コンプライアンスを遵守するための要素を紹介!「遵守」と「順守」の 違いについても

(写真=garagestock/Shutterstock.com)

メディアやニュースで「コンプライアンス遵守」という言葉を耳にするかもしれません。何となく「法律を守ること」と思っている人も多いかもしれませんが、厳密には少し違います。

コンプライアンス遵守の本来の意味は広義で「法令遵守」となりますが、ただ法律を守るだけでなく「社会的良識に沿った企業行動を行う」ということが求められます。具体的に「コンプライアンス遵守」とはどのようなことなのかご紹介していきます。

コンプライアンス遵守とは?

コンプライアンス遵守は法律を守ることが大前提ですが、企業に求められるのは企業倫理や社会的良識、社会規範などを守っているかどうかということです。つまり法律で懲罰を課せられていない項目であっても、法律の抜け穴をかいくぐるような行為は避けなければなりません。

社会的良識を逸脱した行動を取ることで、企業イメージは失墜し、世間や株主から非難を浴びることもあるのです。法律を犯していないにも関わらず、企業活動を自粛したり、営業利益が下がったりして社会的制裁を受けることもあります。

今やコンプライアンスを遵守しない企業行動については、社会的な信用にかかわると言っても過言ではありません。こうした企業行動に対しては、社内規則や業務マニュアルなどで法律以外にも広い範囲にわたって対応する必要があるのです。

コンプライアンスを遵守するための5つの要素

コンプライアンスを組織として遵守するための要素は以下の5つの「フルセット・コンプライアンス 」で構成されています。

  • 方針の明確化
  • 組織の構築
  • 予防的コンプライアンス
  • 治療的コンプライアンス
  • 環境整備コンプライアンス

方針の明確化では、企業が「社会から何を求められているか」を具体的かつ明確化する必要があります。営業利益だけでなく、社会からの要望に応えられる方針にする必要もあります。

コンプライアンスを遵守するためには、下記に記載したポイントを含んだ組織の構築も考慮していきましょう。社内規定の見直しやコンプライアンスマニュアルの策定、または改定が必要になるケースも考えられます。

  • コンプライアンスを担当する役員の任命
  • 外部有識者を含むコンプライアンス推進委員
  • コンプライアンス運営や計画、事案の審議
  • コンプライアンス責任者、リーダーの任命
  • 従業員、役員からのコンプライアンス誓約書を取得する
  • 企業倫理ヘルプライン(相談窓口の設置)

コンプライアンス遵守に向けた周知と研修体制

組織やマニュアルが策定できたら、社内外への周知と浸透徹底に取り組みましょう。特に重要なのは、社内教育と研修です。組織によっては、社内でのコンプライアンスへの認識が異なる場合があるので注意が必要です。

あらかじめ社内アンケートを実施し、認識の違いや役職に応じてグループで研修を行っていきましょう。

法律の改正や制定毎の研修会の実施や社内講習会、外部有識者の勉強会などを定期的に実施することで、社内の意識改革や意識統一を図ることにつながります。

また、社内報などで、コンプライアンスの情報を定期的に共有するなど啓発の機会を意識的に作っていくと、社内のコンプライアンスへの意識も高めやすくなるでしょう。

さらにコンプライアンスについての相談窓口設置により、匿名での違反相談や通報を受けられるので社内コンプライアンス違反の減少につなげられます。

少につなげられます。

遵守と順守の違い

順守は、遵守と混同されやすい言葉のひとつです。両者ともに「決まりや法律、道理にしたがい、守ること」の意味があります。基本的に両者の違いは漢字が置き換わっただけで、意味合いはほとんど変わりません。

漢字の構成から意味の違いを考えると、遵守には「法律や道徳、規則を理解・尊重したうえで、厳格に守る」意味合いが強くあります。一方で、順守は「素直にしたがう」イメージです。規則を理解するというよりも、従順にしたがうことに重きを置きます。

いずれも当用漢字に指定されており間違いではありませんが、日常的な表現としては遵守が使われることがほとんどです。基本的に公用文や契約書でも遵守が使われており、迷ったときには遵守を使うとよいでしょう。

遵守のその他の類語

遵守の類語には、順守以外にも以下のものが挙げられます。

厳守

厳守は「時間厳守」のように、日常でもよく使われる表現です。「決まりごとを厳しく守る行動や態度」の意味合いが強く、遵守よりも決まりを守るための意思の強さが強調されます。

準拠

準拠は「標準としてしたがうこと、拠りどころとすること」といった意味合いがあります。「マニュアルに準拠する」の場合は、マニュアルにしたがって業務を遂行したり、教育したりするイメージです。遵守との違いは「守る」の意味合いの有無にあります。遵守は規範や道徳を守ることを重視しますが、準拠は標準としてしたがうことに重きを置きます。

遵奉

遵法は「法律や教訓、主義などにしたがい、強く守る」ことです。遵守よりも、決まりごとを厳格に守るイメージがあります。

遵法

遵法は「法を守る」という意味です。遵守の場合は規範や道徳など対象がさまざまですが、法のみを対象と知る場合には遵法が使われます。

コンプライアンス遵守で企業と社員をリスクヘッジ

コンプライアンス遵守は企業活動を行う上で、リスクヘッジできるセーフティラインともいえます。コンプライアンス体制を整備している企業は、企業行動の規範が整っているだけでなく、世間や社内からの信頼も得やすくなるでしょう。

今やコンプライアンスを意識していない企業は、世間の厳しい目にさらされ生き残りが難しくなってきています。

企業に最適なコンプライアンスプログラムを制定し周知徹底していくことで、経営存続への足掛かりとし、さらなる発展を目指していくこともできるのです。

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