バブル崩壊を契機に多くの日本企業が成果主義を導入しました。コストカットの成果を出した企業もありましたが、現在では多くの企業が人事評価制度の見直しを行っている状況です。成果主義の問題点には何があったのでしょうか。
成果主義の現状
三菱UFJ銀行が2019年4月1日から年齢に応じて給与がアップする年功序列制の人事評価制度を見直し、給与に反映する成果主義の割合を高める経営判断を下しました。
銀行は従来の年功序列制度を採用している企業が多いといわれています。大手メガバンクが成果主義を取り入れることは、年功序列の人事制度が大手企業でも維持することが困難な環境になっていることを推測させます。
終身雇用と年功序列制度は、高度経済成長期において人材を企業にとどめておくために作られた日本特有の制度です。年功序列に変わり成果主義が取り入れられたように、本来、人事制度自体固定されるものではありません。成果主義の人事制度も時代に合わせて変化してきています。
成果主義の問題点
成果主義の問題点の一つは、人事評価の期間が終了して結果が出た後に、従業員の評価を下すだけの制度になってしまっている点が挙げられます。査定期間の初めに、従業員に目標だけを与えて、期間中はコミュニケーションも面談も行わず、期間終了時の結果のみを見て、単純に従業員の評価を付けて給与を分配していく制度は、個人や組織の成長につながらないため、企業の発展にも寄与しません。
もう一つの問題点は、チームワークの低下が挙げられます。高度経済成長期において、組織力は日本企業の強みとして世界に注目されていました。しかし、これは日本企業に定着していた終身雇用の人事制度のたまものでした。成果主義の組織では、同僚は仲間ではなく数字を争うライバルの様相が強くなってきます。その結果、組織におけるチームワークが損なわれ、企業業績にも影響を及ぼします。
解決策として考えられた方法
成果主義の問題点の解決策として、魅力的かつ正当な人事評価制度を導入する必要があります。
従来の成果主義は短期的な業績にのみ焦点が当たっていました。正当な人事評価システムでは、目標に対する成果だけでなく、成果を出すためのプロセスも同時に評価することが大切です。目標に対する成果については、企業の経営目標を従業員の目標に落とし込み、進捗管理をしながら、目標達成を評価査定していきます。そうすることで、従業員個々の目標達成が企業の経営目標を達成させて、業績拡大にもつながります。
プロセス評価については、企業理念を目標の基本に据え、成果に結びつく従業員の行動目標に落とし込んでいきます。行動目標は従業員とマネージャーがコミュニケーションを取りながら評価していきます。
企業の経営目標を成果目標のベースとし、プロセス評価の基本を企業理念とすることで、従業員に会社が何を経営目標にしているのかということと、企業理念を明確に伝えることができます。目標と企業理念が会社と従業員の間で共有されることで、組織のチームワークを強靭にしていくことができます。
成果とプロセスをプラスした人事評価制度は成果主義本来の形であり、現在の企業を取り巻く経済環境に柔軟に対応できるものです。明確で分かりやすい人事評価制度を持つことで、企業は採用で求めている人材を明確に認識することができるようになります。また納得感のある人事評価制度を持つ企業は人材の流失を防止することができます。
成果主義の問題点を踏まえて検討する
成果主義の問題点には、目標に対する成果だけを評価する制度になっている点と、チームワークを失い組織力が低下する危険がある点です。この2点を改善し、現在の日本の経済環境下にマッチするような、柔軟な人事制度の導入が不可欠です。人事評価制度は、経済環境に合わせて常に改善され変化していくものです。成果主義の問題点を踏まえて、成果とプロセス両方を評価できる制度の導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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