2020/06/26
今こそ、女性が変える会社の経営
~多様な人が活きる組織変革~
あしたのチーム 組織管理セミナー 事後レポート
人事評価サービスを提供する株式会社あしたのチーム(本社:東京都中央区、代表取締役社長:髙橋恭介、以下あしたのチーム)は、組織管理セミナー「今こそ、女性が変える会社の経営 ~多様な人が活きる組織変革~」を開催し、女性をはじめ多様な人材が活躍するために企業経営者・人事は今後どのような組織変革が必要か、多様な働き方と評価の在り方、人材育成、風土醸成などについて、ジャーナリスト浜田敬子様をゲストにお迎えしたパネルディスカッションも含めて約100名に及ぶ参加者に講演いたしました。
■講演 「今こそ、女性が変える会社の経営」
あしたのチーム取締役であり、株式会社Will Lab代表取締役の小安美和が講演いたしました。
<日本の働き方における課題と変化>
総務省 H26年版情報通信白書によると、2030年までに生産年齢人口は909万人減少していく予測の中で、労働力不足が企業成長の障害になっていきます。言い換えれば企業側も多様な人材を活用し、生産性を向上させ、労働力を確保していく工夫が必要です。
一方で、働きたくても働くことができていない人も多く存在します。該当する428万人中の約7割、315万人を女性が占めると言われ、出産退職の割合が世界的にも高いというのが日本の現状となっています。
労働人口が減少していく中で働きたい人々をどう活かしていくのか、言うなれば今持ちうる資源を有効活用して生産性を最大化するために何をすべきなのかという課題において、これまでのフルタイムと残業を前提としていたワークライフバランスではなく、時間・空間を超えてワークイノベーションという考え方が今後必要になってくると言われています。多様な人材、働き方を組み合わせて、企業の生産性向上を考えていく必要があります。
<多様な人材が活躍するために必要なこと>
多様な人材、特に女性が活躍するためには、女性の意欲改革、企業としての組織変革はもちろん、社会として働く女性をサポートする保育や介護というケアサービスの整備、コミュニティ/家庭内での性別役割分担意識、育児や家事のシェアを変えていくことが必要になってきます。
コロナにより強制的にリモートワークが進む中で、企業としても多様な働き方を受け入れ活用するという経営者の意識を持つこと、多様な働き方の提供、そして多様な働き方が正当に評価される仕組みが必要です。
■パネルディスカッション
パネラー:ジャーナリスト BUSINESS INSIDER JAPAN 統括編集長 浜田敬子
株式会社あしたのチーム 取締役 赤羽博之
モデレーター:小安美和
<トーク内容抜粋>
・介護や育児など家庭事情がある中でも、キャリアに対し真剣な女性に関しては上司としての応援が必要。働く女性が活躍できるようなライフスタイル、生活リズムを本人に指し示していくこと、そして一緒に働くメンバーに対しても共有して相互理解があることが重要。また、夫など家庭での調整や説明などもサポートできるとよいのかもしれない。
・社内、社外に限らずロールモデルが身近にあるということが目標設定となる。実際に、社員の女性比率が高いあしたのチームも、初の女性社外取締役である小安取締役を迎えてから、女性社員の働くことに関する期待値があがり事業も成長させてきた背景がある。「男性のように長時間労働や、夜勤のような働き方ができない」と思って諦めている女性に対し、「私はこのタイプだったら目指せる」と思えるような、多種多様なリーダー像・ロールモデルが必要になってくる。上司として、身近な女性管理職だけではなく他のタイプのリーダーをあえて紹介するなどの配慮をすると道が開けるかもしれない。
・上司として、何がその人にとってキャリアを積んでいくことのストッパーになっているのか、判断基準の根っこにある課題は何なのかを含めて理解することが必要である。そしてアサインするときには工夫が必要で、「なぜこの仕事をあなたにお願いしたいのか」という期待を伝えることが大事になってくる。その期待感を受けた上で、自己決断を促すこと、決断したことなら成し遂げようと信頼して一緒に仕事をしていくことが大事。
・製造業を代表するように管理職になるために転勤が必要となる企業において管理職をあきらめてしまう女性がいる。今回コロナにより世の中の働き方が一変し、リモートワークの普及により逆に今までは時短勤務だったがその縛りを解除している女性もいる。世の中の働き方の変化、技術の革新により、今後もどんどんすべての人が公平に競争できる土壌が整っていくのではないかと思う。経営者としても、今後の日本の働き方のニュースタンダードに合わせて高い視座から柔軟に考え、制度として落とし込んでいく必要がある。
・ジョブ型という用語が流行してきているが、改めて会社の中にどういう仕事があるのかを具体化する必要の現れ。評価に関するサービスを扱うあしたのチームとしては、“コロナ中にリモートワークを導入するも、離れたところにいる社員に対してどう評価をしていいのか”という相談が通常時の3倍ほどあった。社員一人ひとりに対し、あなたの役割は何で、具体的に何を期待していて、成果としての物差しが明確に必要なのだということが浮き彫りになったのではないか。ジョブ型にしていくことがマストということではなく、一人ひとりの役割を明確にしていくことが企業の生産性に直結していくことだと感じている。
・それぞれの社員が何をすべきで何を求められているのかを明確にすること、そしてその評価を適正に行うことで、女性や男性といった単なる属性ではなく、その人自身を尊重していくことが可能になる。組織の変革については自分で動くことももちろんですが、決裁者を含めて周りの協力は必要不可欠。
・今まで何も疑問を抱かなかった慣習について一石を投じることや、柔軟なコミュニケーションを活かしていくことなど女性としてマイノリティだからこそ、また新参者だからこそできることをも多数あるし、それを実践していきたい。ポストコロナで社会や会社が大きく変わっていく中で、それを前向きに捉えて働いていける世の中にしたい。
■株式会社あしたのチーム会社概要
代表者 :代表取締役社長 髙橋 恭介( https://www.ashita-team.com/ )
本社所在地:〒104-0061 東京都中央区銀座6-10-1 GINZA SIX11F
事業内容 :・報酬連動型人財育成プログラム「ゼッタイ!評価®」
・人事評価クラウド「あしたのクラウド™HR」
・目標設定プログラム「あしたの履歴書™」
資本金 :5億9,010万円(資本準備金含む)
設立 :2008年9月25日