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人事担当者が知っておきたい時間外労働

(写真=mavo/Shutterstock.com)

過労死が社会問題となり日本の働き過ぎの問題は、政府も対策に乗り出す大きな課題になっています。「働き方改革」でも対応項目として、長時間労働の削減が挙げられています。時間外労働を減らす取り組みは、長時間労働の是正を図るために企業が対応すべき課題の一つです。

働き方改革で改善を求められる時間外労働

長時間労働は、従業員の心と体のバランスを崩し、病気や過労死に結びつく可能性があります。長時間労働による過労死は社会問題としても大きく取り上げられました。

また、時間外労働を余儀なくしている企業や職場では、プライベートと仕事のバランスを取ることが困難で、子育てや介護をしている従業員など、多様な働き方を求める従業員の勤務を困難にしています。

働き方改革は、これからの時代の課題である少子高齢化社会における人手不足の解消や、従業員の多様な働き方への対応が可能な社会を実現させていくものです。

それを拒む長時間労働や時間外労働を改善するために、企業と従業員の雇用関係を規定する労働基準法を改正して、「時間外労働の上限規制」(時間外労働の上限は原則月45時間・年360時間)を法的に規定しました。大企業への施行は2019年4月から、中小企業への適用は2020年4月からとなっています。

時間外労働の現状

長時間労働是正への対応が進む現在でも、時間外労働が行われている企業は多数存在し、過労死などの申し出も行われていいます。労働基準監督署が、長時間労働の可能性があるとした事業所は2017年度で、25,000を上回りました。 労働基準監督署が指導監督した結果は下記の通りです。

2017年(平成29年)4月から2018年(平成30年)3月までの監督指導結果のポイント

(1)監督指導の実施事業場:25,676事業場
(2)主違反内容
   ①違法な時間外労働があったもの:11,592事業場
  ②賃金不払残業があったもの:1,868事業場
  ③過重労働による健康障害防止措置が未実施のもの:2,773事業場
(3)主な健康障害防止に関する指導の状況
  ①過重労働による健康障害防止措置が不十分なため改善を指導したもの:20,986事業場
  ② 労働時間の把握が不適切なため指導したもの:4,499事業所

引用元:厚生労働省「長時間労働が疑われる事業所に対する監督指導結果を公表します」

このデータにある「違法な時間外労働があったもの:11,592事業場」とは、時間外労働や休日労働が月80時間を超えている事業場です。内訳は下記の通りです。

時間外・休日労働の実績が最も長い労働者の時間数が
月80時時間を超えるもの:8,592事業場
月100時間を超えるもの :5,960事業場
月150時間を超えるもの :1,355事業場
月200時間を超えるもの : 264事業場

厚生労働省のデータでも分かるように、時間外労働や休日労働によって、長時間労働を余儀なくされている従業員は多く、現状は働き方改革のさらなる推進が求められる結果になっています。

時間外労働対策

時間外労働対策では、企業が従業員の労働時間を正しく把握し、管理していく必要があります。しかし、現状では、従業員が労働時間を正しく自己申告できない環境を企業が作り出すことなどによって、長時間の時間外労働や給与未払いが発生しています。

これらの対策として厚生労働省では、「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン(労働時間適正把握ガイドライン)」を設けています。

その中で自己申告によって就業時間を確認および記録している場合に使用者が講ずべき対策として、使用者が自ら現認して始業・終業時間を確認することや、タイムカードやパソコンの利用時間などから客観的な記録を残すことなどが挙げられています。

また、適宜実態調査を行うことや、自己申告を超えて会社にいる従業員に対してはその理由を報告させるなどの具体的な措置も紹介されています。

時間外労働を改善して効率を上げる

時間外労働を強要されたり、そのために健康を害したりする職場は、従業員のモチベーションや作業効率が下がります。

時間外労働を減らすことで、女性や高齢者など多様な働き方をする人材を登用することが可能になり、日本の大きな課題となっている働き手不足の課題解決にもつながるでしょう。

ITシステムの導入やテレワークの採用を、従業員の時間外労働を減らす解決策として検討してみるのもいいかもしれません。

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