デジタル化社会が実現すると、デジタル技術の活用によって人間の生活や文化、産業が進化し、利便性や生活の満足度が高まると期待されています。このデジタル化社会へは、社会の一員である企業も適応していかなければなりません。
しかし、自社のデジタル化が遅れており、何らかの対策をしなければならないと思っている経営者や企業担当者の方もいるのではないでしょうか。このようなときは、自社施策の検討も大切ですが、国のデジタル化社会実現への計画、施策を理解し、大局を見極めることも必要です。
そこで本記事では、国が構想しているデジタル化社会を取り上げ、どのような理念・原則、戦略や施策があるのか解説します。また、デジタル化社会のなかで企業はどのような施策をしていくべきかについても解説します。
デジタル化社会とは?
デジタル化社会とは、デジタル技術の活用によって、国民が幸せになる社会です。物理的制限のかかる物やサービスなどをデジタル化することによって、人間の生活や文化、産業などが進化し、利便性や生活の満足度が向上する社会をいいます。
ただし、デジタル化社会についての捉え方はさまざまで、厳密な定義はありません。ここからはデジタル庁が構想するデジタル化社会に沿って、目的や計画を解説します。
デジタル化社会を実現する目的
デジタル庁は、デジタル化社会で目指す社会を、以下のように述べています。
デジタルの活用により、誰一人取り残されることなく、多様な幸せが実現できる社会です。
引用元:デジタル庁|デジタルの活用により目指す社会
この目的実現のために、デジタル庁は以下の6つの項目に取り組みます。
- デジタル化による成長戦略
- 医療・教育・防災・こども等の準公共分野のデジタル化
- デジタル化による地域の活性化
- 誰一⼈取り残されないデジタル社会
- デジタル⼈材の育成・確保
- DFFT(Data Free Flow with Trust:信頼性のある自由なデータ流通)推進を始めとする国際戦略
具体的な内容については、後ほど詳しく解説します。
デジタル庁が推進する重点計画とは
デジタル庁は、デジタル社会実現のための羅針盤として、「重点計画」を作成しています。重点計画は、政府が迅速に取り組んでいく施策を文書化したものです。これによって、関係省庁が構造改革や施策に取り組みやすくする目的があります。
重点計画にある施策のフォローアップで重視されるのは、デジタル化社会の利用者である国民や民間企業の視点です。利用率や満足度などの指標によって成果測定しながら、PDCAサイクルを回していきます。
重点計画を策定した背景にあるのは、日本のデジタル化の遅れに対する危機感です。日本においては、重要性や多様性、容量が爆発的に増加したデータを活用する環境が十分ではありません。規制・制度、行政や人材のあり方まで含めて本格的な構造改革をしなければ、日本のデジタル化を進めることができないという考えのもとに、重点計画が作成されています。
日本が目指すデジタル化社会への理念や原則
デジタル化によって社会が便利になっても、国民の格差が助長されたり、個人情報の安全が脅かされるようになったりしては意味がありません。そのため、デジタル化社会の取り組みには理念と原則が設けられています。
デジタル化社会を実現するための理念
デジタル化社会を実現するための理念として、デジタル庁が掲げているのは「誰一人取り残されない、人に優しいデジタル化」です。経済的な格差によって、デジタル化の恩恵に差が出るのは望ましくありません。
また、ITリテラシーの乏しいシニア層や子どもなどが、データやサービスを利用しにくいのは不公平といえるでしょう。こうした状況が起きないように、上記の理念を設けているのです。
デジタル化社会実現のための基本原則
先述したデジタル化社会を実現するための理念を進めるための原則となるのが、以下の「デジタル社会形成のための基本10原則」です。
原則 | 主な内容 |
1.オープン・透明 | ・標準化や情報公開 ・データ共通基盤の民間利用を推進 ・AIなど活用と透明性確保の両立 |
2.公平・倫理 | ・データのバイアスなどによる不公正な取り扱いを起こさない ・個人が情報を主体的にコントロールする |
3.安全・安心 | ・個人情報保護、不正利用防止 |
4.継続・安定・強靭 | ・持続的なデジタル化社会にする ・機器故障、事故などのリスクに備える |
5.社会課題の解決 | ・制度、ルールの再構築 ・災害や感染症に強い社会の構築 |
6.迅速・柔軟 | ・社会状況、ニーズに柔軟に迅速に対応できる制度、システム |
7.包摂・多様性 | ・高齢、障害、病気、育児、介護と社会参加の両立 ・価値観の多様化 |
8.浸透 | ・「わかりやすい」「楽しい」デジタル化社会を目指す |
9.新たな価値の創造 | ・経済や文化の成長につながるイノベーション促進 |
10.飛躍・国際貢献 | ・国民が利便性を実感する社会の実現 ・多様性ある社会の実現 |
同じく、理念実現のため行政分野の原則として、「国の行政手続オンライン化の3原則」が設けられています。
原則 | 主な内容 |
1.デジタルファースト | 個々の手続きやサービスがデジタルで完結する(紙媒体やオフライン手続きなどが不要) |
2.ワンスオンリー | 一度提出した情報は、再び提出しなくてよいようにする |
3.コネクテッド・ワンストップ | 民間サービスを含めて、複数の手続き、サービスを1つの場所で利用できるようにする |
クラウド・バイ・デフォルトの原則
各府省庁で情報システムを構築、整備する際は「クラウド・バイ・デフォルトの原則」の徹底が求められます。クラウド・バイ・デフォルトとは、クラウドサービスの利用を前提、標準とすることです。
クラウド・バイ・デフォルトの原則が設けられた理由は、クラウドサービスを活用すれば、利用料を支払うことで恒常的に最新のサービスを利用でき、データ容量や運用・管理方法などを柔軟に変えられるからです。従来主流だったオンプレミス型(情報システムを施設内に設置すること)はカスタマイズ性に優れますが、導入コストが高くシステム更新の柔軟性が欠けています。
また、クラウド・バイ・デフォルトの原則は、Society 5.0の実現にも欠かせません。Society 5.0とは、サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)が高度に融合された社会です。いつでも最新の情報資源にアクセスするには、クラウドを介して情報をやり取りする必要があります。また、高度なAIやシステムをオンプレミス型システムに実装するのは難しく、クラウドサービスを利用したほうがよいからです。
日本がデジタル化社会に向けて取り組む戦略
ここではデジタル庁の情報を参考に、デジタル化社会実現への戦略を解説します。
1. デジタル臨時行政調査会
デジタル臨時行政調査会とは、デジタル技術の普及を妨げているアナログ規制を撤廃、改善するために設けられた調査会です。例えば、河川やダムの点検では目視による点検が義務付けられていて、ドローンやAIといったデジタル技術の活用の妨げとなっていましたが、デジタル臨時行政調査会によって見直しとなりました。
デジタル臨時行政調査会は2023年10月で廃止されました。今後はデジタル庁が業務を引き継ぎます。
2. デジタル田園都市国家構想実現会議
デジタル田園都市国家構想実現会議とは、地域の個性を活かしながら、デジタル技術活用によって地方創生を加速、進化させる取り組みです。デジタル田園都市国家構想実現会議の大きな目的の一つは、地方において深刻になっている少子高齢化による人口減への対応です。
過疎化が進む地域では、交通、医療、教育など、さまざまな面で問題が顕在化しています。このような地域の問題を、テレワークや遠隔教育、遠隔医療などのデジタル技術によって解決を目指します。
3. 国際戦略の推進
国際戦略の推進とは、G7広島サミット、G7デジタル・技術大臣会合などで合意された国際的な枠組みを設置することです。デジタル化を進めるにあたっては、グローバル基準に対応し、諸外国と協力、連携することが欠かせません。
例えば、DFFT(信頼性のある自由なデータ流通)を確保しながら、ビジネスや社会課題の解決に有益なデータを、国境を意識することなく活用できる枠組みの整備が進んでいます。また、諸外国と協力、連携することで、Alphabet(Google)やAmazon、Meta、Appleなどのビッグ・テックとの交渉が有利になる狙いもあります。
4. サイバーセキュリティ等の安全・安心の確保
サイバーセキュリティ等の安全・安心の確保とは、デジタル化による利便性向上と、個人情報や企業の情報資産などの安全確保を両立するための取り組みです。
具体的には、脅威が増大しているサイバー攻撃を防ぐためのサイバーセキュリティ確保が挙げられます。また、個人情報の適正な取り扱いや、情報通信ネットワークの災害対策なども含まれます。
5. 急速なAIの進歩・普及を踏まえた対応
急速なAIの進歩・普及を踏まえた対応は、AI活用の際のデータ整備やガイドラインの作成を行う取り組みです。具体的な活動の一例を挙げると次のとおりです。
- 有識者会議や関係省庁が連携した「AI戦略チーム」の構築
- AI活用を念頭にした、行政機関が保有するデータの整備
- AIの社会実装を妨げる制度の見直し
この取り組みが必要になった背景には、AIの急速な進化があります。AIの実用化が広がり、人出不足の解消や業務効率化などにつなげられるようになりました。その一方、誤った情報が短時間で拡散されたり、犯罪に悪用されたりするリスクも高まっています。
6. 包括的データ戦略の推進と今後の取組
包括的データ戦略の推進と今後の取組とは、データを最大限活用することで、行政事務・手続きの簡素化やEBPM(エビデンス・ベースト・ポリシー・メイキング:合理的根拠に基づいた政策立案)の推進、産業界での競争力強化を目指す取り組みです。
この取り組みは、先に解説したデジタル庁の重点計画に統合されます。また、「今後の取組」については、急速なAIの進歩・普及を踏まえた対応における議論を踏まえて、改めて方向性が決められる予定です。
7. Web3.0の推進
Web3.0の推進では、Web3.0の健全な発展に向けた環境整備の検討を行っています。Web3.0とは、「分散型インターネット」などと呼ばれる次世代型のインターネットのあり方です。
現在のWeb2.0では、特定の巨大企業が個人情報や利益を独占している中央集権的な状況になっています。Web3.0ではブロックチェーン技術の活用し、インターネット上の取引に関する情報をすべてのユーザーで分散保持することで、非中央集権型のインターネットが実現できると期待されています。
しかし、Web3.0への移行に抵抗する巨大企業もあるため、デジタル庁は健全な発展に向けた環境整備を検討しています。
デジタル化社会に向けた重点的な取り組み
デジタル庁は国民の生活や企業の事業活動をより便利で安全・安心にするために、重点的に取り組むべき具体的な内容も明記しています。すべては紹介できませんので、3つの施策を紹介します。
第一は、マイナンバーカードとデジタル行政サービスで便利な暮らしを提供する取り組みです。例えば、健康保険証や運転免許証との一体化や、年金情報との連携、確定申告における利便性向上など、行政サービスの拡充が検討されています。
この分野は国民への影響が大きいこともあり、多くの問題が指摘されているのが特徴です。例えば、マイナンバーカード保険証はすでに運用されていますが、別人の情報が紐づけられたり、利用方法がわからないユーザーが急増したりするなどで、国民から不満が出ています。
第二は、準公共分野のデジタルサービスを拡充です。準公共分野とは健康・医療・介護分野や、教育・こども分野、防災分野、モビリティ分野、インフラ分野などです。例えば、オンライン診療の促進を図ったり、データ駆動型の教育を推進したりするなどの取り組みが行われています。
第三は、事業者向け行政サービスの利便性を図る取り組みです。官民連携の「ミラサポコネクト」というデータ基盤およびコミュニティの運用はその一例です。ミラサポコネクトは行政申請の電子化が遅れていたり、DX推進に課題を抱えていたりする中小企業を、支援者や支援制度につなげるサポートをしています。
デジタル庁が進める6つの具体的な施策
ここでは、6つの分野における基本的な施策を紹介します。しかし、各分野の施策は数が多く内容も多岐にわたるため、網羅的に紹介すると抽象的になり、かえって理解しにくくなってしまうでしょう。
そこでここでは、なるべく具体的な施策をピックアップして紹介します。全体的な内容を確認したい場合は、以下の文書を閲覧してください。
1.国民に対する行政サービスのデジタル化
国民に対する行政サービスのデジタル化の代表的な施策は、マイナンバーカードの普及と利用の促進です。併せて、マイナンバー制度の活用範囲を広げ、健康保険証や運転免許証などをマイナンバーカードと一体化させる取り組みも進んでいます。
オンライン市役所サービスの推進も施策の一つです。オンライン市役所サービスは、すでに運用されている「マイナポータル」の延長上で推進されています。例えば公金受取口座の登録・利用する仕組みを設けて、給付事務の効率化を図っています。
また、e-TaxやeLTax、ねんきんネット、特許などにおいて、手続きのデジタル化、オンライン化を進めています。
2.安全・安心で便利な暮らしのデジタル化
安全・安心で便利な暮らしのデジタル化の取り組みでは、健康・医療・介護や教育など準公共分野において、安全・安心と利便性を両立したデジタル化社会に向けた施策が進められています。
例えば、2024年度中には、救急現場で患者の意識がない場合でも、レセプト(診療報酬明細書)情報にアクセスして診療履歴や薬の服用履歴などを把握できるようになる予定です。
また、新型コロナウイルスへのこれまでの対応を踏まえて、オンライン診療のガイドラインを作成し、オンライン診療や服薬指導などを普及、促進しています。
3.アクセシビリティの確保
アクセシビリティとは、利用者がデジタル機器やサービスを円滑にできることです。アクセシビリティ確保のための代表的な施策としては、視覚・聴覚障害者向け会議支援システムや、視聴覚障害者向けテレビジョンの放送の充実などがあらわれます。また、郵便局のスペースと人材を活用して、地域の高齢者がデジタルサービスを利用するサポートを行っています。
デジタル化社会の理念である「誰一人取り残されない、人に優しいデジタル化」が、このような施策に反映されているといえるでしょう。
4.産業のデジタル化
産業のデジタル化の分野では、電子署名や電子委任状、商業登記電子証明書の普及が進められています。
商業登記電子証明書を用いた電子署名については、2025年度までに新規システムの運用開始を目指しており、企業も対応が必要です。
5.デジタル社会を支えるシステム・技術
デジタル社会を支える国の基幹システムのなかには、老朽化が進んでいるものが少なくありません。デジタル庁は登記情報システムや国税情報システム、社会保険オンラインシステム、ハローワークシステム、特許事務システムなどにおいて、レガシーシステム(老朽化システム)の刷新、クラウド化、UI・UX の改善などを進めています。
また、サイバー攻撃やシステムトラブルなどの予防や早期発見、早期復旧のために、デジタル庁システムを横断的に確認する統合運用監視の枠組みを整えています。
6.デジタル社会のライフスタイル・人材
デジタル社会のライフスタイルとしては、働く場所や時間の自由度が広がるテレワークを推進しています。すでに総務省と厚生労働省がテレワーク導入、運用の相談対応をしているほか、専門家による無料相談制度も利用可能です。
また、デジタル人材の育成・確保に向けた取り組みも行われています。長期的な施策としては、小学校でのプログラミング教育の必修化や、中学校で実施されていたプログラミング教育の拡充など、新学習指導要領に基づく取り組みが代表例です。
また、2022年度にはIT、DX人材確保・育成の指針となる「デジタルスキル標準」を作成しました。
デジタル化社会の実現を見据えて企業が行うべきこと
ここまで、デジタル庁が構想するデジタル化社会の実現について解説してきました。社会全体がデジタル化されるならば、そこに含まれる企業も必然的にデジタル化しなければなりません。デジタル化の推進によって、業務効率化や行政サービスへの円滑なアクセス、顧客との接点確保など多くのメリットを得られます。
とはいえ、どこから取り組めばよいか具体的なイメージがつかめない場合もあるでしょう。そこで代表的なデジタル化施策として、以下の4つを解説します。
- 人事評価のクラウド化
- 書類のペーパーレス化
- 電子請求書・電子契約ツールの導入
- 情報セキュリティの強化
人事評価のクラウド化
人事評価のクラウド化とは、人事評価に関係するデータをクラウド上で管理、運用することです。一般的には、人事評価システムと呼ばれるクラウドサービスを導入して実現します。
人事評価をクラウド化すると、自社業務に対して多くの効果が見込めます。まず紙やWord・Excelファイルなどと違い、常に最新のデータを一元的に管理できることから、データ共有がスムーズになるのがメリットです。用紙の送付や回収などの人事担当者の業務が効率化され、目標の進捗管理やフィードバックなどもスムーズに行えます。
また、クラウド化によって、人事担当者や人事評価に関わる上司などがテレワークでも業務できるようになるのもメリットです。人事評価のような機密文書は社外に持ち出すのにリスクが伴います。しかし、セキュリティ機能やアクセス管理機能を搭載したクラウドサービスならば、業務効率性を確保しながら安全性も確保できます。
そのため、テレワーク推進を進めている企業にとっても、人事評価のクラウド化は効果的です。デジタル化に最適化した働き方を実現すれば、多様な人材を雇用しやすくなり、人手不足の問題解決にもつながります。
あしたのチームでは「あしたのクラウドHR」という人事評価システムを提供しています。現在の人事評価システムをそのままクラウドに移行できるカスタマイズ性の高さや使いやすいインターフェイスが特徴です。また、人事評価のプロによる万全のサポート体制も強みです。
書類のペーパーレス化
書類のペーパーレス化とは、紙媒体で運用していた文書、資料、マニュアルなどをデジタル媒体に移行する施策です。ペーパーレス化のハードルは高くなく、オフィスツールとして一般的な「Microsoft 365」や「Google Workspace」などのクラウド共有システムを用いれば、紙媒体の印刷物を大幅に減らせるでしょう。また、既存の紙文書は、スキャナーで読み込んでデジタル化できます。
ペーパーレス化のメリットは、紙代や印刷代、郵送代などをコストカットできることです。また、紙文書の管理スペースの削減にもつなげられます。
そしてデジタル化社会に対応していくためにも、ペーパーレス化は欠かせません。政府は改正電子帳簿保存法、e-文書法など、ペーパーレス化を前提とした法律を整備しています。ペーパーレス化が遅れると、行政サービスの利用に支障が出る恐れがあります。
電子請求書・電子契約ツールの導入
電子請求書ツールとは、会計システムや販売管理システムと連携し、請求書の作成から発行、保管などの一連の業務を行えるシステムです。また、電子契約ツールとは、紙の契約書に印鑑を押す方法に代わり、PDF形式のデジタル文書に電子署名やタイムスタンプを付与して契約を成立させられるツールです。どちらのツールも、一般的にクラウド型サービスを導入して運用します。
電子請求書・電子契約ツールの導入メリットは、紙文書による業務を効率化でき、紙代や印刷代、郵送代のコストカットも可能な点です。また、偽造や改ざんが難しい電子署名やタイムスタンプを用いることで、コンプライアンスの強化も図れます。さらに、物理的な場所によらず即座に請求書発行や契約締結ができるため、ビジネスエリアの拡大やビジネススピードの向上にもつなげられるでしょう。
情報セキュリティの強化
情報セキュリティの強化は、どのデジタル化施策を実施する際にも必須の施策です。情報セキュリティができていなければ、サイバー攻撃によって、顧客情報の漏えいやサービスの停止などにつながりかねません。
また、社員の情報セキュリティ意識が低い場合は、USBメモリの紛失や盗難につながったり、ウイルス対策ソフトのアップデートを怠っていたりするなどして、リスクが増大する場合があります。
情報セキュリティの強化は、基本対策だけでも以下のように数多くあります。
- ウイルス対策ソフトの導入
- OSやソフトウェアを最新に保つ
- IDとパスワードの適切な管理(複雑で長いパスワードにする、初期IDやパスワードをそのまま使わない、など)
- ワンタイムパスワードやアプリなどによる2段階認証を導入する
人事担当者の施策としては、情報セキュリティについての社員研修の計画、実施が挙げられます。また、情報セキュリティに携わるIT人材の雇用、育成も必要です。
社内システムもデジタル化社会への対応をしよう
政府およびデジタル庁はデジタル化社会の実現のために戦略を立案し、施策を実施しています。デジタル化社会の推進に伴い、そこに属する企業にとってもデジタル化の重要性が増しています。人事評価のクラウド化や書類のペーパーレス化など、自社の課題に合った施策を検討していくとよいでしょう。
現在は、国や地方自治体から、デジタル化のためのITツール導入に対して補助金が出ています。例えばIT導入補助金制度は、業務効率化や労働時間短縮、管理強化、販路拡大など、幅広い目的のためのITツール導入に対して補助金を受けられるのが特徴です。
本記事で紹介したあしたのチームの人事評価システムもIT導入補助金制度の対象ですので、コストを抑えながらデジタル化を推進できます。デジタル化社会への対応は重要度を増すばかりですので、早めに自社システムの刷新を検討してはいかがでしょうか。
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