビューする。
Good & New
24時間以内に起きた「良かったこと」「発見したこと」などを発表する自己紹介です。 楽しい話題で自己紹介できるため盛り上がりやすく、24時間に絞ることで朝礼などに毎日でも実施できる点がメリット。以下の手順で実施します。
- 参加者全員が順番に、24時間以内に起こった「良かったこと」「発見したこと」などを発表する。
- 他の参加者は拍手や言葉などでリアクションする。
ウソ・ホントゲーム
グループの1人が「ウソの情報」が入った自己紹介をして、どの部分がウソなのか、グループの他のメンバーが当てるゲームです。
- 全員にカードを配り、そこに自分について3つの正しい情報と、1つのウソ情報を書いてもらう。
- カードに書いた内容を読み上げ、他の参加者は話し合って、どの情報がウソかを当てる。
- グループ全員に対して同じように進めていく。
Web・オンラインでも使えるアイスブレイク6選
ワードウルフ
ワードウルフは「人狼」のようなゲームです。参加者ごとに「犬派」と「猫派」などに分かれて、多数派と少数派をあらかじめ決めておき、だれが少数派(=ワードウルフ)なのかを探っていきます。
オンラインでも、個別チャット機能を使って実施できるゲームです。以下の手順で実施します。
- 参加者全員に、個別チャットでワードを振り分ける。各自は、自分が受け取ったワードが多数派なのか、少数派(ワードウルフ)なのか分からない。
- 全員で話し合いながら、自分がワードウルフかどうかを探っていく。
- 話し合いが終わったら、多数決でワードウルフだと思う人を決める。
- ワードウルフを当てることができたら、多数派の勝ち。外れたらワードウルフの勝ち。
ジェスチャーゲーム
ジェスチャーだけを使ってお題を伝えていく、伝言ゲームの一種です。言葉を使わない「ノンバーバルコミュニケーション」のスキルが磨かれるだけでなく、体を動かすことで緊張がほぐれる効果も期待できます。
- グループごとに縦1列に並ぶ。
- 列の一番後ろの人に、お題が書かれたカードを渡す。他の参加者にはお題が分からないように注意。
- カードを受け取った人は、前の人に合図をして振り向いてもらう。お題をジェスチャーだけで伝える。
- 同じように繰り返し、列の一番前の人まで伝えていく。
- 最後の人が、お題が何かを答える。お題を正しく伝えられたグループの勝ち。
山手線ゲーム(古今東西ゲーム)
リズムに乗せて「お題にあてはまるもの」を答えていくゲームです。お題は「果物」「動物」など簡単なものはもちろん、研修の参加者なら分かるマニアックな用語でも良いでしょう。テンポ良くゲームが進み、盛り上がりやすいアイスブレイクです。
- 参加者は1列もしくは円になる。
- お題を発表し、列の最初の人から「お題にあてはまるもの」を言ってもらう。手をたたきながらリズムに合わせて言うようにする。
- 「同じものを2回言う」「リズムに乗って答えられない」「お題にあてはまらないものを言う」という失敗をした人が負け。負けた人には簡単な罰ゲームを設定しても良い。
もしもゲーム
「もしも、無人島に持っていくなら何?」など、もしもの場合にどうするかを考えるゲームです。「もしも、自分が子供に戻ったら?」など、ありえない質問でもOK。質問に対する回答と、そう答えた理由を説明することで、その人の考え方を知ることができます。
- 進行役が「もしも~だったら?」の問題文を発表する。
- 回答を考える時間を少し開けてから、順番に発表してもらう。
絵しりとり
言葉や文字を使わず、「絵」だけでしりとりをするゲームです。絵心がない人がいても問題なく、むしろその方が、難易度が上がって盛り上がりやすくなります。 カメラに絵を映して進めていけば、オンライン研修でも可能です。
- 1人目が自由に何かの絵を描いて、画面に映す。
- 次の人は、その絵が何かを予想し、その名称の最後の言葉から始まる別の何かの絵を描く。
- 最後の人まで回ったら答え合わせ。しりとりが成立しているか確認する。
数取りゲーム
30や100など、「言ってはいけない数字」を決めておき、それを言った人が負けになるゲームです。ちょっとした駆け引きや、先を読む楽しさを味わえるアイスブレイク。声だけでできるため、オンライン研修でも可能です。
- じゃんけんなどで最初に数字を言う人を決める。
- 1人ずつ順番に、1からスタートして「2、3…」と1ずつ数を増やしていく。1人あたり最低1回、最大3回まで数字を増やすことができる。
- 言ってはいけない数字を言ってしまった人が負け。
アイスブレイクを活用して有意義な研修・会議にしよう
アイスブレイクは、緊張をほぐして参加者同士のチーム意識を促進するだけでなく、社員に「新たな気づき」を与えるきっかけにもなります。この記事で紹介した20のアイデアを参考に、参加者に合ったアイスブレイクを選んで、有意義な研修・会議を実現しましょう。
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