目標を数値化することは、PDCAを回せられるなど企業にとって多くのメリットがあり、実践している企業が多いです。企業目標やビジョンを達成するためには、目標の数値化は欠かせません。
そこで今回は、目標を数値化して設定する方法、その効果やメリットについて解説していきます。
目次
目標の数値化とは
目標の数値化とは、目標達成において数字の目標を掲げることです。
例えば、売り上げを〇〇千円にする・過去対比〇〇%を達成するなどといった目標が数値目標です。
「顧客から満足してもらう」という目標の場合、「満足してもらう」の基準は人により異なるため、達成したか否かを判断できません。
しかし、目標を数値化すると以下3つの恩恵を受けられます。
- 目標の進捗状況を把握できる
- チーム間での目標に対する認識のズレを軽減できる
- 目標達成の程度を判断できるなど
そのため、「顧客満足度を前年比120%にする」という数字の入った目標にした場合、全社員が同じ認識を持って働けるようになります。
目標を数値化するメリット
企業活動において、目標を数値化することは必要不可欠と言えます。それでは、なぜ目標の数値化が必要であるのかをメリットとともに見ていきましょう。
1.目標・計画の明確化
目標を数値化することで、目標やその計画が明確になります。先述した通り、「顧客から満足してもらう」というような数値が含まれない目標を掲げても、何をしたらいいか具体的には分かりません。
一人ひとりのメンバーの認識も異なるため、共通の指標となる数字が必要不可欠です。目標を数値化することで、計画も立てやすく、今月・今週・そして今日何すべきかが明確になります。
目標を数値化する際に大切なことは、それぞれが100〜120%程度の努力をすることで達成できるラインにすることです。
あまりにも現実離れした目標の場合、計画目標も現実的ではなくなってしまいます。そうすると、計画がただ立てただけのものとなってしまうため、意味を成しません。
数値目標は立てるだけではなく、しっかり計画をねった上で設定することが大切です。
2.進捗や達成度の測定が容易
数値目標の場合、目標に対する進捗や達成度が簡単に測定できます。
今、目標に対して何%達成できているのかを知ることができれば、課題も明確になるでしょう。そして万が一達成できなかった場合でもどこまでできたのか、できなかった部分はなんなのかをしっかりと数字で把握することができます。
チームを率いるリーダーやマネージャーの場合、メンバー全員の進捗はしっかりと理解しておかなければければいけません。
定性目標であれば、一人一人の状態を知るのに時間がかかってしまいますが、定量目標であれば現状の数字を知るだけで大まかな進捗状況は把握できます。チームで仕事する上においても、目標の数値化は欠かせないのです。
メンバーとミーティングする際にも、進捗や達成度を数値で報告させるようにしましょう。そうすることで、メンバーの業務の進捗を客観的に把握することができます。
3.客観的で公平な評価が可能
数値という基準は、個人の主観ではなく客観的な判断を容易にします。
例えば、数値の目標があれば、成績の良かった人と良くなかった人はすぐに誰でも判別できるでしょう。
しかし、数字目標のない役職の社員の場合、仕事の成果を客観的に判断することは難しいです。数値の目標を掲げておくことで、社員一人一人を客観的で公平な評価することが可能となるのです。客観的な指標となる数字があることで、評価に対する従業員の納得感も高まるでしょう。
4.目標や計画の修正が容易
数値の目標を掲げている場合、現状の進捗や課題なども明確です。そのため、途中で修正することも簡単にできるのです。
例えば、目標が高すぎた・低すぎた場合は、途中で上方修正や下方修正をすることで軌道修正しながら進めます。
定性目標の場合、目標が妥当かどうか判断する材料がないことはもちろん、どのように修正すべきかどうかを決めるのも難しいでしょう。
計画というものは絶対ではなく、途中でより良いものに変更することが大切です。そういった意味でも軌道修正のしやすい数値化された目標を掲げることは重要な意味をもたらすでしょう。
目標を数値化させる方法、ポイント

ここまで、目標の数値化のメリットについて見ていきました。目標を数値化することは、企業活動において重要な役割を果たします。
しかし、業務内容によっては、目標を数値化させにくいケースもあります。そこで、目標を数値化させるのが難しい場合に、定量的な目標をたてるためのポイントについて解説していきます。
1.達成度ランクにより数値化する
まず、達成ランクによって数値化できないかを考えてみましょう。チームで仕事を進めていく場合、一人一人の考える「できる」のレベルは異なります。そのため、共通認識をさせるためにはランクによって数値化させるのが有効です。
例えば、コミュニケーションスキルの達成度ランクの場合、以下のように設定しましょう。
ランク1. 正しい挨拶ができる
ランク2. スムースに会話ができる
ランク3. クレーム対応ができる
このように達成度ランクを分けることで、メンバー自身が「何ができて何ができないのか」を理解できるでしょう。
また、数値を設定する場合には、社員それぞれのランクで数値を分けるようにしましょう。
例えば、毎月200万売っている社員と、50万しか売れていない社員であれば、同じ目標を立てても後者の方が達成は難しいでしょう。
絶対値で考えることももちろん大切ですが、個人個人の状況や、マーケットの状況などをかんがみた数値を決めることが大切です。
2.行動やアウトプットを目標にする
全ての仕事の成果を数値で表すのは難しいものです。
例えば、人事部の社員が「新人向けの研修」を実施するようなケースです。研修を受けた新入社員にとって、どれぐらい為になって、役に立ったのかという成果を自分自身で判断するのは困難だからです。
このような場合は、成果に目を向けるのでなく、行動やアウトプットを数値化しましょう。例えば、社内研修の企画や実施回数・面談回数などを目標にするのです。とくに、経験の浅い社員に対して経験を積ませるために有効な目標設定の手段となります。
ただし、行動やアウトプットだけに意識が向いてしまうと、「とにかく研修に関わっていれば良い」というように、手を抜こうと考えだす人がでてきます。仕事の成果を数値化した目標とバランスよく配分するなどして、うまくモチベーションをコントロールするようにしましょう。
3.進捗や理解度を目標にする
また、メンバーや対象者の理解度や満足度を目標にすることも可能です。例えば、先ほども例にあげた人事部の社員が「新人向けの研修」を実施するようなケースです。
研修を受けた新入社員に対して、研修の受講後にアンケートを実施するのです。例えば、次のようなアンケート内容です。
Q、本日の「新入社員向けビジネスマナー研修の満足度を教えて下さい」
1.とても満足 2.満足できた 3.ふつう 4.不満 5.とても不満
このように、研修の受講者の満足度をランク分けして評価してもらうのです。そうすることで、人事部の社員が実施した研修の成果を、数値化して表すことができます。研修内容のパートごとに満足度のアンケートを回答してもらえば、この後の改善にも役立てることができるでしょう。
【部署別】目標を数値化する具体例
ここでは、以下6つの部署別に目標を数値化する際の具体例を解説します。
- 営業
- 接客業
- 経理
- 人事
- 労務
- 人材育成
それぞれ、自分の部署にあった具体例を確認していきましょう。
営業
営業では、顧客対応の効率向上を目指します。
具体的な数値目標では、問い合わせ対応の平均応答時間の短縮です。現状の◯時間を基準に、◯時間以内に改善することで、より迅速で質の高い顧客サービスを実現します。
接客業
接客業における目標は、顧客満足度を向上させることです。
具体的な指標として、顧客満足度調査の平均スコアを現在の◯点から◯点以上に引き上げることを目指し、サービス品質の改善を実現します。
経理
経理部門の目標は、財務報告の正確性を一層高めることです。
具体的な目標として、財務報告における誤差率を現状の◯%から◯%以下に削減し、精度の向上を図ります。
これにより、信頼性の高い財務情報を提供できるようになります。
人事
人事部門の目標は、ダイバーシティの推進を強化することです。
具体的な数値目標として、管理職に占める女性の割合を現状の◯%から◯%以上に引き上げ、多様性のある職場環境を実現します。
労務
労務管理の重要な目標は、労働時間の適正な管理を徹底することです。
具体的には、月平均の残業時間を現状の◯時間から◯時間以内に削減することを目指し、働きやすい環境の整備を推進します。
人材育成
人材育成の目標は、従業員のキャリア開発を積極的に支援することです。
具体的には、中堅管理職を対象としたリーダーシップ研修を年間で◯回実施し、参加率を◯%以上に高めることで、次世代リーダーの育成を加速させます。
目標を数値化して目標を達成させましょう
目標を数値化すると、以下4つのメリットがあります。
- 目標・計画の明確化
- 進捗や達成度の測定が容易
- 客観的で公平な評価が可能
- 目標や計画の修正が容易
また、目標を数値化する際は、行動やアウトプット、進捗や理解度などを目標にしましょう。
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