人材不足が多くの企業で課題となっている昨今、人事業務についても人手が足りず回っていない、ノウハウのある人材の採用に難航しているという企業は多いのではないでしょうか。
そうした課題の解決方法に、人事業務のアウトソーシングがあります。アウトソーシングで人事業務の一部を外部のプロ人事に委託すれば、労働力だけでなくノウハウも補えます。
本記事では、人事業務のアウトソーシングをするメリット・デメリットや導入時のポイントなどについて解説します。
人事業務のアウトソーシング(外部委託)とは
人事業務のアウトソーシングとは、企業の人事部が行う業務を外部の会社やスタッフに委託することを指します。
具体的には給与計算・勤怠管理・社会保険業務といった労務管理業務、面接・採用・人材育成といった人材管理業務がアウトソーシングされることが多いです。
定型化・マニュアル化できる業務や事務的な作業をアウトソーシングすることで、企業の人事部は人事戦略や人材育成の計画立案など、より重要かつ複雑な業務に専念できるようになります。
BPOとの違い
BPO(Business Process Outsourcing)も広い意味ではアウトソーシングの一環です。
ただし、アウトソーシングではリソースの不足を補うために業務の一部を委託します。採用のアウトソーシングであれば候補者との日程調整や連絡などはアウトソーシングし、面接自体は社内の従業員が行うイメージです。
それに対してBPOでは、対象分野の業務を丸ごと外部に委託します。マーケティングであれば、企画立案から実行まですべて外部に任せるのです。
シェアードサービスとの違い
シェアードサービスとは、複数のグループ会社に共通して存在する部門を1つに集約することです。
人事部であれば、1つの人事部がグループ会社であるA社、B社、C社すべての業務を担当します。
人事業務のアウトソーシングの市場
人事業務のアウトソーシング市場は、拡大傾向にあります。
2024年に公表された矢野経済研究所の調査によると、2022年における人事業務のアウトソーシングの市場規模は11兆1,019億円でした。前年比4%増で、2016年以来毎年増加しています。
2022年度の市場規模予想は11兆8,547億円とさらに増加していることからも、人事業務のアウトソーシングはこれから一層普及していくと考えられます。
市場規模拡大の理由としては、少子高齢化による労働人口の減少が挙げられます。働き方改革関連法の改正で残業時間に上限が設けられたことも、影響しているでしょう。
リソース不足を人員補充により解消することも、長時間労働で解消することも難しくなったのです。
よって、人員も労働時間も増やさずリソース不足に対応する方法として、一部業務を外部に委託するアウトソーシングの利用が増えているのです。
アウトソーシングに向いている人事業務
人事業務の中には、アウトソーシングに向いている業務もあれば向いていない業務もあります。どのような業務ならアウトソーシングしやすいのか、具体例を5つ紹介します。
給与計算や勤怠管理
給与計算や勤怠管理は業務量が多く毎月発生する業務なので、リソースを圧迫しがちです。また、重要な業務ではあるものの定型化しやすいという一面もあります。
こうした点から給与計算や勤怠管理はアウトソーシングしやすいうえ、外部に任せることで業務量を多く削減でき、社内のリソースに余裕をもたせられます。
アウトソーシングのしやすさ、アウトソーシングすることによる効果の両面から見て、給与計算や勤怠管理はアウトソーシングに向いているといえるでしょう。
社会保険業務
社会保険や給付金の手続き、確定申告といった社会保険業務も、定型化しやすいためアウトソーシングに向いています。
また、社会保険業務を行うには法的知識が必要になるため、社内で対応しようと思うと知識のある人材が必要です。法改正があった時には対応に追われることもあるでしょう。
このように、社会保険業務は専門知識と時間を要する領域です。適切な人材不足・時間不足が課題になりやすいため、アウトソーシングに向いています。
ただし、社会保険業務には1年の中で特定の時期にのみ発生するものも多くあります。必要なタイミングでのみアウトソーシングを活用するとよいでしょう。
人材採用
人材採用も、アウトソーシングに向いている業務の1つです。人材採用業務の中には、面接の日程調整、候補者とのやりとり、応募の受付といった事務的な作業も多く含まれます。
こうした業務をアウトソーシングすれば、社内の従業員は面接や採用計画の立案、採用する人材の検討など、より重要で慎重に取り組むべき業務に集中できるのです。
特に新卒採用の時期になると人事部は多忙になりますが、一部業務をアウトソーシングすることでこうした問題も解消できるでしょう。
人材育成
人材育成でも、アウトソーシングを活用できます。
研修の日程調整、参加者の選定、会場の確保といった事務的な作業のみをアウトソーシングすることもありますが、育成計画の立案や育成そのものをアウトソーシングすることもあります。
専門的なノウハウを持つ外部企業・スタッフに人材育成を委託すれば、自社内で人材育成を試みるよりも効率的に従業員の成長を促せるでしょう。
人事評価
人事評価も、アウトソーシングに向いている業務といえます。
対象者の上司など、社内の従業員が人事評価をすると、客観的な視点に欠けてしまう可能性が高まります。
対象者と関わりがない外部の企業やスタッフに人事評価をアウトソーシングしたほうが、客観的で公平な評価ができると考えられます。
上司との関係性の影響で過大評価されたり過小評価されたりすることがなくなるため、人事評価に対する従業員たちの納得度も高まるでしょう。
人事業務をアウトソーシングするメリット
人事業務をアウトソーシングすることでコスト削減やリソースの有効活用など、さまざまなメリットが期待できます。
ここでは、具体的なメリットを7つ紹介します。
コストが削減できる
人事業務における人手不足をアウトソーシングで解決すると、コストを削減できます。
人事部の増員をする場合、まずコストをかけて採用活動をしなければなりません。採用した後も、業務に関する知識・スキルを身につけてもらうための教育が必要です。
しかし、アウトソーシングなら採用・教育は必要ありません。
特に確定申告のような1年の中でも特定の時期にのみ必要になる業務は、わざわざ人材を採用するのではなくアウトソーシングしたほうが効率的でしょう。
会社のコア業務に集中できる
人事関連の各種手続きのような事務的で定型化できる「ノンコア業務」をアウトソーシングすると、人事部の従業員は「コア業務」に集中できます。
コア業務とは、企業の経営や従業員のモチベーション・生産性に関わるような重要度の高い業務のことです。
例えば給与計算や各種保険手続き、勤怠管理といった業務をアウトソーシングすれば、今までそこに費やしていた時間・労力を教育制度や人事評価制度の練り直し、人員配置の検討などのコア業務にあてられます。
従業員のパフォーマンス向上につながり、企業の業績にもよい影響を与えられるでしょう。
コンプライアンスに対応しやすい
人事部の業務の中には、社会保険制度や労働に関する法令に従って対応しなければならないものも多くあります。
人事業務をこなすには関連する法的知識が必要なうえ、法改正される度に知識のアップデート・業務への反映が必要です。
こうしたコンプライアンスに関連する業務を専門のアウトソーシング企業に委託すれば、従業員の負担が減るだけでなく勘違いや業務過多によるミスも防げます。
人員不足の課題を解決できる
人事業務をアウトソーシングすると、人員不足の課題も解決できます。
先述の通り、日本では少子高齢化による労働人口の減少が問題となっています。さらに残業時間の上限が設けられたことで、人員不足を時間でカバーすることが難しくなっている状況です。
しかし、人員不足で対応しきれない業務を外部に委託すると、人員不足の課題は解決できます。
従業員のリソースにも余裕が生まれ、過労やモチベーションの低下、それによる人材の流出も防げるでしょう。
人事戦略の見直しができる
ノンコア業務をアウトソーシングして人事部の従業員に余裕ができれば、人事戦略の見直しも可能になります。
人材不足で従業員たちが日々の業務に追われている状態では、人事評価や人員配置といった入念に検討すべき人事戦略に腰を据えて取り組むことが難しくなるでしょう。
しかし、外部に任せられる業務をアウトソーシングすれば、その分時間的な余裕が生まれます。より企業の利益に関わる業務に集中できるのです。
緊急事態が起きた時のリスク分散
人事業務の一部をアウトソーシングすることは、緊急事態が発生した時のリスク分散にもなります。
例えば人事業務をすべて社内で一括して担っている場合、システムトラブルなどの緊急事態が起こると業務がストップしてしまいます。
しかし、給与計算や勤怠管理といった業務をアウトソーシングしていれば、委託している業務については通常通り進めてもらえます。
多様な働き方を実現できる
人事業務をアウトソーシングすると、人事部の仕事をリモートワークで行うなど多様な働き方ができるようになります。
人事業務の中には従業員の個人情報を扱うものも多いため、そうした情報を家に持ち帰り作業することは難しいとされてきました。
しかし、出社しなければできない仕事をアウトソーシングすれば、人事部の従業員でもリモートワークが可能になります。
多様な働き方が可能になることで、従業員のモチベーションやエンゲージメントの向上も期待できるでしょう。
人事業務をアウトソーシングするデメリット
人事業務をアウトソーシングすることにはメリットもある一方、デメリットもあります。アウトソーシングするかどうかはデメリットも踏まえて検討する必要があるため、確認していきましょう。
社内にノウハウを蓄積できない
アウトソーシングをするデメリットの1つ目は、社内にノウハウを蓄積できないということです。
社内の従業員はアウトソーシングした業務に関わらなくなるため、その業務について理解している人材がいなくなってしまいます。何かの理由でアウトソーシングをやめることになった場合、対応に手間取る可能性があります。
アウトソーシングする業務のマニュアルを作成したり、委託先からノウハウを共有してもらったりするとこうしたデメリットを回避しやすくなります。
情報漏洩のリスクがある
人事業務には、給与計算や採用候補者とのやりとりなど、個人情報を扱うものも多くあります。採用方針や人事戦略に関する機密情報を扱う業務もあるでしょう。
こうした業務をアウトソーシングすると、どうしても情報漏洩のリスクが伴います。重要な個人情報が漏洩してしまうと企業の信頼にも傷がつくため、情報のセキュリティには一層気を配る必要があるのです。
定型化できるノンコア業務を何から何までアウトソーシングするのではなく、個人情報の扱いの有無・個人情報の内容なども考慮してどの業務を委託するか検討することも重要です。
情報が分散して管理しづらくなる
人事業務の一部をアウトソーシングすると、情報が分散して管理しにくくなるというデメリットも生じます。アウトソーシングを利用すると、人事業務に関する情報の一部が社内ではなく委託先で管理・蓄積されることになるからです。
どこに何の情報があるのかわからなくなり、従業員から人事情報に関する問い合わせを受けたり、緊急事態が発生したりした時にすぐに必要な情報をそろえられない可能性があります。
人事戦略を練る際にも、必要な情報の一部をアウトソーシング先に問い合わせる手間が発生することが考えられます。
かえってコストがかかる可能性がある
コスト削減に効果的なアウトソーシングですが、場合によってはかえってコストがかかることもあります。
特に専門性の高い業務やイレギュラーな対応を要する業務は費用がかかりがちです。
細かいオプションをつけることで費用がかさむこともあるため、今社内にいる従業員でどの程度の業務をさばけるのかしっかり把握し、予算も考慮しながら委託内容を決めることが重要です。
人事業務のアウトソーシング費用の相場
人事業務のアウトソーシング費用は、月単位で設定される場合と業務単位で設定される場合があります。
月単位の金額は、任せる業務内容や従業員の人数に応じて変動します。業務単位の金額は、従業員数に応じて決まったり業務にかかる時間に応じて決まったりと、業務内容によりさまざまです。
ここでは、業務単位ごとのアウトソーシング費用の相場を表にまとめました。
給与計算 | 従業員1人あたり1,000円 |
採用代行 | 20万~80万円/月 |
研修 | 半日で10万~15万円、全日で15万~30万円 |
評価制度設計 | 年間120万~360万円 |
例えば採用代行を新卒採用の時期のみ月20万円でアウトソーシングすると仮定します。人事部の従業員を新たに月30万円で雇用する場合と比べると、コストを抑えられることがわかるでしょう。
なお、アウトソーシング先の企業によっては上記の費用に加え、初期費用やアウトソーシング担当者の人件費がかかることもあります。
人事業務のアウトソーシングを成功させるためのポイント
人手不足だからと何となく人事業務をアウトソーシングすると、かえってコストがかかったり思ったほどリソースに余裕が生まれなかったりするおそれがあります。
人事業務のアウトソーシングを成功させるためのポイントを事前に確認しておくことが重要です。
ここでは、具体的なポイントを5つ解説します。
アウトソーシングする目的に適した業者を選ぶ
まずは、アウトソーシングする目的に適した業者を選ぶことが重要です。
人事業務のアウトソーシングサービスといっても、対応業務はさまざまです。給与計算や入退社手続きなどは多くのサービスで対応していますが、従業員への直接対応や福利厚生などは業者によっては対応していません。
また、自社に常駐して業務をしてもらえるサービス、オンラインで密にやり取りしながら業務を任せられるサービス、人事業務に関するコンサルティングもしているサービスなど特徴も多様です。
なぜアウトソーシングしたいのか、それによりどのような効果を期待しているのかを洗い出して、目的に適した業者を選びましょう。
アウトソースできる業務を整理する
アウトソーシングを利用したい場合は、外部に任せたい業務を事前に整理しておきましょう。
業務の流れが整理されていないと、アウトソースする際に委託したい業務内容を正確に委託先に伝えにくくなります。業務の区別・分類が曖昧なままだと、適切な業者選びにも支障が出るかもしれません。
外部に任せたい業務が明確になっていないと、業務を効率化するためにアウトソーシングを利用したのにかえって効率が悪くなったり、トラブルが生じたりする可能性もあります。事前に業務の整理はしっかりしておきましょう。
アウトソースする業務を絞る
アウトソースする業務を整理したら、その中からどの業務を実際に外部に委託するのか絞りましょう。
アウトソースできる業務をすべて外部に委託すると費用がかかりますし、引き続き社内で行う業務との兼ね合いで、アウトソースできるけれど内製したほうがよい業務もあるでしょう。
アウトソースしたい業務が多くあり予算に余裕がある場合でも、一度に外部に任せると混乱するおそれもあるので、優先順位をつけて段階的にアウトソースすることが重要です。
アウトソースの効果を分析する
実際にアウトソーシングサービスを利用し始めたら、定期的に効果を分析することもポイントです。コストは削減できたか、サービス品質は十分だったか、アウトソースする業務内容は適切だったかなどを分析しましょう。
アウトソーシングによって余裕ができたリソースを有効に活用できたかも検討し、社内の業務効率化も図っていきましょう。
アウトソーシングした業務の内製化に備える
アウトソーシングした業務でも、以下のような場合には再度内製化が必要になることがあります。
- サービス品質が低い
- コスト削減、リソース確保の効果が薄い
- イレギュラーな対応が多くアウトソーシングでは対応できない
上記のような理由からアウトソーシングした業務を内製化したくても、ノウハウが蓄積していなかったり業務に関連する情報を委託先と共有していなかったりすると、時間や手間がかかります。
いつでもスムーズに内製化できるよう、ノウハウや情報は委託先と共有できるようにしておきましょう。
人事業務のアウトソーシング先を選ぶ手順
人事業務のアウトソーシング先を選ぶ際は、以下の手順をたどることがおすすめです。
- 人事業務に関する課題を洗い出す
- アウトソーシングする業務を決める
- アウトソーシングする業務のフローを整理する
- 自社の状況に近い企業の支援実績がある業者を選ぶ
それぞれのフェースでのポイントを解説するので、確認していきましょう。
1.人事業務に関する課題を洗い出す
まずは、人事業務に関する課題を洗い出します。
例えば業務単位での課題なら、「労働関連の法令に詳しい従業員がおらず、対応に手間取っている」「人手不足で新卒採用の時期になると業務過多になる」などが挙げられます。
「離職率を下げて優秀な人材の流出を防ぎたい」「新入社員の教育を強化して若手の業績を底上げしたい」など、より経営に近い視点から課題を洗い出すこともできるでしょう。
課題の洗い出しがしっかりできていないと、アウトソーシングすべき業務が明確にならず、次からのフェースに支障をきたします。
アウトソーシングでは、人手・労働力だけでなくノウハウも補えます。「人手は足りているか」という観点から課題を洗い出すだけでなく、より幅広い観点から柔軟に課題を洗い出しましょう。
2.アウトソーシングする業務を決める
次は、洗い出した課題をもとにアウトソーシングする業務を決めます。ただし、単に課題を抱える業務をアウトソーシングすればよいというわけではありません。
単なる人手不足が問題なのであればその業務をアウトソーシングすればよいですが、従業員のエンゲージメントや育成に関わる課題などは、自社や従業員のことをよく知る人事部が行ったほうがよいこともあります。
この場合、課題とは直接的には関係のない業務をアウトソーシングして、課題のある業務に時間と労力を割ける環境を整えたほうがよいでしょう。
このように、アウトソーシング「できる・できない」だけではなく「すべき・すべきではない」という観点から外部に委託する業務を決めることも重要です。
3.アウトソーシングする業務のフローを整理する
アウトソーシングする業務を決めたら、業務フローを整理します。業務フローを明確にしたうえでアウトソーシングの依頼をすれば、委託先との事前打ち合わせがスムーズに進むからです。
委託先によってはサービス導入時に、自社側の業務フローを大幅に変えなければならないこともあります。業務フローを整理していれば、なるべくフローを変えなくても対応してもらえる委託先を探しやすくなるでしょう。
また、業務フローを整理すると、実際にアウトソーシングした時のことを想像しやすくなります。常駐型アウトソーシングのほうが安心と感じるなど、委託先選びの参考になる発見もあるでしょう。
アウトソースしたい業務でも一部は社内で行ったほうがよい場合もあるので、そうした部分を確認する意味でも業務フローの整理は重要です。
4.自社の状況に近い企業の支援実績がある業者を選ぶ
どこの業者のアウトソーシングサービスを利用するか決める際は、支援実績を参考にしましょう。
自社と似たような課題を持つ企業を支援した実績のある業者なら、課題解決に効果的なサービスを受けられる可能性が高いです。
支援実績は各業者の公式ホームページで公開されていることが多いです。実際のサービス導入までの流れや導入後の変化・メリットなどもわかるため、業者選定において大いに役立ちます。
人事業務のアウトソーシングサービスを提供する企業10選
続いて、人事業務のアウトソーシングサービスを提供する10社を紹介します。それぞれの違いにも着目して確認していきましょう
株式会社パソナ
株式会社パソナでは、給与計算・年末調整・マイナンバー管理といった給与計算業務、勤怠管理・出張費精算・福利厚生管理といった労務業務など、幅広い業務のアウトソーシングサービスを提供しています。
関係者へヒアリングをし、現状の分析を行ったうえでアウトソーシングの設計をしてもらえるため、自社の課題に適したサービスを受けられる点が魅力です。
ICカードによる勤怠管理の自動入力など、業務効率化のための提案をしてもらえる点もポイントです。
freee株式会社
freee株式会社では、以下の人事業務のアウトソーシングサービスを提供しています。
- 給与・賞与計算
- 入退社手続き
- 身上変更
- 年末調整
- 年次イベント
- 従業員対応
freeeのアウトソーシングの特徴は、委託した業務を内製化しやすい点です。人事労務ソフトを使うことで委託した業務に関する情報がクラウド上に蓄積されるため、内製化する時の引き継ぎがスムーズに進むのです。
管理画面でアウトソースした業務の進捗状況を確認できる点も、委託する側にとって安心できるポイントでしょう。
ディミー株式会社
ディミー株式会社のアウトソーシングサービスは、人事・労務・採用業務だけでなく経理・法務・総務の業務にも対応しています。
担当者にチャットやオンラインでいつでも連絡を取れるため、近い距離感で業務を任せられる点が魅力です。
また、必要であれば業務のマニュアル化・可視化もしてもらえるため、社内にノウハウが蓄積しないというアウトソーシングのデメリットも解消できます。
ソーシャリンクス株式会社
ソーシャルリンクス株式会社は、給与・賞与計算、就業管理、年末調整、税金・保険周りの業務などのアウトソーシングサービスを提供する企業です。
公式サイトでは「最大50%の管理部コストの削減が可能」とされており、人材不足に課題を抱える企業の問題解決に貢献してもらえることがわかります。
役員の中に弁護士や公認会計士がいるため、法務関連や経理・財務関連の業務にも対応してもらえる点が特徴です。
伊藤忠人事総務サービス株式会社
伊藤忠人事総務サービス株式会社は、給与・賞与計算、年末調整、住民税更新といった人事業務のアウトソーシングサービスを行っています。
Webオプションとして勤怠管理システム、給与・賞与明細書電子化、マイナンバー収集・管理システム、年末調整電子化の導入にも対応しているため、アウトソーシングしない業務の効率化も可能です。
事前にヒアリング・意見交換をしたうえでサービス内容や費用について記載した提案書を提示してもらえるため、自社の課題や予算に合ったサービスを受けられます。
株式会社レジェンダ
株式会社レジェンダは、採用支援・人事労務支援・人事システムのサービスを提供する企業です。
レジェンダのアウトソーシングの特徴は、「第二人事部」と呼ばれるものです。顧客企業に専属のプロジェクトマネージャーがつき、単に人事業務を代行するだけでなく、これまでの実績に基づく知見を生かした提案をしてもらえます。
i6コンサルティンググループ株式会社
i6コンサルティンググループ株式会社には、10年以上の人事経験を持つコンサルタントが在籍しています。
実務経験があるからこそできる現場に寄り添ったサポートが魅力で、退職金計算など業務内容を絞った小規模なアウトソーシングにも対応してもらえます。
エイチアールワン株式会社
エイチアールワン株式会社では、給与・賞与計算、税金・保険周りの業務、マイナンバー管理といった人事業務のアウトソーシングを行っています。
オプションにはなりますが、公官庁資料作成、生損保・財形貯蓄対応、持株会対応、監査対応といった専門性の高い業務も委託できます。
人事交流、社労士による勉強会なども開催されるため、社内でのノウハウが失われる心配もありません。現在自社で使っている勤怠システムや会計システムとの連携も可能なので、サービスを導入しやすい点も魅力です。
株式会社A&Mコンサルト
株式会社A&Mコンサルタントは、経営コンサルティング、企画開発改革コンサルティング、モノ造り改革コンサルティング、組織風土改革コンサルティングを事業内容とする企業です。
経営管理・人事労務管理の受託サービス、人材育成・経営戦略経営計画・情報システム管理の受託サービスも展開しています。
特に研修は新人向けから管理者向けのものまで幅広くあり、内容もコンセプチュアルスキルに関するものやヒューマンスキルに関するものまで豊富です。
株式会社リロクラブ
株式会社リロクラブは、福利厚生代行サービスを提供する企業です。
カフェテリアプラン、ポイント型インセンティブ、ポイント型サンクスカード、育児支援サービスなど顧客企業に合わせた福利厚生のアウトソーシングを行います。
経費精算のアウトソーシングをしている点も特徴です。領収書をまとめて送ると経費データを作成してもらえるという手軽さが魅力で、月8,800円から利用できます。
他にも従業員の健康支援、資産形成支援、ホワイト企業認定の取得支援、採用活動支援なども行っており、さまざまなサポートを受けられるでしょう。
人事業務代行(人事アウトソーシング)サービス事例
続いて、人事業務代行の具体的なサービス事例を紹介します。人事業務のアウトソーシングサービスの代表例には、以下のものがあります。
- Remoba労務
- 給与PRO
- フジ子さん
- テンプスタッフ
- NOC総務アウトソーシング
それぞれの概要と特徴を見ていきましょう。
Remoba労務
Remoba労務は、株式会社Enigolが提供する人事業務のアウトソーシングサービスです。
給与計算・勤怠管理・入退社手続きといった人事・労務関係の業務だけでなく、従業員への勤怠アラート、資料回収・コミュニケーションといった業務まで任せられます。
オプションとして人事システムの導入、社員向けストレスチェック、ハラスメント外部相談窓口にも対応しおり、今ある業務だけでなくこれから新たに取り入れたい業務を任せることも可能です。
給与PRO
給与PROは、株式会社シスプロが提供するアウトソーシングサービスです。
給与計算、勤怠管理、給与明細のWeb化といった業務を任せられるだけでなく、経理業務も含めたバックオフィス業務全体を依頼することも可能です。
無駄を排除することで低価格を実現している一方、社労士と連携することでサービス品質を高めたり、プライバシーマークの取得・スタッフとの機密情報契約書の締結などにより人的・物理的セキュリティを強化したりしています。
フジ子さん
フジ子さんは、BPOテクノロジー株式会社によるアウトソーシングサービスです。
人事業務として給与計算、求人広告の出稿・管理、面接スケジュール調整、入退社手続きなどを任せられる他、経理、秘書・総務、Webサイト運用などにも対応しています。
月50時間・80時間・160時間のプランがあり、業務量に応じて柔軟に変更可能です。翌月解約もできるため、月によって任せたい業務量が違う、短期間のみ利用したいという場合にも利用しやすくなっています。
1週間の無料トライアル期間もあるため、初めてアウトソーシングする場合でも安心して利用できます。
テンプスタッフ
テンプスタッフは、パーソルグループが運営するアウトソーシングサービスです。人事・労務業務では、給与計算、福利厚生、保険手続き、労務管理などの他、採用支援や業務改革なども依頼できます。
テンプスタッフの強みは、豊富な受注実績です。各分野における実績をもとに、顧客企業に最適な提案をしています。
テンプスタッフ社内・リモートで業務を行うオフサイト対応だけでなく、顧客企業に常駐するオンサイト対応もしています。オフサイト・オンサイトを組み合わせることでより効率的・柔軟なサポートが可能になる点も特徴です。
NOC総務アウトソーシング
NOC総務アウトソーシングは、NOCアウトソーシング&コンサルティング株式会社が提供するアウトソーシングサービスです。
給与計算、社会保険・労働保険業務、勤怠管理や明細書配布などのクラウドサービス提供といったサービスを受けられます。
労務管理を委託する場合はスタッフが顧客企業に常駐し、顧客企業の人事部のもと、現場マネージャーや従業員などを直接管理します。アウトソーシングでも、きちんと現場に目が行き届いた人事管理ができる点が魅力です。
人事業務代行(人事アウトソーシング)サービスを利用した企業の事例
次に、人事業務のアウトソーシングサービスを利用した事例を紹介します。
人事業務をアウトソーシングすることで具体的にどのような変化・メリットが生じるのか、実際の事例を見ることでよりイメージしやすくなるでしょう。
株式会社すかいらーくホールディングス
株式会社すかいらーくホールディングスでは、採用の一括対応・管理をする応募受付センターの運営や面接スケジュールの調整をアウトソーシングしています。
これにより、多い時で月200件もの面接をセッティングしながらも、候補者向けのイベント・説明会の開催、合格後の連絡・コミュニケーションなど候補者と向き合う時間をしっかり確保できるようになりました。
また、応募から面接までの間の離脱率を約半分に抑え、面接までの期間を2週間に短縮することにも成功。教育が必要な採用担当の人数も削減できました。
ただ業務を委託するだけでなく、委託先の持つノウハウを活かすことで景気の変動や新たな採用方針にも対応しやすくなっています。
日本ピザハット・コーポレーション株式会社
日本ピザハット・コーポレーション株式会社では、もともと各店舗で採用活動を行っていました。
店舗ごとの採用への熱量に差があったり、繁忙期には採用活動が後回しになったり、各店舗の採用状況を本部が把握しにくかったりとさまざまな問題を抱えていました。
そこで導入したのがコールセンター業務を中心とした採用業務の委託です。候補者とのやり取りを外部に委託することで、店長が担うのは面接と合格者への連絡のみとなり、大幅に負担が減ったのです。
時間に余裕ができたことで、面接時に事業や仕事の説明、店長の思いなどをしっかり伝えられるようになりました。
また、応募から面接日設定までにかかる日数は3.7日から1日に大幅に短縮され、面接参加率は40%から76%に向上。1店舗における1ヶ月あたりの採用人数が増え、採用単価も1人あたり5,000円削減されました。
応募数や採用人数だけでなく、面接設定数や面接参加数なども一元管理し把握しやすくなったことで、次に打つべき効果的な採用施策を検討できるようになりました。
プルデンシャル生命保険株式会社
プルデンシャル生命保険会社では、営業社員が増える一方で人事担当者の退職が重なったことをきっかけに、人事業務の常駐型アウトソーシングを利用し始めました。
常駐型アウトソーシングの魅力は、見える範囲で業務をしてもらえる安心感がある点や、突発的な問題への対応に際して密にコミュニケーションを取れる点です。
委託する業務は徐々に増え、今では営業社員の採用・退職時に必要となる書類や申請に関する業務を一任しています。
アウトソーシングを利用して得られたメリットとしては、コストの削減が挙げられています。退職した人事担当者の代わりとなる新たな正社員を採用しなくても、アウトソーシングにより正社員と同じ業務の質をキープできたのです。
アウトソーシング以外の業務効率化方法
人事業務を効率化する方法は、アウトソーシングだけではありません。HRコンサルやクラウドシステムの導入も、人事業務の効率化につながるでしょう。
例えば、適切な人事評価制度を構築・運用していくには従業員に関する多角的で膨大な情報の管理や、人事評価に関する知識が必要です。
専門性が高く、多くのリソースが必要になる業務ですが、従業員のモチベーションや生産性に関わる領域なので、外部に任せず社内で対応したいというケースも多いでしょう。
人事評価のクラウドシステムやHRコンサルを活用すれば、こうした業務を外部に委託することなく社内で効率化できます。情報漏洩の心配もなく、HRに関するノウハウも蓄積されます。
あしたのチームでは、人事評価を支援するクラウドサービスを提供しています。人事情報の一元管理ができるだけでなく、360度評価や経年分析、売上管理、目標履歴、評価分析などへの活用も可能です。
導入に際しては人事制度の構築、人事評価の運用支援まで行います。業務効率化に役立つサービスだけでなく人事評価に関するノウハウも得られるのです。
また、セミナーや交流会、ミーティングによるサポートもあるため、人事評価に関する経験・知識を持つ従業員がいない場合でも安心してご利用いただけます。
人事業務をうまくアウトソーシングして業務効率化を実現しよう
人事業務をうまくアウトソーシングし業務を効率化すれば、人材不足を解消できるだけでなくコア業務に注力できるようになり、企業の生産性・業績にもよい影響が生じることが期待できます。
ノウハウ不足に対しても専門知識を持つ人材を採用するよりも早く・低コストで対応できるため、人事業務のアウトソーシングも前向きに検討することがおすすめです。
対応業務や強みは業者により異なるため、自社の課題の洗い出し、業務の整理・絞り込みなどをしたうえで業者を選びましょう。
人事業務を効率化する方法には、他にもHRコンサルやクラウドサービスの導入があります。どの選択が最適かは企業により異なりますし、組み合わせることでより高い効果を得られることもあるので広くご検討ください。
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