新たに会社を設立するときや、起業をおこなう際に考えなければいけないのが資金調達です。
資金調達とは、必要な資金(お金)を投資家や第三者機関から調達することです。そして、投資家が企業に投資するさいに目安としているのが投資ラウンドです。
そこで今回は、投資ラウンドの意味や資金調達方法について解説していきます。資金が必要なフェーズでスムーズに資金調達ができるよう、それぞれの意味や重要性を理解しておきましょう。
投資ラウンド(資金調達ラウンド)とは
投資ラウンドとは、投資家が企業に対して投資をおこなう段階をラウンド分けした指標です。
起業前や起業直後の段階、または事業が起動に乗り始めた段階、というようなステータスでラウンド分けします。投資を受ける企業側からみた場合は、資金調達になるので「資金調達ラウンド」とも呼ばれています。
資金調達は、借り入れ先によって名称が異なります。まず、銀行などの金融機関から資金を調達する場合には、間接金融と言われます。続いて、投資家などから株式や債券の発行という形で資金調達する場合には、直接金融と言います。
その他、資金調達という分類では国や自治体からの助成金も含まれます。助成金の場合は返済の必要はありません。
ただし、各助成金が定めている一定条件を満たしていることが必要です。助成金は国のものはもちろん、自治体ごとに異なるためホームページなどをチェックしてみましょう。代表的な助成金窓口は、各都道府県労働局や中小企業基盤整備機構などが挙げられます。
投資ラウンド5つのフェーズ
投資ラウンドは、次の5つのフェーズに分かれています。
- シード
- アーリー
- シリーズA(エクスパンション)
- シリーズB(グロース)
- シリーズC(レイター)
フェーズ分けすることで、投資家が企業の成長度合いについて把握できます。
投資家からの資金調達を考えている場合、それぞれの意味や内容を理解しておく必要があります。それぞれのフェーズを解説していきます。
1.シード
シードとは、大枠のビジネスが決まった状態のことを指します。ただし、具体的なサービスや販売方法などは決まっていません。
投資家にとっては、投資すべきかどうかの判断が難しいフェーズと言えるでしょう。そのため、投資家に提示する計画書や資本政策は具体的かつ分かりやすく記載してアピールする必要があります。
具体的にはどのような仕組みで利益を生み出していくのか、その投資家が投資したことで得られるメリットは何なのかをしっかりと伝えることが大切です。資金調達を検討する場合には、資料作成にしっかりと時間をかけましょう。
2.アーリー
アーリーとは、その名の通り起業してまもない状態を指します。アーリーフェーズの際には、人材確保や市場獲得などのために資金調達が必要となります。
サービスの内容も大方決まってきている段階です。アーリーフェーズはシードフェーズと比較すると、投資リスクが高いと判断されてしまう可能性もあるため、しっかりと投資家にメリットを伝えることが大切です。
創業時には、金融機関はもちろん、国や自治体からの助成金や補助金もたくさんあるため、資金調達を行う際にはそれらの方法も確認しておきましょう。
特に助成金や補助金の場合は返済義務がないものもあるため、リスクが低い状態で資金調達ができます。各条件をチェックし、あらかじめ条件を満たせることを前提に事業を進めていくべきと言えるでしょう。
3.シリーズA(エクスパンション)
シリーズA(エクスパンション)とは、サービスローンチが完了した時期のことを指します。今後新たな顧客を獲得していくために、販促活動などにかかる必要を資金調達するケースが多いです。
事業もようやく軌道に乗ってくるタイミングであり、シリーズA(エクスパンション)でようやく投資家からの資金調達が少ししやすくなってきます。
投資家から株式の発行という形で資金調達を受ける場合、意識しなければいけないのが株式保有比率です。比率によって、今後の意思決定にも影響が出てきてしまうため、あらかじめ比率を決めておくことをおすすめします。
当然ながら、投資家の持つ株式保有比率が高ければ高いほど、意思決定の際に投資家の合意が必要になるのです。
4.シリーズB(グロース)
グロースとは、企業が一定の収益を上げて軌道に乗っているフェーズを指します。さらに売り上げを伸ばすための販促や人材確保のために資金調達するケースが多いです。すでに軌道に乗っている企業ということもあり、投資家も積極的に投資に乗り出そうと考えています。
また、企業としても資金繰りが難しくなってくるフェーズです。より大きな資金が必要となるため、1社だけではなくベンチャーキャピタルに相談することをおすすめします。
5.シリーズC(レイター)
シリーズC(レイター)は、企業がしっかりと安定的に収益を出し始めるフェーズです。中には株式上場しているケースもあるでしょう。そのため、資金調達は銀行などからでも容易にできるようになります。
また他にも資金調達の方法としては、IPOやM&Aなどが考えられ始めます。その場合、株式の種類や審査に注意しながら行いましょう。
起業家の資金調達の方法
これまで、投資ラウンドのフェーズについて解説していきました。企業規模や成長フェーズによって、資金調達先が変わることが分かりました。
最後に、起業家が資金調達する方法を見ていきましょう。フェーズごとにどこに相談すべきなのか、しっかりと理解していきましょう。
1.ベンチャーキャピタル
ベンチャーキャピタルとは、ベンチャー企業やスタートアップなどこれから成長していく企業を対象に出資する投資会社のことを指します。
彼らは早熟のタイミングで投資を行い、企業が成熟した時期に株式や事業を売却することで、キャピタルゲインを得ます。
キャピタルゲインとは、投資額と株式公開後の売却額との差額のことです。つまり、これから上場していく見込みのあるベンチャー・スタートアップ企業が投資の対象となります。
2.エンジェル投資家
エンジェル投資家とは、創業してまもない企業に投資する個人のことを指します。彼らは、投資すると株式や転換社債を受け取ることが一般的です。
エンジェル投資家の場合、資金はもちろんのこと経営に関するアドバイスやサポートまでしてくれる場合が多く、ビジネスのサポーター的な立ち位置と言えるでしょう。
しかし、エンジェル投資家は個人のためしっかりと信頼できるかどうか判断することが求められます。
3.クラウドファンディング
クラウドファンディングとは、インターネット上で不特定多数の人に「応援」という形で資金調達するものです。
不特定多数の人か支援してもらえるため、一人一人の額は小さくともまとまった資金を得られます。また、株式などを渡す必要もなく、リスクが低いこともメリットです。
しかし、認知度が低いものやサービスであれば、資金調達が難しくなかなか資金を集められないケースも少なくありません。
しっかりとしたブランディングはもちろん、「応援したい!」と思わせるような夢のあるサービスをアピールすることが大切です。
4.シードアクセラレーター
シードアクセラレーターは、ベンチャーキャピタルの中の一つです。シードアクセラレーターは、企業のシードフェーズで投資するため、その名称で呼ばれています。
シードアクセラレーターの特徴は、ビジネスモデよりも創業者の人柄やサービスを重視して投資することが特徴です。シードアクセラレーターは、金融機関や事業会社、独立法人・個人などが挙げられます。
5.銀行融資
銀行から融資を受けることも資金調達の一つです。もっとも一般的な方法と言えますが、実績や売上の少ないベンチャーやスタートアップ企業では審査が通らない場合もあるため、注意が必要です。
逆に、シリーズA以降となると融資が通りやすくなるでしょう。銀行融資の場合は、株式を渡す必要がないため経営に関与されることはありません。
6.補助金・助成金
国や自治体は、創業間もない企業向けに補助金や助成金を用意しています。補助金や助成金は、返済義務のないものもあるため、低いリスクで資金調達が可能です。ただし、補助金や助成金の場合は、一定の条件を満たしている必要があります。あらかじめ創業時に、条件を確認しておきましょう。
7.日本政策金融公庫
日本政策金融公庫とは、株式会社日本政策金融公庫法に基づき設立された財務省所管の特殊会社です。
日本政策金融公庫は、スピード感を持って資金調達することを可能とします。通常、2ヶ月以上かかる資金調達ですが、日本政策金融公庫は1ヶ月ほどで完了します。また、年利が低いことも特徴です。年利1%~2.5%と、中小企業であっても比較的簡単に借り入れできるでしょう。
8.ファクタリング会社
ファクタリング会社とは、売掛債権買取業務を行ってくれる企業です。ファクタリングは、売掛債権を第三者に譲渡することで資金を調達します。ファクタリング会社は非常にたくさんあり、中には悪徳業者もあるため、しっかりと見極める必要があります。
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