マザーズハローワークは、子育て中や子育てと仕事との両立を目指す求職者に、就職支援を実施する施設です。
人手不足の中、多くの企業では多様な人材が活躍できるような環境整備が必要になりつつあります。
子育て中の人材を受け入れるにあたっては、マザーズハローワークの特徴やサービスを知ることが役立つでしょう。
今回は、マザーズハローワークの概要や提供しているサービス、そして求職者側と企業側に分けて利用方法を解説します。
マザーズハローワークとは
マザーズハローワークとは、子育てしながら就職したいという求職者に向けて就職支援を行う施設です。
少子高齢化や労働力不足への対策として2006年に開設され、出産後や育児中の再就職と情報収集のサポートなどを専門的に実施しています。
通常のハローワークは、単身者や子どもを持たない人、シニア層などさまざまな求職者への就職支援を実施する機関です。
そのため、必ずしも子育中の求職者が希望する条件の求人情報が見つからなかったり、あるいは小さな子どもを連れて来所するのが難しかったりなどの課題もないわけではありません。
一方、マザーズハローワークでは、子育てをする人の希望やニーズにきめ細かく対応し、子どもと一緒に来所しやすい環境が整えられているという特徴があります。
マザーズハローワークの所在地
マザーズハローワークは、2019年時点で全国21カ所にあります。都市圏では東京、神奈川、名古屋、大阪、福岡、札幌などにあり、その他も仙台市や静岡市、京都市など府県の都心部に立地している状況です。
なお、マザーズハローワークに限れば21カ所ですが、ハローワーク内に「マザーズコーナー」が設けられていることがあり、これは2020年3月時点で全国181カ所に上ります。
マザーズハローワークが近くにない求職者は、マザーズコーナーを利用することが可能です。
利用している求職者とは?
マザーズハローワークの利用者は、仕事と子育ての両立を目指す求職者です。「マザーズ」という名称ですが男女問わず利用可能で、子育てしながら就職したい人や今後の再就職に向けて情報収集をしたい人などが広く利用できます。
具体的にどのような求職者が利用しているのかについて、マザーズハローワーク東京を例に解説しましょう。
同施設では、月間約2000人が来所しており、20歳未満の子どもがいる求職者が7割、それ以外の求職者が3割です。
子育て中の求職者の7割は未就学児がおり預け先も探しています。フルタイムとパートタイムの希望は、それぞれ半分ずつという状況のようです。全体の8割が、パソコンなどを使用する事務系の仕事を求めています。
施設での提供サービス
施設が提供しているサービスとしては、子育てと仕事の両立を目指す求職者に向けて、職業相談やセミナーなどさまざまな種類が用意されています。
ここではマザーズハローワーク東京を参考に、施設が提供しているサービスを解説しましょう。
1.職業相談コーナー
一般のハローワークと同じく、職業相談や求人紹介をしています。「未就学児の子育て中だが、子どもを預けながら働きたい」といった子育て中特有のニーズに対しても細かく対応が可能です。
また、子育て中でなくても、「現在はパートタイムだが正社員での勤め先があるなら転職したい」「語学力を活かして働きたい」といった一般的な相談も受け付けています。
2.チャイルドコーナー
子どものための設備・備品が用意されており、安心して子どもを連れて来所できる環境が整えられています。
例えば、子どものためのスペースがあり、おもちゃや絵本などがある他、オムツ交換や授乳用スペースの設置、ベビーカーの施設内貸出などさまざまです。
また、子どもを見守る担当者もおり、安全の確保にも配慮されています。
3.マザーズ予約相談コーナー
専任の予約相談も受け付けています。これは子育てをしながら早期の就職を目指す求職者に向けたサービスです。
働くにあたっての環境の整理や求人情報の探し方・選び方、応募書類の記入方法など、就職を目指す際に必要なアドバイスを具体的に行なっています。相談希望者は、受付または電話にて予約が可能です。
4.情報コーナー
情報コーナーでは、就職に関する情報を施設内のボードに貼り出したりファイルを展示したりする形で提供しています。
提供している内容の1つ目は求人情報で、その施設で受理した求人情報や、託児施設がある企業の求人などが対象です。
2つ目は子育て支援情報で、保育情報ガイドブックや地域の保育に関連する情報を提供しています。
5.求人検索コーナー
求人検索コーナーでは、求職者が端末を使って実際に募集中の求人情報を検索できるようになっています。
一般的なハローワークと同じく、全国の求人情報の検索が可能です。マザーズハローワーク東京では、さらに仕事と子育ての両立に配慮している企業の求人情報も公開しています。
こういった情報は施設が独自に受け付けているもので、一般的なハローワークにはない情報です。
6.求人受理コーナー
求人受理コーナーでは、事業者からの求人情報を受け付けています。ここで受け付ける求人は、特に子育て中の求職者や、仕事と家庭の両立を目指す求職者にとって魅力的な求人情報です。
なお、この求人情報は都内3カ所のマザーズハローワークと、都内のハローワーク内のマザーズコーナーにて公開されます。特に、子育て中の求職者にアピールしたい事業者はこちらがおすすめです。
7.再就職支援セミナー・講習
再就職支援セミナーや講習も開催しています。
セミナーは、再就職準備やひとり親就職支援、ワークライフバランス、ビジネスメイクなど、子育て中の求職者の悩みや希望に応える内容のものが中心です。
講習では、ワード、エクセル、パワーポイントといったパソコンの基本操作について指導しています。
マザーズハローワークの利用方法
マザーズハローワークを利用する基本的な流れは、一般的なハローワークと同じです。
一方、マザーズハローワークは子育て中の求職者を支援する施設であるため、職業相談の方法などでいくつかの特徴があります。
ここでは再度マザーズハローワーク東京を例に、求職者の利用方法を紹介しましょう。
1.プレ相談&求職申し込み
まずは、求職申し込みをした上でプレ相談を行います。求職者は、事前にインターネットや窓口などで求職申し込みをして希望の条件などを登録し、その後にプレ相談に移るという流れです。
プレ相談では、求職者の希望などに応じてマザーズハローワークの利用方法やサービス内容などの説明を受けます。
2.職業相談
マザーズハローワーク東京では、2つの相談コーナーで再就職支援を行なっています。
マザーズ予約相談コーナーは、子育てをしながら早期就職を目指す求職者に向けて相談を実施する窓口です。
具体的には、子育て中、ひとり親といった求職者に専任担当者がアドバイスを行います。
なお、利用するには原則として受付または電話にて予約が必要ですが、枠が空いていれば当日でも対応は可能なようです。
職業相談コーナーでは、子育て中かどうかを問わずさまざまな求職者からの職業相談を受けています。
職務経歴や希望の条件などをもとに、仕事探しの方法や選び方、就職に向けたアドバイスなどを実施する窓口です。求職者は予約せずに利用できます。
3,求人企業の紹介
条件に合う求人が見つかれば、求人企業への紹介を行います。
求職者が求人企業に応募して書類選考や面接を受けるにはハローワークの紹介状が必要です。
応募するにあたっては、求人情報の条件などを確認した上で、求職者に紹介状を付与します。
4.応募、面接、就職へ
求職者はハローワークからの紹介状を受けて求人企業に応募した後に面接などの選考を行い、内定を受ければ就職します。ここで一通りのハローワークの役割は終了です。
マザーズハローワークに求人を掲載するには
事業者がマザーズハローワークを活用するには、基本的な流れを知っておくと役立ちます。そこで、ここでは事業者がマザーズハローワークに求人を掲載する方法を紹介します。
1.マザーズ求人相談票の提出
まず事業者は「マザーズ求人相談票」に必要事項を記入しマザーズハローワークにFAXで送付します。
「マザーズ求人相談票」には、相談内容やハローワークへの求人申込状況、企業が取り組んでいる子育て支援策などの欄があるので漏れなく記入してから提出しましょう。その後、担当者から折り返しの連絡があります。
2.求人の申し込み
求人の申し込みを行う場合は、「求人申込書」と「求人補足票」を提出します。求人申込書は、勤務時間や事業内容などを記入するもので、一般のハローワークと共通の用紙を使用可能です。
求人補足票には、仕事と子育ての両立を支援するための具体的な施策内容などを記入します。
3.求人の公開と求職者の紹介
提出した求人用の書類に問題がなければ求人が公開されます。その後、希望条件とマッチする求職者がいる場合はマザーズハローワークから紹介を受け、採用選考を行うという流れです。
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