理念採用で成長するウィルゲートを直撃インタビュー!

Webマーケティング領域を中心に、SEOコンサルティングコンテンツ制作M&A、DXなど様々な事業を展開している株式会社ウィルゲート様。今回は、あしたのチームが提供する人事評価クラウド「あしたのクラウド™HR」を利用されている同社にインタビューを実施。

株式会社あしたのチーム 顧問(会長兼ファウンダー) 髙橋恭介が、吉岡諒専務取締役COO、人事責任者であるコーポレートデザイングループ・北林賢太ゼネラルマネージャーにお話を聞きました。

SNSなど通じ、年間15名をリファラル採用

髙橋
ウィルゲートさんと言えば、TwitterなどのSNS、noteなどのメディアによる情報発信に熱心に取り組んでいらっしゃるという印象があります。まずはそこからお聞きしていきたいのですが、SNS・メディア活用によって、広報だけなく新卒、中途採用など人事面での効果はあるのでしょうか?

吉岡専務
具体的な効果としては、リファラル採用の増加が挙げられます。元々リファラル採用には力を入れており、この3年で見ると4人、7人、15人とほぼ倍増。特に中途採用については、50~60%がリファラル採用です。

ありがたいことに、以前から積極的に仲間集めに協力してくれる社員も少なくありませんでした。リファラル採用を強化するタイミングで、自身のつながりやSNSアカウント経由での採用を促進する制度を改めて整えました。こういった制度を適切に整備したことも、増加の要因の1つですね。

SNSについては、以前から個人として成長、将来のために活用を奨励しています。
これは当社で長く働く場合にも、またいつか独立する場合でも、SNSで個人のファンを増やせばビジネス的に大きなプラスになる、と思っているからです。

リファラル採用とは?メリットや課題、事例について解説

髙橋
当社でもTwitter活用については力を入れていて、フォロワー数を増やしている社員を称賛する、という文化を作ろうとしています。ウィルゲートさんではどのようにTwitter活用のムーブメントを起こしていったのでしょうか?

吉岡専務
最近実施したのが勉強会です。今年3月に、Slack上に「#勉強会_twitter」というチャンネルを私が立ち上げました。

参加者は、社員数の3分の1ほどにあたる50人。内定者も熱心に取り組んでいて、勉強会後にTwitterを本格的に始めて数ヶ月でフォロワー3,000人近くまで伸ばした人もいます。

北林氏
こういった勉強会、そして採用に関する制度を通じて社員に伝えたいのは、自己成長、仲間づくり、そして他事業への貢献をみんなで行い、それをお互いに尊重する、という当社のカルチャーです。

例えば積極的に採用に貢献している社員は手当が支給されるだけではなく、四半期ごとに実施している社員アワードで表彰されることもあります。社員全員の前で目指すべきロールモデルとして評価されることで、カルチャーとしての浸透を図っています。

社内で実施されたTwitter勉強会の様子。勉強会をきっかけに、社員間で積極的にTwitterに取り組む機運が高まったそうです。

エンジニア採用では人事とエンジニアが全国で会社の魅力を語る

髙橋
様々な社員がいらっしゃる中で、カルチャーの浸透はより重要性を増してくるかと思います。現在、新卒と中途の割合や、男女比はどのくらいですか?

吉岡専務
まず新卒と中途採用の割合で言うと、現在、新卒45%、中途55%です。
創業当初は中途採用がほとんどでしたが、2010年から新卒採用も行っています。
男女比で言うと、全体の3分の1が女性です。エンジニア職は男性中心なので、それ以外で言えば4割程度が女性になります。

現在、社員の平均年齢は約29歳。新卒入社メンバーの結婚や出産など、新たなライフステージを迎える社員も増え、個々が柔軟に働ける制度を拡充していきました。
例えば半休や1時間単位で有給が取得できる「ちょい休」制度などがそれに当たります。

北林氏
当社ではこういった多様性を一つの強みに変えていく、という人事方針のもと、女性や子育て中の方でも活躍できる会社づくりを模索してきました。そういった取り組みもあって、プロパーの女性管理職も増えてきています。コーポレートデザイン室でも、女性の管理職が新たな制度の旗振り役を担っていたりします。

髙橋
職種で言うと、先ほどおっしゃったようにエンジニアも積極的に採用されていらっしゃいますよね。「エンジニアの内製化」は企業にとっての至上命題と言えるかと思いますが、どのようにエンジニア採用を進めてきたのですか?

吉岡専務
当社ではエンジニアの新卒採用の比率が高いのですが、これはエンジニア部門の責任者や若手社員のコミット量が凄まじいからだと思います。例年、地方採用に力を入れていることもあり、人事と共にエンジニアも地方出張に参加しています。そのため地方でお会いした学生が入社を決めてくれる事例が数多くありますね。
こういった活動のおかげで、若くて優秀なエンジニア組織をつくることができたと言えます。

北林氏
エンジニアの採用・組織づくりについても、当社の社風やミッションを重視するという軸は変わっていません。「チーム・ウィルゲートの一員であること」に共感した上で入社してもらっています。

その一方で、エンジニアならではの制度も設けています。
「5%ルール」という勤務時間の5%をセミナー参加など自己研鑽に充てられる制度で、これは開発室の発案で誕生しました。

創業当初の苦難を教訓に「理念採用」へ

髙橋
これまでのお話から、会社の理念を重視した採用をされていると感じます。こういった組織づくりをすることになったきっかけなどはありますか?

吉岡専務
私たちが「ウィルゲート・ショック」と呼んでいる、2009年頃の経営危機が大きな契機となっています。

当社は2006年に幼馴染だった社長の小島と私が共同設立した会社です。
創業間もない時期は、お客様により良いサービスを届けたいという思いもあり、能力・スキルベースで人材採用を行っていました。調達した資金を元に1年で25人を採用し、組織は拡大。しかし、チームビルディングの不備、私たちのマネジメント能力の不足もあって、売り上げは上がらず、むしろ毎月赤字を出す結果となりました。

経営危機とともに、組織内での問題も出始めました。
一生懸命頑張る社員を見下す風潮や、チャット内で悪口を言うといった状況が続いたのです。

今回お話をお聞きした吉岡諒専務取締役COO(右下)、コーポレートデザイングループ・北林賢太ゼネラルマネージャー(左上)。聞き手はあしたのチーム 髙橋恭介(右上)。

その後、会社を立て直すために、一人ひとりと時間を掛けて面談を実施。
当時の経営状態、そしてその後も辛い状況が続くということもあって、やむを得ず会社を去る社員もいました。
しかし辞めて当然の環境の中で残ってくれたのは、ミッションに対する共感、自分自身の仕事への責任意識、そして何より「誰かのために頑張りたい」という利他的な思いを強く持つ社員ばかり。辛い経験ではありましたが、それと同時にウィルゲートの社風を一気に変えるきっかけにもなりました。

その後は同じようにミッションやバリュー、カルチャーに共感できる人を新卒・中途問わず採用しています。

副業を推進、リモートワークでも繋がりをより強固に

髙橋
最後に、今後の会社経営に求められる制度についてお聞きしていきます。
これまでの「人事における三種の神器」と言えば、終身雇用・年功序列・学卒一括採用だったのではないかと思います。私は、今後の人事制度ではフレックス、リモート、副業が要になってくると考えているのですが、ウィルゲートさんではこの3つの制度について、どのように取り組まれているのでしょうか?

吉岡専務
この3つの中では、最初に取り入れたのは副業で、2016年から開始しています。現在、社員の30~35%が副業を経験しています。
社員自身が収入を増やせるというだけでなく、副業が新たな成長の機会にもなっています。

また、副業がきっかけに当社の新たなお客様との取引につながる、といった例も出始めました。そういう意味で、副業制度は想像していた以上に良い効果をもたらしてくれましたね。

その一方で、副業をきっかけに独立したり、転職したりするケースももちろんあります。
これは当社が適切な成長機会を与えられていなかったということなので、自責の念で捉えているところです。

北林氏
採用面でも副業はプラス要素しかない制度だと思っています。ただ当初想定していなかったような副業の形が出てくるのは事実です。経営・人事は、そういった動きを敏感に察知し、柔軟に制度を改廃していける必要があると思っています。

例えば副業導入後に、「副業先での役員就任は可能にするべきか」といった観点での議論がなされ、制度がアップデートされたと記憶しています。

髙橋
人材の多様性のために、人事と役員が汗を流すのは健全な証拠ですね。リモートワーク、フレックスについてはいかがでしょう?

北林氏
フレックスはエンジニアへの導入に留まっている状況です。
リモートワークについてはコロナの影響で全社的な実施に踏み切りました。

今後の人事制度としては、リモートワーク制度をより拡充していくというのが至上命題になると思います。

そんな中でも、組織における縦・横・斜めのつながりを途切れさせることなく、Webを積極的に活用したコミュニケーションの充実を図っていきたいですね。

吉岡専務
今後ウィルゲートでは、「デジタル変革」とフリーランスの方と連携をした「働き方変革」をより積極的に進めていきます。

便利なクラウドツールを会社のメンバー全員が使いこなす、フリーランスと正社員の垣根なくミッションに取り組むといったカルチャーを、色濃くしていければと思っています。

このコロナ禍でのミッション実現には、クラウドツールなどを活用しながら社員一丸となって取り組む必要があります。あしたのクラウド™HRを今後も使い倒していきます!

髙橋
ありがとうございました!

(取材を終えて)
Webマーケティングを軸に事業展開し、最近では社員のSNS活用にも積極的に取り組むウィルゲート様。吉岡専務、北林ゼネラルマネージャーのお話を通して、柔軟な人事制度、優秀な人材採用には一本筋の通った“理念”が大切であると感じました。

さらに「あしたのクラウド™HR」が、ユニークなHR施策の一助になっていると実感できる取材となりました。

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