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同一労働同一賃金時代の、人事設計のポイントとは?

(写真= bee /PIXTA)

2018年6月、同一労働同一賃金を巡り、最高裁が一定の見解を示しました 。部分的ではあるものの、同一労働同一賃金が認められつつあるということで、もはや同一労働同一賃金は当たり前のものとなりつつあります。

2020年4月からは、同一労働同一賃金に関する法改正があること もあり、この流れは、もはや当たり前のものになっていくでしょう。今回は、同一労働同一賃金における人事制度設計のポイントについて解説します。

同一労働同一賃金が、裁判でも認められた

同一労働同一賃金を知るにあたって、まず2018年6月に判決が出た最高裁の裁判がどのようなものだったか見てみましょう。この事件は、「ハマキョウレックス事件」「長澤運輸事件」といわれています。

「ハマキョウレックス事件」では、現役世代の有期契約労働者が正社員に支払われていた6つの各種手当が、契約社員に支給されていなかったという内容です。一方、「長澤運輸事件」は、60歳以降の定年後再雇用の有期契約労働者が、基本給や賞与が下がったことを不当とした裁判になります。

ハマキョウレックス事件では、6つの手当のうち5つを支払うように命じ、長澤運輸事件では、精勤手当を支払うように命じました 。長澤運輸事件では、「定年後再雇用において基本給や賞与で差が出るのは仕方ない部分もある」という見解を出したのです。

このように、まったく同じではないものの、「基本的に労働条件が同じであれば、同一の賃金を払うべき」という見解を最高裁が出しました。
そのため、今後、同一労働同一賃金に関して、より注意深く制度設計する必要が出てきたといえるでしょう。

2020年4月、法改正で同一賃金同一労働はどうなる?

さらに、ポイントとなるのが2020年4月に法改正があることです。パートタイム・有期雇用労働法が施行され、さらに正社員と比べて弱い立場の人を保護する法案が施行されます。

これまでも、厚生労働省が同一労働同一賃金に関するガイドラインを出していました。しかし、法制化 されることにより、さらに同一労働同一賃金の概念に沿った制度設計が求められるようになるでしょう。

具体的には、下記のような内容が法案に盛り込まれています 。

  • 不合理な待遇差の禁止
  • 労働者に対する待遇に関する説明義務の強化
  • 行政による事業主への助言・指導
  • 裁判外紛争手続きの整備など

今後、原則は働き方を問わず、同一労働であれば、同一賃金を支払うべきとなるのです。そして、待遇差がある場合は、その待遇差を合理的に説明する必要があ ります。パートタイマーや有期契約労働者にとっては働きやすくなる半面、企業にとっては逆風になる可能性もある法案といえるでしょう。

同一労働同一賃金を踏まえ、人事制度をどう設計する?

では、この法案が施行されるにあたり、人事制度をどのように設計していけばよいのでしょうか。一番重要なポイントは、「特定の人物にとって有利すぎる制度になっていないか」です。

正社員に有利であればあるほど、この制度とは逆行する形になります。まずは、自社の人事制度を見直すところからはじめてみてはいかがでしょうか。

また、この法案にかかわらず正社員だけを偏重するような制度は、働き方の多様性を認めていく社会の中に逆行しているといってよいでしょう。むしろ、契約社員やパートタイムをうまく戦力にする方法を考えるべき時代に来ているのかもしれません。

この法改正は、自社の雇用形態や人事制度を見直すいい機会かもしれませんね。

法に沿って、明確な雇用制度を設計することが必要

2018年6月の最高裁での判例や、2020年4月に施行される法改正を見る限り、今後、同一労働同一賃金の考え方は、当たり前と変わっていくでしょう。それにともない、「正社員だから優遇される」という制度は、どんどん淘汰されていくことが予想されます。これを機に、新しい時代の働き方や人事制度を取り入れるチャンスが到来しているといえるでしょう。

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