上司が評価対象の部下とコミュニケーションする場合の視点とは?

(写真=FLUKY FLUKY/Shutterstock.com)

企業で定期的に実施される「人事評価」は、社員にとっては学生が成績表をもらう時のように緊張するものです。

評価項目や基準は一定で、客観的に行われますが、やはり上司がどういう視点で査定するのか、気になるものです。

そこで、実務では上司がどのように部下とコミュニケーションをして評価しているのか、その場合の視点などを考えてみます。

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上司はどういう視点で部下を評価するべきか?

一般的に、企業では部門ごとに1年や半期、あるいは四半期ごとの達成目標が設定されます。

人事評価を行う上司がやるべきことは、組織や担当部署ごとの期間目標の達成度を確認することです。

設定された売上げ目標に対し、部門ごとの達成率がどうだったか、逆に目標に届かなかった原因や理由のほか、何が障害だったのかなどを多角的に検証します。

担当する業務を各部下に振分けた上司は、日常的に進捗状況を把握するためコミュニケーションし、必要なアドバイスや指示を出すことになります。

部署ごとの目標や業務を部下に指示する以上、上司は人事評価では部下のスキルや能力はもちろん、業績や貢献度などを日常業務から事前にほぼ把握しているものです。

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コミュニケーションや面談の必要性

上司が部下の成果を把握しているなら、面談は必要ないようにも思えますが、そうではありません。

上司は評価期間の成果や業績に至ったプロセスや理由、数字では表せないファクターや貢献度、部下の思いや行動まで詳細には把握できないケースもあるからです。

公平な人事評価とするためには、前提として客観的で透明性のある評価制度は不可欠です。

その上で、数値的な情報だけで結果を判断するのではなく、上司と部下が改めて内容を確認し合うことが大切です。

そこで得られたデータや数字からは見えなかった情報を共有し、相互に納得し、今後に活かすことが重要なのです。

部下からすれば、上司には見えず、話し合わないと分からないことも多々あるはずです。

面談でないと、改めて言いにくい部下側の事情もあるかもしれません。
こういう見えない溝を埋めるために話し合う場として、面談は欠かせません。

上司は会社側の目標や思いを部下に伝え、きちんと評価し、足りなかった部分も率直に話し合うことで納得度は高まります。

日頃のコミュニケーションで意志の疎通ができていれば、双方の考えに大きな差はないはずです。このような相互理解は、コミュニケーションの要と言えます。

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部下が知っておくべき、上司が評価で知りたい内容

面談を控える部下が、事前に上司が知りたい内容を準備しておくことは有益です。

可能な限り、面談がスムーズに行われるように整理しておくことも大切なことです。

日々の業務ではさまざまな問題が起きるものです。

メリット、デメリットはありますが上司が知りたいのは、その時に部下はどう考え、行動し、その結果的どうなったのか、ということです。

特に、ミスを繰り返さないために事後のフォローが最も知りたい要素となります。

ミスという事実自体には、上司はマイナス評価を付けざるを得ません。
それ以上に、ミスを契機に上司は部下がどう成長したかを知りたいのです。

同様の経験を経た上司は、得られた総合的な情報を次の目標値の設定や育成方針などを決める判断材料とします。

また、担当業務の内容や難易度、今後の期待値などを検討し、昇給や昇進のほか、将来の異動などを決める要素とするのです。

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実は上司も評価される側とは?

企業組織というヒエラルキーの下では、社長などの経営陣をトップに順次、部長、課長、係長から末端の社員に至るまでの階層があります。

上司が中間管理職なら、必ずより上の管理職から評価を受けます。立場によって評価項目は異なりますが、通常、担当する組織の成果と人材育成に集約できます。

組織の成果に関しては、上司は生産性の向上や業績のアップなど、自らのマネジメント能力が問われるので、第一線で業務を担当する部下の行動や成果、貢献度などを具体的に知っておく必要があるのです。

人材育成も欠かせない評価要素で、部下の自主的な貢献意欲を高め、成長を図る重要性は非常に大きいものです。

人事評価には、どうしても自由裁量という部分が残ります。有能な上司ほど主観を排し、公平で納得できる評価を行うものです。

さらに、適切な人事評価制度があることで、より客観的で信頼性のある評価に繋がります。中小企業でこそ導入が急がれる理由がそこにあります。

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