年功序列や終身雇用制度が崩れてきている現代においては、転職はより一般的になりました。そんな状況では、人事評価制度の整備は企業にとって急務です。企業として求める人材や能力を明確化し、それに基づいて正当な評価と報酬を当てられなければ、優秀な人材はどんどん流出するでしょう。その結果、ぶら下がり社員ばかりが残る可能性さえあります。
かといって人の手だけで人事評価制度を整備するには限界があります。ここではこの問題を解決するためのツールである人事評価システムについて解説と導入までの手順を簡単に紹介します。
関連業務の効率化を実現する人事評価システム
人事評価システムとは、各社員の目標設定や目標管理、評価に関するデータの一元化や分析など、人事評価に関するさまざまな機能を持つコンピューターシステムを指します。
人事評価を行うためには、設定、達成した目標やこれまでの評価のほか、本人の担当したプロジェクトや業務経験、保有スキルについての記録が必要不可欠です。また必要に応じてこれらの情報を入力・編集、検索、分類できることが求められていて、紙の書類やMicrosoft社のExcelなどでも対応可能です。しかし大きく2つの問題があります。
第1の問題は同期性がない点です。例えば上司Aと上司Bのそれぞれのパソコンに、部下の情報をまとめたExcelファイルがあったとすると、上司Aがファイルに編集を加えても、上司Bのファイルには反映されません。これを一致させるには逐一編集内容を共有して各自が更新し、人事評価関係のファイルを保存するパソコンを固定する必要があります。
社員の数が増えれば更新のための手間と時間は膨大ですし、パソコンを固定した場合、評価の閲覧や編集をするために席を移動しなければなりません。
第2の問題はセキュリティです。クラウドストレージサービスを利用すれば、ネットワーク上での共有は可能です。しかし人事評価関連の情報は外部に漏らしてはいけない情報ですから、セキュリティ面で不安のあるクラウド上で共有するのはリスクが高すぎるのです。
2つの問題をまとめて解決してくれる人事評価システム
人事評価システムを使えば、各社員の情報はシステムネットワーク上で常に共有・同期されるため、別々のExcelファイルを照らし合わせる必要もなければ、どのファイルが最新なのかを考える必要もありません。
またセキュリティ面でも、社内サーバーを経由して外部を完全にシャットアウトしたシステムを構築し、クラウド技術を活用したシステムでも各企業専用の回線を使って、セキュリティを高めることもできます。
他にも期日管理や評価の取りまとめ、分析がボタンひとつで完結したり、パソコンやタブレット、スマートフォンなど端末を選ばずにシステムにアクセスできたりと、人事評価システムにはさまざまな便利な機能を実装することが可能です。
人事評価システムの一般的な導入ステップ
効率化の面で大きなメリットのある人事評価システムですが、導入にあたっては手順を踏む必要があります。この手順を間違えると、せっかく導入したにもかかわらず、システムが機能しないという可能性もあるからです。人事評価システム導入のステップは下表の通りです。
ステップ | 内容 |
1.導入目的の明確化 | ・自社の経営状況や経営理念などと照らし合わせて、目的を明確にする(社員プロファイル、パフォーマンス管理、目標管理、キャリア開発など)。 |
2.予算・運用体制の明確化 | ・予算を決定し、運用のための人員配置などこの時点で検討する。 |
3.候補のピックアップ | ・目的にあったシステムをピックアップ。・既存の人事評価制度をそのままシステム化できるようなシステムベンダーもある。 |
4.各社からのヒアリング | ・見積もり ・ヒアリングを重視しているシステムベンダーも多いため、自社の要望をうまくシステムに落とし込んでくれそうかを探る。 ・社内で比較検討し決定する。 |
5.導入するシステムの決定 | ・実際に運用する管理職や、システム部門担当者の意見を積極的に取り入れる。 |
6.システムの導入 | ・導入後も各管理職が効果的に活用できるよう、サポート体制が必要。 |
今まで人事評価システムを使わずに何とかしてきた現場に、いきなりトップダウンで導入してしまうと、かなりの確率で反発が起きてしまいます。
人事評価システムそのものの選定も重要ですが、どんなに素晴らしい人事評価システムでも現場が使いやすく、また使ってくれなければ意味がありません。そのため導入前後の実際に運用する管理職やシステム部門担当者などの現場へのケアについて、あらかじめ対策を立てておきましょう。導入時に社員向けの説明会や研修を実施してくれるシステムベンダーもあるので、サポート内容のチェックも重要です。
「自社にぴったり」の人事評価システムで効率を高めよう
人事評価システムには、その企業に合うものと合わないものが存在します。合わないものを無理に導入すると、結局は人事評価システムを使わない、以前の人事評価に戻ってしまいかねません。導入目的の明確化はもちろん、現場の声も積極的に取り入れながら、自社にぴったりの人事評価システムを導入してみてはいかがでしょうか。
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