人事評価制度と一口に言っても、会社によってさまざまな評価基準や評価項目があります。
では、どのような評価基準や評価項目を設けて評価すれば、人事評価制度は正しく機能するのでしょうか。
今回は一般的な評価基準や評価項目を紹介し、人事評価制度を正しく機能させるために必要な「絶対評価」の重要性についても解説します。
人事評価の項目を設ける3つの基準
人事評価制度における評価基準は、一般的に「成績評価」「能力評価」「情意評価」の3つに分類されます。
成績評価とは?
成績評価とは仕事によって達成した成果に対する評価です。仕事の正確さや効率性などを含む仕事の質や、スピードや案件数、プロジェクト全体の貢献度を含む仕事の量、上司から与えられた目標の達成度などが評価項目です。
能力評価とは?
能力評価とは仕事を進めていく上での知識や経験、仕事上PDCAサイクルを回すためのスキルなどに対する評価のことです。仕事上必要な知識の習得度のほか、理解力やコミュニケーション能力、企画力やリーダーシップ、交渉力や決断力などが評価項目です。
情意評価とは?
情意評価は態度評価とも呼ばれ、仕事への取り組み姿勢や勤務態度に対する評価です。職場のルールを守る規律性、新しい仕事や苦手な仕事に挑戦する姿勢や、仕事への責任感やコスト意識の有無も評価項目です。
コンピテンシーの評価項目とは
また、上記の3つの評価基準以外にも、近年は「コンピテンシー」が評価基準に数えられるケースも増えています。
コンピテンシーとは、仕事上必要とされる個人が身につける力を指し、単なる知識や技能を超えたものだとされています。
例えば以下のようなものがコンピテンシーの評価項目です。
大分類 | 小分類 |
自己の成熟性 | 冷静さ、誠実さ、几帳面さ、ストレス耐性、ビジネスマナー、思いやりなど |
変化行動・意思決定 | 行動志向、自立志向、柔軟思考、素直さ、チャレンジ性、目標達成への執着など |
対人・営業活動 | 親密性/ユーモア、第一印象、プレゼンテーション力、傾聴力、新規開拓力、人脈など |
組織・チームワーク | 上司・先輩との関係、ムードメーカー性、チーム精神の発揮、政治力など |
情報 | 情報の収集、情報の整理、情報の伝達、情報の活用と共有化、情報の発信など |
業務遂行 | 専門知識、文章力、計数処理能力、処理速度、計画性、業務企画力など |
戦略・思考 | 視点の広さと深さ、アイデア思考、論理思考、状況分析、リスク管理、経営資源の活用など |
リーダー | 部下・後輩の指導や育成、経営幹部との関係、権限の委譲、システム管理力など |
デメリットが多い相対評価には注意
人事評価制度を運用するためには「何をどう評価するのか」といった明確な基準が必要です。
そのときに、相対評価を用いて人事評価することもあるでしょう。この相対評価とは、部門もしくは会社全体で従業員を評価順に整理し、順番の上下で評価を決めることです。
絶対評価と違い、相対評価は能力や実績を正当に評価していると捉えられがちですが、相対評価は人材の立ち位置順で順位が決まっていくことが大半です。そうなれば、社内環境によっては能力や実績を正当に評価できないということもあり得ます。
また、相対評価では各ランクの人数を決めてから評価することがほとんどです。こうなると、本来Aランクになるべき人でも、このせいでBランクになるおそれがあります。
こういったことからも、相対評価は正当な評価とは言いづらいでしょう。問題の解消には、絶対評価を導入して人事評価制度の見える化を図ることが肝要となります。
クラウドシステムの導入で評価制度を改善
人事評価制度を正しく機能させるためには、数多くある評価基準と評価項目をについて部下1人1人に対して絶対評価を下していかなければなりません。
しかし、これは簡単な作業ではありません。ましてや現場の仕事とマネジメントを兼任するプレイングマネジャーの多い会社ではなおさらのことです。
だからといって、人事評価制度を正しく機能させることをあきらめることはありません。
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人材育成に繋がる人事評価の項目を設定しよう
人材育成には、機能する人事評価制度の構築と運用が欠かせません。このためには、人事評価制度の内訳を把握した上で、相対評価ではなく見える化された絶対評価を採用することが必要です。ただ、この絶対評価を社員ごとに適用していくことは、限られた社員数では難しいかもしれません。
そこで、「ゼッタイ!評価」を導入し、既存の人事評価制度を運用しながらブラッシュアップしていくと、より効果的な人事評価の項目を設定できるでしょう。
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