採用候補者に不合格通知を送らない「サイレントお祈り」は、多くの採用担当者が行っている現状にあります。
しかし、企業イメージの低下や内定辞退の増加など、企業にとってさまざまなデメリットがあり、おすすめはできません。
そこで今回は、サイレントお祈りを実施する理由やデメリット、注意点を解説していきます。
サイレンとお祈り行うかどうか悩んでいる人事担当者は是非目を通してくださいね。
サイレントお祈りとは?
そもそもサイレントお祈りとは、書類選考や面接などで不合格となった候補者に不合格連絡をしないまま放置している状態のことを指します。
一般的には、不合格者は書類選考受領や面接実施の1週間後などに「不合格」を知らせる連絡を送るようになっています。
しかし最近では不合格者には連絡しないまま放置するサイレンとお祈りを行う企業も増えているのです。
サイレントお祈りは、人事担当者の業務コストを下げるというメリットがあります。
しかし、それ以上にデメリットも多いのが現状です。
企業のブランドイメージを下げたくない場合にはきちんとおいのりメールを送るのが無難と言えるでしょう。
では、逆にお祈りメールとは何なのかを見ていきましょう。
お祈りメールとは?
お祈りメールとは、不合格者に不合格だった旨をメールで知らせることを指します。
メールの末尾に「〇〇さんの今後の活躍のお祈りしています。」などと書かれていることが多いためお祈りメールと言われているのです。
選考が合格だった場合、電話で連絡する企業もありますが、不合格の場合にはメールで済ませることの方が多いです。
では具体的にお祈りメールがどんなものなのか見ていきましょう。
この度は、弊社の採用選考をお受け頂き、誠にありがとうございました。厳然に精査した結果、弊社では〇〇さんが活躍できる場所をご用意することができないという結論に至りました。せっかくご応募いただいたにも関わらず、申し訳ございません。末筆ではありますが今後の〇〇さんの、より一層のご活躍をお祈り申し上げます。
上記はお祈りメールの一例です。
候補者が気分を害さないように、企業ごとにアレンジを加えている場合もあります。
書類選考や面接など、採用フェーズによって文面は書き換えるようにしましょう。
サイレントお祈りの実施状況
サイレントお祈りの実施状況をHR総研による調査結果から紐解いていきましょう。
「合格者のみに伝えるかどうか」という問いに対して、合格者のみに伝えると答えたのは全体の22%です。
しかし、従業員規模1001名以上の大企業に限ると、38%に上昇します。
つまり、大企業では4割が不合格通知を行っていないことがわかります。
この状況から、応募数が増える大企業ではサイレントお祈りをしている確率が上がるということがわかります。
多くの理由は作業コストカットと考えられます。
では、他には具体的にどのような理由でサイレントお祈りをしているのか見ていきましょう。
企業が「サイレントお祈り」を実施する理由
多くの企業がサイレントお祈りを行っていることがわかったところで、なぜサイレントお祈りを実施しているのかを確認していきましょう。
時間や手間の節約
一番大きな理由として考えられるのは、時間や手間の節約です。
特に書類選考の場合、何万もの書類が一気に送られてきます。
選考するだけでも一苦労であるのにそこから一通一通返信しているのはキリがないという理由からサイレントお祈りにつながっているケースも少なくありません。
特に最近では人材不足が深刻化しており、より少人数で採用活動を行うためにも不合格通知を行わないというケースも考えられます。
質問対応を避けるため
不合格者からの質問対応を避けるためにもサイレントお祈りは使われます。
選考内容については、基本的に開示していない企業がほとんどです。
しかし、候補者によっては「なぜ選考から落ちてしまったのか」「理由を教えて欲しい」などと連絡が来る可能性もゼロではありません。
そういった対応を行うのを避けるため、あえてサイレントお祈りを行う企業もあります。
採用に関する連絡ミスの防止
合格者と不合格者の連絡ミス防止のため、サイレンとお祈りを使うケースがあります。
合格者にも不合格者にも連絡をしていると、合格者に不合格のメールを、またその逆を送ってしまう可能性も高まります。
特に、不合格者に合格連絡を送付してトラブルに発展したケースも少なくありません。
いくらチェック行っていても、ミスはどのタイミングで起こるかはわかりません。
そういった意味でも、あえてサイレントお祈りを導入する企業もあるのです。
内定辞退に備えるため
内定辞退者が増加し、補欠合格を出すためにサイレンとお祈りを使うケースもあります。
つまり、合格とも不合格と知らせずに放置しておくという状況を作るのです。
そうすることで万が一内定辞退者が出てしまった場合でも、不合格としていた候補者を繰り上げ合格させることができます。
しかし、候補者にとってはあまり良いイメージはないと言えるでしょう。
サイレントお祈りの企業デメリット
サイレントお祈りはあらゆる業務のコストカットを可能とします。
しかし、サイレントお祈りは場合によっては、コストカット以上に大きな損失につながる可能性があります。
では、サイレントお祈りの企業デメリットについて見ていきましょう。
企業イメージの低下
サイレントお祈りは、企業イメージの低下につながります。
候補者は企業の採用に向け、さまざまな準備を行ってきます。
その結果の連絡がないまま終わってしまうのは、候補者にとって気持ちの良いものではありません。
「不合格ならせめて連絡はして欲しい」と思うのが本音でしょう。
企業によっては、たとえ不合格となったとしても将来の顧客につながる可能性もあります。
しかし、そのような不誠実と思われる対応をとってしまうと、顧客損失にもつながってしまいます。
企業のイメージとしてもよくないため、できるだけ誠実な対応をとるように心がけましょう。
ネット風評の被害
サイレントお祈りは、ネット風評の被害にあうケースもあります。
就活や転職の情報は、ネットですぐに拡散されます。
実際に掲示板が企業ごとに立てられるため、どの企業がどんな対応をしているかはすぐに知られます。
不誠実な対応を行うとネットで拡散され、風評被害につながる可能性もあるのです。
内定辞退の増加
サイレントお祈りによる企業やブランドイメージの低下は、内定辞退にもつながります。
たとえば、同業他社から内定をもらっていた際、「誠実な会社を選ぼう」となる可能性があるからです。
たとえ不合格であっても候補者に不誠実な対応をする企業は、内定者にとってもよいイメージは持ちにくいです。
内定辞退などを防ぐためにも、サイレントお祈りはできるだけ避けるようにしましょう。
サイレントお祈り実施の注意点
サイレントお祈りはさまざまなデメリットがあるため、できるだけ行わないようにしましょう。
しかし、実務的な問題でどうしても不合格通知ができない企業もあると思います。
そこで最後に、サイレントお祈り実施の注意点を確認していきます。下記の注意点を意識しながらサイレントお祈りを実施しましょう。
合否結果の連絡方法を明確にする
もともとから不合格通知を行わない旨を候補者に伝えましょう。
そうすれば候補者からの不満の声は出にくくなるでしょう。
合格の場合にのみメールで連絡をします。など具体的な連絡方法を伝えると候補者にとっても安心です。
というのも候補者は、きちんと連絡が来るのかどうかを常に待っているので、不安にさせないためにもしっかりと連絡方法を伝えるのがよいでしょう。
不採用の連絡なしの理由を明確にする
不合格者に不採用の連絡をしない場合、その理由も明記すると誠実さが増します。
たとえば、不合格者からの問い合わせを避けるためなどが挙げられます。
いずれにせよ、なぜ不合格通知がないのかをしっかりと伝えることで信頼損失を防げる可能性があるでしょう。
合否判断の期間を伝える
合否判断がいつまでに行われるのかを候補者に伝えましょう。
通常、1週間ほどで結果を出すという企業がほとんどです。
あらかじめ期間を設けておくことでそれ以上たったら不合格であるという暗示になります。
期間を伝えなければいつまでも候補者は連絡を待つことになるため、サイレントお祈りをする場合には必ず伝えるようにしましょう。
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