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調査リリース

2020/09/18

ワーケーション成功のカギは「1時間単位の業務組み立て」
コロナを経て始まる真の働き方改革とは
〜あしたのチーム、「ワーケーションと働き方改革」に関する最新レポートを発表〜

 人事評価サービスを提供する株式会社あしたのチーム(本社:東京都中央区、代表取締役社長:髙橋恭介、以下あしたのチーム)は、「ワーケーションと働き方改革」に関するレポートを発表いたしましたので、お知らせいたします。

■あしたのチーム「ワーケーションと働き方改革」に関する最新レポート
あしたのチームをはじめ、3社合同で行ったリサーチによると、「約半数の経営者がワーケーションを既に実践し、約5割が自社導入を希望する」という結果になりました。この背景や、ワーケーション導入に対する評価制度と働き方の変化についてレポートします。

■なぜ経営者はワーケーションの導入を希望するのか
 ワーケーションは、いわばテレワークの応用編、進化系です。緊急事態宣言期間を終えた今も、感染拡大防止の観点でゆるやかなステイホームは継続され、企業としても社会的責任の一貫としてテレワークを取り入れていますが、社会全体としてみればテレワークには課題もあります。
 在宅勤務形態でのテレワークでは、いくつかの問題が浮き彫りになりました。外出せずに長時間同じ姿勢で座ることの健康面や、家庭内での就業環境の弊害も当てはまります。特に首都圏の居住空間は、書斎を想定したスペースが確保されていないケースが多く、本人にも家族にも負担がかかることが否めません。
 
 そこで新たに提唱されているのが、福利厚生を絡めたワーケーションです。企業としては、魅力的な人事制度を組み立てたいという考えと、テレワークを経験したうえで発展的に継続できる可能性があればチャレンジしたいという考えがあり、その結果が5割超の企業がワーケーションの自社導入に興味ありという回答のリサーチにあらわれていると言えます。このように福利厚生や、従業員満足度を向上させたいという点、また社会的な要請であるテレワークを継続していこうという観点が、ワーケーションの根幹にありますが、さらにひとつ付け加えるのであれば地方創生という観点もあります。
 日本の活性化のカギを握るのは、今後のインバウンドの回復も見据えた観光です。一過性であるはずのコロナショックで、基幹産業となる観光の事業を分断するわけにはいきません。観光に付随する宿泊施設や飲食にお土産、それに伴う生産者も同様です。脈々と受け継がれてきた歴史や文化を絶やしてはいけないのという意識も経営者に存在します。
 今回の「GoToトラベルキャンペーン」の延長線上に実はワーケーションがあり、社会的意義が強く含まれています。経営者が、この国のために何ができるのかと考えたときに、観光業に対する支援の意味もあり、地方創生にもつながる社会貢献がワーケーションである。そういった観点を踏まえ、高い志をもつ経営者が一定数いるということも、リサーチ結果にリンクしていると言えるでしょう。

■ワーケーション成功のカギを握る1時間単位の業務組み立て

 一方で、「ワーケーション導入に対して評価制度が不安」という声が7割にのぼりました。この背景には、テレワークでは時間が固定されており、リモートで働くというものですが、ワーケーションはリモートであることに加えて、フレックス制であるという側面が背景として考えられます。
 リモート&フレックス制には、より企業の柔軟性が不可欠であり、ダイバーシティとの掛け算が企業文化の中で必要となってくるのです。つまり、ワーケーションにおける評価制度が不安というマインドの前提には、テレワークよりも人事評価の難易度が高いからという理由があるのです。

 時間も場所も選ばずに業務を遂行し、評価ができるというのは、つまりジョブ型雇用です。ワーケーションでは、一人一人に目標を設定し、仕事を細分化して工数を見積もり、目標も含めて1時間単位で業務遂行できることが必要となります。しかも、自分一人でPCワークできる仕事でなければ、リモート&フレックス制に耐えられません。「なんとなく」仕事をしていれば、確実に生産性は下がります。
 「ゴール設定を1時間単位」×「一人」×「PCワーク」、いわゆる一人完結型PCワークがワーケーションには必要になります。これを1週間単位でもなければ1日単位でもなく、1時間単位で切り出し、それに対して会社側が目標設定することが必要です。1時間単位の目標設定をつむぎだせない限り生産性が下がるので、ワーケーションは企業にとってリスクです。また、ワーケーションをやろうと言われる社員側も不安でしょう。
 社員が堂々と滞在先で業務を組み立て、期間内でのパフォーマンスを見積ることができる状態にならないとワーケーションの意味がなく、心のバケーションもできません。旅費と家族に気を遣って精神的に追いやられてしまうようでは、ワーケーションはよくなかったとなってしまうでしょう。
 ではどうすれば良いのか。それはジョブディスクリプション、職務記述書を作成するという、ジョブ型雇用の一丁目一番地をまず遂行することです。つまるところ、1時間単位の業務組み立てであり、1時間単位の目標設定です。この考え方はワーケーションのほか、副業の可否にも当てはまります。
 この考え方は、アウトソーシングしたらどうなるのかという視点で、社内のすべての仕事を見積もっていくということです。外注した場合の工数と時間を見積もり、単価を設定し価格を決めていく、それと同じことであると言えます。

■ワーケーションが可能な人事制度の先に真の働き方改革がある
 ワーケーションは国が推進しており、その先に地方創生があると述べましたが、最終的な狙いには移住も含まれます。企業の人事が進化するということは、ワーケーション促進の第一段階の果実です。ワーケーションが企業間で競われるようになれば、自社もワーケーションをやらなければと変化してきます。
 そうしてワーケーションが実現できる人事制度が整えば、政府が推進してきた働き方改革関連法にもリンクします。生産性とともに賃金も上げていく。この最終的なゴールにつながっていきます。働き方改革の最終章がワーケーションであり副業であり、これがすなわち、集団管理型の日本の人事制度からの脱却になります。個人が業務に向き合い、生産性が上がって競争が生まれ、その生産性に対して高い給料を払える会社と、その給料を目指す個人との間で、好循環サイクルが実現するのです。
 このように、ワーケーションは福利厚生として見られがちですが、テレワークの進化系であると考えています。当たり前のようにテレワークができる人事制度、目標管理を手に入れた会社が出てくるべきであり、今後増えてくれば、より企業と人事が努力をして社員と向き合おうという世界になります。また、政府が数年前から目指している働き方改革の背景にある、日本の生産年齢人口の減少、長時間労働の是正、労働力の確保といった課題解決に大きくつながるのです。

■株式会社あしたのチーム会社概要
代表者  :代表取締役社長 髙橋 恭介(https://www.ashita-team.com/
本社所在地:〒104-0061 東京都中央区銀座6-10-1 GINZA SIX11F
事業内容 :・報酬連動型人財育成プログラム「ゼッタイ!評価®」
      ・人事評価クラウド「あしたのクラウド™HR」
      ・人事評価制度を無料で構築するプラン「ゼッタイ!評価®ZERO」
      ・社長コーチングプログラム「あしたの履歴書®」
資本金  :5億9,010万円(資本準備む)
設立   :2008年9月25日