都道府県労働局へのハラスメントの相談が増加傾向にある昨今、ハラスメントへの対策は、個人だけでなく、企業側でも必須との考え方が主流となってきています。では企業側はハラスメントにおける問題への取り組みはどのように行っているのでしょうか 。
企業におけるハラスメントの問題とは?
パワーハラスメント、セクシュアルハラスメント、モラルハラスメントなど、職場でのハラスメントについての認知度はここ数年で高まっており、企業側のハラスメントに向けての取り組みも増加傾向にあります。
企業側が積極的にハラスメントの取り組みを行うことで、従業員も相談しやすくなり、取り組みをしていない企業に比べると心身への影響も低いことが分かっています。
また、休職、離職者などの減少、生産性が高まるなどの付随効果も見られるようになります。ハラスメントへの企業の取り組みは、従業員一人ひとりを守るためだけでなく、企業全体の信用性、発展に向けても重要な課題であると言えます 。
厚生労働省におけるパワーハラスメント問題の提言
従業員からの相談の中で最も多いのが「パワーハラスメント」で、全体の相談の3割にも及びます。まずは、パワーハラスメントはどういうことを言うのか、厚生労働省から提言された定義と典型例を確認しておきましょう。
職場におけるパワーハラスメントの定義
厚生労働省では、パワーハラスメントを「同じ職場で働く者に対して職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為 」と定義付けしており、業務上に必要な指示や注意などはこれに該当しません。典型例としては以下の6個に分けられています。
1.身体的な攻撃(暴行や傷害など)
2.精神的な攻撃(ひどい暴言や脅迫など)
3.人間関係からの切り離し(無視や仲間から外すなど)
4.過大な要求(遂行が不可能な仕事を強制的に頼むなど)
5.過小な要求(能力や経験に見合わない程度の低い仕事のみを与える。仕事を与えないなど)
6.個の侵害(過度にプライベートに立ち入るなど)
上記が職場のパワーハラスメントのすべてを網羅するものではなく、あくまで典型例として理解する必要があります 。
企業が実施するべき7つの取り組み
企業側は、パワーハラスメントの予防と、起きてしまった時の解決方法を知る必要があります。厚生労働省の「パワーハラスメント対策導入マニュアル」には企業がパワーハラスメント対策を実施するため下記7つの取り組みを解説しています。
1.組織のトップが、パワーハラスメントをなくすべきだと明言する
2.ルールを決め、労使協定を結ぶ
3.企業内の実態を把握するため、社内アンケートを実施する
4.予防のための研修を行う
5.ハラスメント対策に向けた積極的な周知
6.プライバシーを守る相談窓口を設置する
7.再発防止への継続的な取り組み
上記1~5はパワーハラスメントを起こさないための予防、6、7はパワーハラスメントが起きてしまった後に解決していくための取り組みです。
中でも相談窓口の設置、研修実施は効果が高いと実感している企業が多く、複数の取り組みを並行して実施することにより、従業員は職場改善効果をより感じやすくなる傾向にあります 。
企業におけるハラスメント対策は必要不可欠
適切なハラスメント対策を行うことで、従業員は働きやすい環境を、企業側は生産性が高まりクリーンで良いイメージを得ることができるでしょう。
規模の小さい企業では対策がされていないこともまだ多く、相談できない、ハラスメントの実態を把握できていないなどの課題があります。
また、実施している企業でも積極的な周知がなされず、取り組みへの認知度が低い場合や、職務に不利益が生じるという理由から関わりたがらない人もいます。
今後も課題の改善に向けて積極的に取り組んでいくことは、企業側の対応として不可欠といえるでしょう 。
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