QOLとは、生活の質と呼ばれ、精神的や文化的に満足できる生活を表す概念です。QOLの評価の仕方は複数あり、グローバルに活用できる評価方法により、介護や看護の現場のほか、日常生活でのQOL向上につなげることができます。
ここでは、QOLの基本知識から、日常生活でQOLを向上させる工夫についてご紹介します。
QOLとは
QOL(Quality of Life)とは、「生活の質」と一般的に訳されます。さまざまな研究を通じていくつかの定義がなされていますが、厚生労働省ではQOLを以下のように定義しています。
「従来のリハビリテーションは日常生活動作(ADL)の向上を目指していましたが、最近は生活の質を高めることとなっています。
障害者にとっての生活の質とは、日常生活や社会生活のあり方を自らの意思で決定し、生活の目標や生活様式を選択できることであり、本人が身体的、精神的、社会的、文化的に満足できる豊かな生活を営めることを意味します。」
つまり、QOLで言う生活の質とはただ単に物質的に豊かであることや、時間的な余裕があることだけを指すのではなく、日常生活や社会生活の在り方を、本人自らが決定し、身体的・精神的・社会的かつ文化的に満足できる生活を指します。
もともとは医療とともに発展してきた概念ですが、近年は福祉や介護の現場でも用いられるほか、一般の人が普通の日常生活を送るうえで、豊かな生活を指すものとして使われることもあります。
参考:新潟青陵大学短期大学部研究報告 第38号(2008)「重度・重複障害者におけるQOL評価法の検討」
QOLに影響する項目
このように、QOLにはさまざまな要素が影響を与えています。そのなかでも、主に以下の3点がQOLに影響を与えると考えられています。
心身の健康
身体的、精神的に健康であることは、QOLを向上させます。身体的な健康には、規則正しい生活や栄養価の高い食事が必要です。
また身体だけが健康であるだけでなく、仕事面でやりがいを感じたり、適度な休息を取れたりといった、精神面での充実が必要です。日頃から運動不足解消を意識した生活や、十分な休息が、心身のストレスと疲労を緩和しQOLを高めます。
自立した生活
経済的に自立していることも、QOLに大きな影響を与えます。生活に必要な資金が困窮すると、衣食住といった基本的な文化レベルが大きく下がります。満足に食事ができない、学校や職場で必要な物が買えないといった生活は、身体だけでなく心にも大きなストレスを与えます。
基本的な生活の質を保ち、生きていくのに経済的に困らないという状況は、QOLを保つうえで重要な要素です。
社会とのかかわり
社会とのなんらかの関わり合いも、QOLを向上させます。ここでいう社会とのかかわりとは、単純に友達が多いということに留まりません。近所の人との交流がある、日々の生活のなかで他者の役に立てたと感じるなど、些細なことが社会の一員である実感を生み出します。
仕事や趣味はもちろん、スーパーで店員とあいさつを交わすといった日常のつながりがQOLを向上させるのです。
QOLの評価方法
QOL(生活の質)を測るためには、いくつかの定義が存在します。
WHO/ QOL-26
世界保健機関(WHO)では、国際間での比較が可能なWHO/ QOLと呼ばれるQOL尺度を開発しました。WHO/ QOL-26は、一般向けにQOLを評価できる尺度であり、以下の項目が含まれています。
- 身体的領域
- 心理的領域
- 社会的関係
- 環境領域
それぞれに26の質問があり、質問された人は2週間の生活を振り返りながら5段階で点数を付けます。点数が高ければ高いほどQOLが高いという評価になります。
MOS/SF-36
MOS/SF-36とは、世界で広く使われている自己採点方式の健康状態調査票です。8つの領域において、36個の質問でQOLを評価します。MOS/SF-36は、これを使用することで病気の状態の人の健康概念を把握できます。
異なる病気の患者間でQOLを比較したり、病気を患っている人と健康な人とのQOLを比較したりすることで、よりよい看護や介護に活用されています。
古屋 健・三谷嘉明による指標
古屋 健・三谷嘉明による指標とは、知的障碍児や知的障害の高齢者におけるQOLを測るさいに用いられるものです。「親密な人間関係」「情緒的安寧」「物質的安寧」「健康」「労働・生産活動」「地域生活」「個人の安全」の7つの領域に基づき開発されています。
QOLを上げる5つの方法
では、QOLを上げるためにはどんなことに気を配ればいいのでしょうか。日常生活のなかで実践できる方法を以下にご紹介します。
適度な休息をとる
忙しいときにこそ、適度な休息がQOLを向上させます。仕事が繁忙期であれば、充実感を覚えているかもしれません。納期に追われ焦りを感じていることもあるでしょう。
そんなとき、体は酷使されています。「まだがんばれる」と思っていても、十分な睡眠や仕事から離れる時間を作ることで疲労が回復し、QOLが向上します。
食事の栄養バランスに気を配る
身体面からQOLに気を配るためには、食事の栄養バランスに気を付けましょう。おいしいものを食べるのはストレスの解消になる反面、胃もたれや肥満といった結果を引き起こします。体にとって良い食べ物は何かを学ぶことも、自分の生活を豊かにする行動の一つです。
仕事以外の趣味や楽しみを持つ
まったく仕事とは違う趣味に挑戦してみるのも、自分の世界を広げることになります。あらたな価値観や、新しい人間関係は日々の生活に刺激を与えてくれます。
また、仕事の経験やスキルを活かしたボランティアに参加してみるのもいいでしょう。仕事以外の楽しみが、人生の楽しみとなり日々の生活にメリハリを与えてくれます。
瞑想の時間を作る
瞑想とは、悩みや不安から解放されて、「いまここ」に集中している状態です。脳は日頃から意識的・無意識的にさまざまなことを考えます。思考から新たなアイディアが生まれることもありますが、思考しっぱなしの脳には疲れがたまります。瞑想を習慣化することで、心身ともにリラックスし、QOLの向上につながります。
笑顔を心がけてみる
笑いは、筋肉や呼吸器など体に良い影響を及ぼします。ストレスの緩和にもつながるといわれ、日常的に笑顔が多い人は、それだけでQOLを高められると考えられます。
挨拶をする瞬間に笑顔になってみたり、一人でいるときでも表情筋を意識してみたりするといいでしょう。また、お笑いなど、自分が楽しめるものに触れる機会を増やすと、自然と笑顔の多い生活になります。
日常のちょっとした工夫から、QOLを向上させることができます。睡眠の質の向上や栄養バランスのとれた食生活につながるような家電・ガジェットをご紹介します。
QOLを上げる家電・ガジェット5選
1.料理をもっと簡単おいしくする電気調理鍋
昨今では、料理で使う家電製品が進化し、より簡単においしい料理を作れる家電が登場しています。電気調理鍋は、材料を投入しボタンを押すだけで、簡単に料理が完成するため、料理にかかる時間や手間をぐっと減らすことができます。
鍋や煮物など、いわゆる鍋で調理する料理のほか、人の手が加わるような炒め煮やめん類・蒸し物にも対応。無線LANに接続することでレシピのレパートリーが広がります。時間をかけず、バランスのとれた食事を楽しむことで、食のQOLが向上します。
2.スコアで睡眠の質を高めるデジタルフィットネストラッカー
腕につけるだけで、睡眠全体と各睡眠ステージの時間を計測できるデジタルフィットネストラッカーは、睡眠の質に悩む人に最適なガジェットです。独自のアルゴリズムによって睡眠の質が数値化されるため、自分の生活を客観的に把握することができます。
昼間の運動時間と睡眠の質の関連性や、寝入る前の行動との関連性が見えてくるため、より良い睡眠のヒントが得られ、QOL向上につながるでしょう。
3.IoTの力で家のなかを自動化するスマートスピーカー
声をかけるだけで電気が自動で点灯する……そんな日常シーンは、もはや未来のものではありません。スマートスピーカーがあれば、話しかけるだけでさまざまな雑事が完了します。ネット通販やカーテンの開け閉め、スケジュールの確認や天気予報のチェックなど、AIアシスタントがまるで執事のように事細かに対処してくれます。
手がふさがっているときに、声をかけるだけでお気に入りの音楽を流したり、電話をかけることも可能。日常のちょっとした大変さが軽減され、さまざまなシーンで技術の恩恵を受けられます。
4.どこでも手軽に読書を楽しむ電子書籍専用リーダー
電子書籍をスマホで読んでいる間に、友達からメッセージが来て読書を中断した経験をお持ちの方も多いでしょう。読書専用のデバイスは、スマホやタブレットでの読書と異なり、読書以外の機能に悩まされることがありません。読書そのものに集中できるため、趣味の時間を通じてQOLが向上します。
また、電子書籍専用リーダーは読書する人に最適な形で設計されています。たとえば画面の反射を抑えることで、まるで紙面で読んでいるような感覚を味わえます。持ち運びが便利であり、旅先やお風呂などどこでも読書を楽しめます。読書好きの人にとっては、手放せないものになるでしょう。
5.いつでもきれいな状態を保つロボット掃除機
お掃除にかかる手間を減らしながら、部屋をきれいに保てる家電がロボット掃除機です。スケジュールを設定するだけで、外出中や夜間に掃除が完了。いつでもきれいな部屋でリラックスして過ごせます。仕事で疲れて帰ってきたとき、玄関を開けてホコリが積もった床を見ることがなくなります。
掃除の行き届いた部屋は、気持ちをやわらげ、QOLを向上させてくれるでしょう。
QOLを上げて豊かな生活を実現しよう
睡眠や食事、人との交流など、さまざまな要素がQOLに関係しています。一つの要素が順調でも、他の要素に何かしらの問題が発生していると、気力や体力がそがれるということが発生します。
また、自分自身の生活のバランスの偏りに気づくのはなかなか難しいものです。そんなとき、QOLを評価する項目を知っているだけで、生活の質を意識するきっかけになります。豊かな生活の実現に向け、まずは身近な生活習慣から変えてみるのがいいでしょう。
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