人事制度を理解するために知りたい「雇用制度」と「等級制度」とは?

(写真= Feel good studio/Shutterstock.com)

人事制度について、悩んでいる人事担当者は多いのではないでしょうか。しかし、一見複雑に見える人事制度であっても、その本質は、「どのように人を雇用するか」と「どのように人の能力を発揮するか」の2つだと言えるでしょう。「雇用」と「能力開発」という、人事制度の基本について解説します。

人事制度の基本とは?

人事制度に対して個人個人が思うことは様々でしょう。すべての人にとってベストな人事制度というものはありませんし、どんな制度を組んだとしても納得できる人ばかりとは限りません。そのため、人事制度については暗中模索となることも多くあります。

しかし、そういった時こそ、シンプルに考えたいものです。「優秀な人を採用し、その人たちを生かすためにどう組織を作るか」が、人事の根底にあるものではないでしょうか。

その観点から見ると、人事制度の基本は、「どうやって雇うか」の「雇用制度」と、「どのような役割を与えるか」の「等級制度」であるといえるでしょう。この2つをきちんと押さえることが、良い人事制度を作るための基本となるのです。

雇用形態にはどのようなものがある?

では、まず、「どのように雇用するか」について、基本的なものを見ていきましょう。

雇用については、「直接雇用か間接雇用か」「正規採用か非正規採用か」という2軸で語られることが多く、直接雇用の正規採用が、いわゆる正社員になります。

直接雇用の非正規採用は、契約社員やパート、アルバイトのことを指します。間接雇用の正規採用は基本的には存在しません。間接雇用の非正規採用が、派遣社員や業務出向を指します。

正規採用非正規採用
直接雇用正社員パート・アルバイト
間接雇用基本的に存在しない派遣社員、業務出向

基本的に最もコストがかかるのは正社員で、パートタイムや派遣社員は、正社員に比べてコストを抑えることが可能です。

しかし、非正規雇用を行う場合、社会保険などの労働者を保護するための法令を遵守する必要があるため、非 正規雇用だからといって一概にコストがかからないわけではありません。このあたりのバランスを考えながら、雇用形態を考える必要があります。

等級制度にはどのようなものがある?

雇用形態が、「人をどう獲得するか」に焦点を当てたものだとしたら、等級制度は、「採用した人をどのように配置するか」という考え方になります。
等級制度は主に、下記の3つに分けられます。

  • 職能資格制度
  • 職務等級制度
  • 役割等級制度

能力をベースとした「職能資格制度」、仕事をベースにした「職務等級制度」、役割をベースにした「役割等級制度」とそれぞれ異なります。

職能資格制度

職能資格制度は、従来の日本企業に多く見られる制度です。役割や仕事に特化せず配置を行うため、ゼネラリストの育成や、配置転換の容易さなどがメリットです。一方、年功序列になりやすいなどのデメリットもあります。

前述の通り、ゼネラリストの育成に向いている制度ですので、社員に幅広い経験を積ませて総合的なビジネス力を強化したい企業や、組織の結束力を強めてチームで仕事を進めたい企業にはおすすめです。また、社員を一定の頻度で昇進・昇給させる必要もありますので、安定した組織構造や人事制度が構築されている企業がマッチするでしょう。

職務等級制度

職務等級制度というのは、「この役割にはこの人材」という、主に欧米の企業で用いられているジョブディスクリプション (職務記述書)により職務内容を明確にした制度です。

役割に応じて等級が変わっていくため、スペシャリストの育成に適し、求められる人材像が分かりやすいなどのメリットがありますが、一方で組織や職務が固定化しやすいというデメリットもあります。

ジョブディスクリプションによって役割や成果を定義し、社員を平等に取り扱う職務等級制度は、グローバル企業など多様な人材が在籍する企業に向いています。また、職務内容や範囲を明確に切り分けるため、専門性の高い人材が多い企業やチームでの取り組みをあまり必要としない業種の企業は、メリットをうまく活かすことができるでしょう。

役割等級制度

役割等級制度は、さらに一歩進んで、「ミッション」をベースに等級を決める考え方です。各等級におけるミッションが目指す方向性を明確にし、組織の変化に柔軟に対応できるメリットがある一方、ミッションを達成しているかどうかを納得できる形で評価するのは難しく、信頼を得るまでに時間がかかるという点がデメリットです。

役割等級制度では、役割における責任の度合いや成果の達成度によって評価と給与が決定するため、成果主義を前提とした風土のある企業でないと馴染みません。主に、外資系企業や海外にグループを持つグローバル企業でよく取り入れられます。

職務等級制度に注目が集まっている背景

職務等級制度は「ジョブ型雇用」とも呼ばれ、近年は複数の大手企業が導入し話題となりました。その話題性からも注目度の高さが伺えます。職務等級制度が話題を集める背景には、以下の要素があります。

同一労働同一賃金の導入

職務等級制度では、仕事に応じた等級が割り振られます。つまり、同一の労働を行っていれば賃金も同様となり、組織内で「同一労働同一賃金」の実現を手助けします。

これまで、日本企業の主流であった職能等級制度では、仕事内容は必ずしも賃金に直結するものではありませんでした。新卒一括採用のように、能力と将来性で配属を決定するため、例え同一の仕事を任されていたとしても、評価される能力や雇用体系の違いで賃金に格差が生じていたのです。

職務等級制度には、こうした制度上のギャップを解消する期待が込められています。

テレワークの普及

新型コロナウイルス感染症によって、多くの企業が導入することとなったテレワークも、職務等級制度に人々の目を向ける要因となりました。

離れて仕事をするテレワークでは、仕事内容や役割の明確化がより求められます。オフィス勤務で顔を合わせていたころは、もし仕事の抜け漏れがあれば、直接指摘をすることができました。また業務の様子も把握できるため、進捗状況を常に確認できたのです。しかしテレワークでは、チームメンバーの状況を把握することは、オフィスのようにはいかず困難です。

テレワークは、仕事内容を明確にするという点で職務等級制度が適しているのです。

日本型雇用の限界

かつての日本企業の主流であった年功序列・終身雇用は、昨今では勢いをなくしつつあります。労働力の減少、生産性向上と効率化。さまざまな課題に企業が直面するなかで、解決手法の一つとして注目されているのが職務等級制度です。

生産性向上を図るといっても、過去に成果主義の導入で失敗体験を抱えた企業は少なくありません。成果の評価に重きを置くスタイルは、能力重視の職能等級制度には適さず、多くの企業が自社の評価制度について模索することになりました。

職務等級制度では、業務の成績が評価と連動する仕組みであり、「在籍年数」といった要素の影響を受けず、成果主義的な評価制度を運用することができます。成果へのコミットメントを促すため、生産性向上が期待できるのです。

ITの発展に伴う業務の複雑化

通信情報技術の発展により、仕事の在り方は変化を続けています。近年では、SaaSなど業務を効率化・自動化するツールが普及しており、単純な事務作業に人の手が必要となるシーンは減少しています。そのなかで、人材に求められるのは、いかにツールを駆使し成果を出すかという、一歩上の視点です。

企業は自社の人材に対して、より複雑な業務に対応できる能力を求めています。そうしたなかでは、スペシャリストの育成が欠かせません。業務に特化して仕事を割り振る職務等級制度はスペシャリストの育成に適しており、複雑化する業務に対応できる人材を育てることができます。

職務等級制度のメリット

注目を集める職務等級制度では、導入により以下のメリットを得ることができます。

スペシャリストを育てやすい

前述のように、職務等級制度は仕事を先に決定し、そこに人材を割り当てる制度であるため、スペシャリストの育成に適しています。職能等級制度では、どちらかというと「能力的に」優秀な人材を採用し、ジョブローテーションによって組織を横断的に活動できる人脈と知識を培うことを目指しました。その結果、育成した人材は「経営幹部候補」というゼネラリストになったのです。

もちろん、現代でも複数部署をまとめ上げるマネジメント力や経営センス等を持ったゼネラリスト人材は必要です。しかし、エンジニアなど特定の業務に精通したスペシャリストを雇用するには、職務等級制度が適しています。

給与水準が明確になる

職務等級制度では、仕事内容と給与テーブルを連動させることができます。担当した業務の成果に対して賃金が支払われる制度であるため、透明性の高い評価が可能です。「仕事内容は同じなのに給与が違う」「同じ仕事をしているのに権限が異なる」といった従業員の不満を解消させ、仕事へのモチベーション向上を促すことができるでしょう。

人件費を抑えられる

職能等級制度および年功序列を導入している企業にとって、悩ましいのは勤続年数の上昇による人件費の高騰です。年功序列では、定期的な昇格により、在籍年数の高い社員ほど給与が上昇していきます。「55歳での早期退職と再雇用制度」を導入し、ミドルシニアの人件費を抑える動きもありますが、従業員からみれば「仕事内容は同じなのに、大幅に給料が減った」という不満の種にもなりかねません。

職務等級制度は、業務内容の変更がなければ等級は基本的には上がらず、勤続年数の影響をうけません。人材の定着を促しつつ、人件費を抑制したい企業にとって、解決策の一つとなるでしょう。

職務等級制度のデメリット

企業にとって、さまざまなメリットをもたらす職務等級制度ですが、実際の導入と運用にはこれまでとは異なる労力がかかります。デメリットと考えられる点を、以下に解説します。

仕事の柔軟性が損なわれる

チーム内での役割分担への柔軟性が損なわれる恐れがあります。

職能等級制度で明確な業務内容(ジョブディスクリプション)を規定していない状態では、一人の従業員が複数の領域を受け持つことは少なくありませんでした。たとえば、「仕事の質問には分かる人が即答する」「業務マニュアルを気づいた人が更新する」というように、明確にされていない「見えない仕事」を、チームで協力して担当する形も珍しくありません。

しかし職務等級制度では、採用時に自分の業務内容が明確になるため、仕事が固体化される傾向が強くなります。そうすると、上述のような「見えない仕事」を「自分の仕事ではない」と判断する人が組織に増える可能性が高く、仕事への柔軟性が失われてしまいます。

職務記述書作成の必要がある

運用にあたって、人事の負担が大きいのも職務等級制度の特徴です。職務等級制度を導入する場合には、まず「職務記述書(ジョブディスクリプション)」の作成が必要になります。ジョブディスクリプションは、「職種ごと」に作成する必要があります。さらに、「シニアエンジニア」「ジュニアエンジニア」というように階級がことなれば、別々にジョブディスクリプションを規定しなければいけません。

こうした仕事内容の明確化は、中途採用においては一般的なものでした。職務等級制度では、報酬や仕事内容等に変更があれば都度修正しなければなりません。また、単純に仕事内容をまとめるだけではなく、経営戦略との関連性・ポジションへの期待・責任なども記載する必要があり、個別の職種に対応するには大きな労力が発生します。

環境変化に弱い

職務等級制度は仕事が固定化される傾向が強いため、スペシャリストの人材育成に適する一方で、従業員はプレイヤーとして幅の広がりに悩む可能性があります。一つの領域だけを担当した結果、市場に求められるキャリアを積むことができず、成長鈍化を感じてしまうのです。

また新たなスキルを習得しなければ、外部環境の変化により、これまで身に着けてきたスキルの価値が軽減する恐れもあります。職務等級制度でキャリアを伸ばすには、従業員自身が知的好奇心を維持し、貪欲に学び続けることが重要です。

職務等級制度導入の流れ

職務等級制度では、職務記述書(ジョブディスクリプション)の作成が必要です。しかし、職務記述書を各部門がバラバラに作成しても、統一感のないものが仕上がってしまいます。また、自社の欲しい人材像を反映したものが出来上がるとは限りません。

職務記述書を作成する前に、「職務分析」と「職務評価」というステップを踏む必要があります。以下に、職務等級制度導入の流れを解説します。

職務分析を行う

職務分析とは、その職務に求められる責任や権限、職務内容、必要なスキルや経験を分析するための作業です。主に、「観察手法」「面接手法」「記述手法」「体験手法」という4つの手法を用いて行われます。

職務分析で重要なことは、職務の全体像を抑えながら、個別タスクと作業を整理することにあります。企業が定めるミッションと連動する主体業務を明確にすることも重要です。

職務評価を行う

職務評価とは、職務分析で得た情報を項目別に数値化し、職務をランク分けする作業です。また、職務のランクに応じた賃金テーブルを作成します。

職務等級制度では、「年齢」「勤続年数」「学歴」といった属人的要素は評価には含まれません。「序列法」「分類法」「点数法」「要素比較法」といった手法を用いて、ふさわしい等級に職務を振り分けます。

職務記述書を作成する

職務分析と職務評価のあと、得た情報をもとに職務記述書を作成します。職務記述書で記載する情報例は以下のものがあります。

  • 役割、責任、期待される成果
  • 具体的な仕事内容
  • 求められるスキルや経験、実績
  • 求められる行動や特製

職務等級制度の導入事例

では、実際に職務等級制度を導入している企業の事例をご紹介します。

カゴメ株式会社

カゴメ株式会社では、2013年度より職務等級制度の導入を開始しました。「グローバルHRポリシー」を設定し、以下の3点を基本の考えとして掲げています。

・『年功型』から『職務型』等級制度への移行(Pay for Job)
・より業績/評価と連動した報酬制度への改革(Pay for Performance)
・メリハリを付けた明確な処遇の実現(Pay for Differentiation)

人事戦略を経営戦略と連動させるために導入されたのが、「グローバル・ジョブ・グレード」です。カゴメは従来の年功序列型から職務型等級制度へ移行し、業績と評価と連動した評価体制への改革を図りました。その結果、仕事の成果と価値が明確になり、個人と組織の成果の最大化へとつながりました。

参考:雇用の維持と多様な働き方の尊重|カゴメ株式会社

パナソニック株式会社

パナソニック株式会社では、2015年より人事改革を進め、「仕事・役割の大きさ」を基準とした等級制度を導入しています。仕事・役割等級制度と名付けられた人事体制では、多様な人材を「仕事と役割」に焦点を当て評価することで、処遇の透明性と納得性を高めることを狙いとしています。その結果、チャレンジ目標が明確になり、組織と個人の成長を促します。

参考:人材育成と多様な人材の活用|パナソニック株式会社

日立製作所

日立製作所は、2020年4月からジョブ型の雇用・採用を強化しました。同社ではこれまでも技術者採用に職務によってマッチングを測るジョブ型採用を取り入れていましたが、2020年度からはさらに対象を拡大させ、新卒採用においても一律の初任給ではなく、技能・経験・職務内容を考慮した処遇設定を実現させました。

その結果、事務系職種においても職種別採用コースを設定しており、これまでの職能等級制度を用いた採用とは一線を画すジョブ型の採用を実施しています。

参考:日立製作所におけるジョブ型人財マネジメントと具体的施策|内閣官房

役割等級制度のメリット

役割等級制度を導入するメリットを解説します。

社員の主体性が上がる

社員一人ひとりに明確なミッションが与えられており、「何を達成すればいいのか」が明確であるため、社員が自主的に行動を起こしやすくなります。自ら目標に向けた計画を立てて動く習慣がつくと、成功体験を得やすく、モチベーション向上も期待できるでしょう。

合理的に評価ができる

社員を評価する管理者側にとっても「社員の何を評価すればいいのか」が明確であるため、合理的な評価がしやすいというのもメリットです。社員側からしても、判断基準が明示されていると評価に対する納得感が強まり、行動を改善しやすくなります。

多様な人材が育成できる

役職ごとに「どんな能力を伸ばせばいいのか」が確立されているため、合理的に育成を進められ、多様な人材の育成が可能です。専門職だけでなく、マネジメントスキルやヒューマンスキルを特化して伸ばすことで「管理職」や「ゼネラリスト」を育成することもできます。

役割等級制度のデメリット

メリットの一方で、社員を役割で区切る役割等級制度には一定のデメリットも存在します。

ノウハウがないと運用が難しい

役割ごとのミッションは経営理念や事業計画をもとに設定されますが、適度な難易度の設定が難しいのです。同じ職種でも経営目標や社風によってミッションは異なるため、試行錯誤を繰り返しながら自社に適した運用を模索するがあります。

一部社員から不満が出やすい

成果主義を前提とするため、役回りによっては評価されづらく、不満を抱く社員が出てくるケースもあります。チームの橋渡し役やサポートが得意な社員の存在は欠かせないものですが、役割等級制度のもとでは評価が難しく、管理者によるフォローが必要でしょう。

降格などで社員のモチベーションが下がる

管理職の「職位」と昇給をかねた「等級」が連動しているため、ポストが埋まっていると昇進できず、モチベーションの低下につながりかねません。さらに、従来の日本企業と違い降格が容易であるため、社員が不安やプレッシャーを感じる可能性もあります。

役割等級制度の導入方法

役割等級制度を導入する際は、次の4つの手順で進めます。

等級数を決める

最初に、設定する等級の数を決めます。管理職で2~3、一般職で3~6の階層を設定するのが一般的です。単に数を決めるのではなく、各等級にどのような役割を与えるか、最高層に到達するためにどのようなステップがあるのか考慮しながら等級数を決定しましょう。

等級ごとの代表職務を選ぶ

続いて、各等級のミッションを設定します。例えば、「チームの統括や後輩の指導を担える等級」「経営方針を理解して部署の目標達成を指導する等級」などです。
決まったら、各等級に割り当てる代表的な職務を検討します。この段階で実際に職務を担当させる社員を想定しておくと、後のプロセスがスムーズです。

代表職務を分析する

現在職務を担当している社員の仕事を分析し、検討した代表職務がどのような役割を担っているのか割り出します。一般的には、アンケートや聞き取り調査などの分析方法が選択されます。

役割定義書を作成する

等級ごとの役割をおおまかに記載した「役割定義書」を作成します。役割が明確になると社員のモチベーションが向上するだけでなく、分業による生産性の向上も期待できます。
設定された役割の責任や難易度によって給与が決定しますので、正確な定義づけを目指しましょう。

役割等級制度の導入事例

役割等級制度は、実際にどのような企業で、どういった運用をされているのでしょうか。企業事例を2つ紹介します。

サントリーホールディングス株式会社

サントリーでは、役職層によって2つの等級制度を使い分けるという珍しい運用をしています。幅広く経験を積むべき段階にあるメンバークラスでは職能資格制度を、身に付けた経験やスキルを活かすマネジメントクラスでは役割等級制度を採用しています。

ソニーグローバルソリューションズ株式会社

世界中のソニーグループのシステムプラットフォームを支える同社は、事業のグローバル化により世界的に同じ制度を運用している背景から、役割等級制度を導入しました。具体的には、専門職と管理職で等級群を分け、役割変動に応じてシームレスに等級を移動できるようにしています。

役割等級制度の運用における注意点

役割等級制度を取り入れる際は、次のようなポイントに注意しましょう。

役職と等級のミスマッチが生じたときは制度の見直しを検討する

等級制度は、一度設定したら終わりではありません。役職と等級が見合っているか、難易度は適切か、実際の職務内容とかい離がないかなど、見直しが必要です。社員の不満の原因になりかねませんので、定期的に振り返りの機会を設けましょう。

社員のモチベーションを丁寧にケアする

役割等級制度では、従来の日本企業と違って降級が存在し、社員のモチベーション低下を招くリスクがあります。社員に特段の問題が無い場合の降級は給与が下がらない仕組みにするなど、モチベーション維持の施策を作るといいでしょう。

人事制度で悩んだら、「雇用形態」と「等級制度」という原点に帰ろう

人事制度は複雑さを増してきていますが、どんな状況においても「雇用形態をどうするか」「等級制度をどうするか」をベースに考えます。

もし、人事制度で悩んでしまった場合には、「自分はいったいどの部分で悩んでいるのか」を明確にしてみましょう。原点に立ち戻ることで見えていなかったことがクリアになり、新たな光が見えてくるかもしれません。

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