プロセスを見える形に落とし込んで評価するところに共感。様

プロセスを見える形に落とし込んで評価するところに共感。

ご導入

グリーンライフ産業株式会社

代表

中村 太郎

※インタビューの内容は取材時のものになります。

グリーンライフ産業株式会社

事業内容
エクステリア・ガーデン事業/外構緑化事業/リノベイト事業/メンテナンス事業/公共緑化事業
従業員数
75名
設立
1976年3月
所在地
九州・沖縄福岡県
課題
一般社員を育成したい

    人事評価制度を導入した理由を教えて下さい。

    中村 太郎氏

    元々の人事評価制度は粗利に関与する数値での評価軸でした。数値によって判断すればいいので査定しやすく、頑張りがタイムリーに給与へ反映されるため社員もやりがいがある、分かりやすい制度だったと思います。

    ただ、それでは成果や粗利のみで、獲得に至るプロセスを見ていない。

    社員育成という面では不安が残る制度でしたし、数値化できない部門は感覚での評価になっていました。

    積み重ねより四半期ごとの成果に左右される増減の激しい給与形態は、生活が安定しないという負の面もあり限界を感じていました。

    目標、行動、成果、業績、待遇の好循環を回すには社員の成長が必要です。

    あしたのチームの話を聞き、コンピテンシーを用いることで育成ツールにもなるところや、プロセスを見える形に落とし込んで評価することで社員が成長するところに共感しました。

    2016年の後半に導入を検討、2017年1月の経営計画発表会で人事評価制度の変更を発表しました。

    過去の変更で社員のモチベーションが下がり業績が悪化したこともあり、今回の変更について不安の声も少なくありませんでした。

    そこで、「生産性向上スタート元年」を掲げ、生産性を上げて休みの増加と時間外労働の減少につなげていくという思いを社員にしっかり伝え、構築期を経て4月から試験運用、7月から実際に運用を開始しました。

    あしたのチームと一緒にしっかり準備をしたこともあり、予定通りの好スタートがきれたと思います。

    導入後の効果・成果について教えて下さい。

    社員集合写真

    残業しなくともパフォーマンスは出せる、という事例を基に時間外労働を減らし、2017年は残業時間を60時間から45時間に、2018年は40時間に設定し、順調に効果が現れてきています。

    特に手応えを感じるのは、評価者(マネージャー)の能力の向上です。

    面談で社員と評価者が一緒に行動目標を立ててフィードバックをすることで、評価者の目標設定力、メンバーを導く力、育てる力が伸びています。

    一年運用したことによって制度もかなり浸透してきたので、次は社員に好循環への変化を実感して欲しいですね。

    今までは会社側の意向を広報しても浸透を実感できませんでしたが、人事評価制度導入後は制度を通じて、会社としてのメッセージ、社長のメッセージが社員にしっかり伝わっているのが感じられます。

    また、数値の%しか変更できなかった以前の制度と違い、MBOやコンピテンシーの項目や内容、ウェイトを細かく設定できるので、3ヶ月ごとに会社のステージに合わせた目標設定の変更を行い、重要視する項目を調整しています。

    以前は会社としての大きなビジョンや目標を共有できておらず、こちらから目標数値を与えるだけでしたが、社長と部門長では見えているものが違うことを学びましたので、今後は部門長にも目標設定に参加してもらう予定です。

    事業承継後というタイミングで成果を出した秘訣を教えて下さい。

    若手の社員や新しい社員の制度受け入れは比較的スムーズでしたが、やはり昔からいる社員ほど新しい制度の導入には抵抗があったと思います。

    先代の時にも何度か人事評価制度の変更はありましたが、それは主に目標数値などの変更でした。

    いずれもトップダウンで進めて変わるという宣言のみで、たとえ質問を受けても簡単な回答しかありませんでした。そうした進め方が業績にも悪影響を与えたことがあり、このような大きな人事評価制度の導入が決まった当初は、社員の不信感が拭えなかったように思います。

    新制度導入にあたり一番意識したのが、社員の声にもきちんと耳を傾けることです。

    今までは制度自体が変わるものではなく、数値の%や控除部分を変更するくらいでしたが、今回は大きな変更でした。

    経営計画発表の際はどういう想いで制度を変えるのか、会社の考えや方向性などのメッセージをしっかり発信しました。

    そのうえで、社内のSNSで新たな人事評価制度に関する質問を受け付け、何でも答えますと伝えたことで多くの意見や質問を吸い上げたのです。

    全部で26項目、かなり細かい質問まですべて文章化して回答し、丁寧な姿勢で対応したことで、社員も会社の本気度を理解してくれました。

    社員や会社のことを第一に考えての新制度導入であって、利益や業績のための変更ではないと分かってもらえたようです。

    働き方改革に向けた取り組みについて教えてください。

    時間外労働を減らしています。残業しなくともパフォーマンスを発揮できるという事例をもとに、2017年は残業時間を60時間から45時間に、2018年は40時間に、2020年は30時間に設定し、効果が順調に現れてきています。特に、評価者(マネージャー)の能力の向上を感じております。また、設計職はそれまで特に残業が多くなりやすく、MBOに「残業時間」の項目入れ、残業しないための行動目標を考え意識するようになってから、変化を感じるようになりました。

    面談にて社員と評価者が一緒に行動目標を設定し、フィードバックをすることで、評価者の目標設定能力、メンバーを導く・育てる力が伸びています。一年間運用したことにより、制度もかなり浸透してきたので、次は社員に好循環の変化を実感してほしいです。

    「理想の社員」はどのような人ですか?

    成長し続ける人間です。現状維持ではなく素直に学び、自分を変えたいと思える人。

    弊社では経営理念・行動指針の組織体制の強化を目的として、「11の方針」を2013年に策定し、社員と会社のベクトルを合わせるために共有しています。

    そのうちの一つに、教育訓練に関する方針というものがあります。「学ぶとは変わること」をテーマとし、「成長する人とは一生懸命素直に学ぶ人」「愚者は自分を変えたくないと思うが、賢者は自分を変えたいと思う」というメッセージを方針の中で伝え、社風形成をしています。

    経営層にも求められることですが、経営層こそ凝り固まって昔うまくいったことを続行してしまうなど難しさがある中で、社員に背中を見せるためにも取り組んでいます。「考えてばかりで進まない」というのではなく、素直に受け入れ、「まずは行動をする」ということを大切にしてもらいたいですね。

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      ※デロイト トーマツ ミック経済研究所株式会社
       HRTechクラウド市場の実態と展望2019年度版」より。

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