問題を未然に防ぐためにコンプライアンス(法令遵守)の必要性を十分に理解していても、限られた予算のなかで経営を行っている中小企業としては、専任のコンプライアンス統括部門や管理者を設置することはあまり現実的ではありません。
まずは、一般に公開されているチェックリストで、求められるコンプライアンスについての理解を深め、事前にどのような対策が取れるのか考えることが大切です。これからご紹介するチェックリストを、コンプライアンス対策のヒントとしてお役立てください。
コンプライアンスチェックリストでチェックする分野とは
決算書を意図的に改ざんしたり、産地偽装をはじめとする不正取引を行うと問題になることは予備知識としてすでにお持ちでしょう。
では、具体的に経営のどのような分野をチェックする必要があるのでしょうか。
一般的に、会社法一般、会計税務、人事労務、公正取引、知的財産権、情報管理、環境・安全衛生、安全保障貿易、関税・外国為替、企業倫理などの分野をチェックする必要があるとされています。
分野ごとのチェックリスト作成例
一般に公開されているチェックリストの作成事例とあわせて、よくあるコンプライアンス違反事例をいくつかご紹介します。
会計税務
国税庁の後援で全国法人会総連合が作成した「自主点検チェックシート」。
- 決算書は適切に作成されているか
- 法人税法で規定される帳簿書類の保存期間を守っているか
労務
社会保険労務士が作成したチェックシートが公開されています。
- 就業規則が整備され、届出されているか
- セクシュアルハラスメント研修は実施されているか
- 労働者派遣法に違反していないか
公正取引
中小企業庁が作成した「下請取引コンプライアンス・プログラムで競争力をつける 」というマニュアル兼チェックシート。
- 不当な下請待遇はコンプライアンス違反です。
経済産業省が作成した「不正競争防止法の概要 」 - 産地偽装、顧客名簿や営業秘密を第三者に流出させると厳しいペナルティを受けます。
情報管理
情報処理推進機構が作成した「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン 」。
情報セキュリティの管理・実践編やチェックリストも添付されています。
- 個人情報の漏洩はコンプライアンス違反です。
包括的なチェックリスト
また上記のような分野毎のチェックリストの他に、日本監査役協会が包括的なチェックリストを数多く公開しています。
取締役のセルフチェックリスト・法令等遵守体制のチェックリスト
コンプライアンスに対する心構えも含めた一般的な知識を得られる内容となっていますので、特にコンプライアンスを徹底させるために何から取り組んで良いのかわからない、という方におすすめです。
内部統制システム監査チェックリスト
- 会社法に基づく内部統制監査
- 金融商品取引法に基づく財務報告内部統制監査
上記2点について監査するチェックリストです。
海外監査チェックリスト
該当する部門別の監査チェックリストです。
海外との取引をされている方、海外に事業所をお持ちの方は目を通されてはいかがでしょうか。
上述した監査する側の目線でのチェックリストを確認すると、コンプライアンスに対するアプローチの方法がみえてくるはずです。
チェックリスト活用法について
ではこういったチェックリストをどのように活用すれば良いのかまとめてみました。
- 監査時の基礎資料として活用する。
- 随時、あるいは定期的な内部監査の実施計画をたてる。
- 個別の実情にあったチェックリストを使用して監査を実施する。
このようなチェックリストを使用した監査を継続することで、過去の経験データを集めることができます。チェックされたリスト情報をデータベース化し、そのデータから必要とされる対策がみえてきたら、相談できる専門家を探しましょう。
特定の問題が起きた場合に備えて、気軽に相談できるホットラインを前もって構築しておくと安心です。
今までチェックリストを使用して集めた過去の経験データが、万が一問題が起きた場合には、相談資料として活用できます。
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