株式会社ケイアイ様
- 事業内容
- オーダーメイド車いすの設計、製造、販売/修理国内各種車いす、電動車いすの販売、修理、カスタマイズ各種福祉用具、関連製品の販売/座位保持装置の制作、修理・介護保険法にもとづく福祉用具貸与(福祉用具レンタル)住宅改修工事
- 従業員数
- 31名
- 設立
- 昭和11年 5月
- 所在地
- 東京都
- 課題
- 評価結果を活用した報酬制度の構築/内勤社員の評価をもっとわかりやすくしたい
人事評価制度を導入された背景を教えてください。
経営理念が目に入るところに飾られている
実は、あしたのチーム®を導入する以前から自社で構築した評価制度を運用していたんです。
その時運用していた評価制度は、成果目標と行動目標の2軸で評価する形で、あしたのチーム®と内容としては近しいものでした。
しかし、自社での運用を進める中で、2つの課題を感じるようになりました。
1つ目は、評価の結果を「評価点」として算出はできるものの、それらを活かしきれないということ。例えば、評価の結果をランク化して、報酬に反映したり、結果を分析したりといった部分ですね。
そういった運用のルールを定めることに難しさを感じていて…本当の意味での“運用”ができていなかったんですよね。
もう1つは、事務などの内勤社員の評価のしづらさです。営業と違って成果が見え辛い内勤社員の評価をもっとわかりやすくしたいなと思うようになりました。
そんな時に、懇意にしている銀行さんからあしたのチームさんをご紹介いただいて、あっという間に導入が決まりました。
銀行さんには、人事評価に関する相談は特にしていなかったので、どういった経緯で紹介されたかは忘れてしまったのですが…(笑)今思えば、良いご縁でした。
導入の決め手は、先ほどお伝えした2つの課題をクリアできると思ったことですね。
あしたのクラウド®は、評価点を評価ランクに置き換えるだけではなく、給与へ反映させるという具体的な仕組みをシステム内で実行することができます。
それに加えて、目標や評価のコメントを具体的に記載し、面談時のコメントも被評価者、評価者双方が残すことができるので、内勤の社員の日々の頑張りも見えてくるんじゃないかと思ったんです。それと、制度はあっても本質的な運用ができていなかったということもあって、制度を作って終わりではなく、専任のコンサルタントが運用をサポートしてくれる点も魅力だなと感じました。
人事評価制度を導入後、どのような効果を感じていますか?
あしたのチーム®を導入してから、社内の良い変化はたくさんありましたね。
話そうと思えば、これだけで1時間以上話せてしまう気がするので(笑)今日は「社員の変化」という視点で2つくらいに絞ってお話しようと思います。
まず1つ目に、会社の課題や目指すべき目標が多くの社員に浸透しているなと感じるようになりました。
以前の制度では、目標はトップダウンで私が決めて展開し、評価も私一人で実施していました。
今振り返れば、社長からトップダウンで与えられた目標で、なんとなく評価されていただけでしたから、目標を意識させる方が難しかったかもしれません。
あしたのチーム®導入以降、社員の多くは、目標を自分ごととして捉えることができるようになり、目標を忘れることなく取り組めるようになりました。
この変化を得られた理由は2つあるのかなと思っていて、1つ目の理由は、現場に近い所属長を1次評価者として設定したことです。
1次評価者は、会社の目標からブレイクダウンされた、チームの目標値やなぜその目標を設定しているのかを、きちんと被評価者に理解してもらう必要があります。
それらをきちんと理解した上でなければ個人の目標は考えられませんからね。
それによって1次評価者も会社の方向性や意図を理解してくれるようになりましたし、被評価者も自らの目標を考えることを通じて、会社の課題や目指すべき目的を自分ごととして捉えることができるようになっているのだと思います。
導入前は、社員と会社の目標の話をしても、「ちゃんと伝わっているのかな?」と不安になるようなこともありましたが、最近は社員の言動から目標を理解できていることが伝わって、不安を感じることは少なくなりました。この変化は、うれしいですね。
2つ目の理由は、目標を忘れることなく取り組むという観点で、中間面談の効果が大きいです。
中間面談があれば、評価期間の真ん中で、嫌でも現場の上司と目標を振り返り、現状確認しなければならないので、良い緊張感が生まれています。(笑)
2つ目の社員の変化として、部門間の情報共有や業務連携が見られるようになりました。
例えば、1人の所属長からの提案で、所属長だけを集めた会議が毎月実施されるようになったんです。これにより、所属長同士で部門ごとの目標を共有したり、困っていることがあれば相談しあって連携したり、部門の垣根を超えた協力が生まれています。
これは、評価項目の中に、「全社売上目標達成率」といった、会社全体として目指すべき指標を項目として設定していることが後押しになったと思います。
個人や各部門が短期的な目標をクリアするだけではなく、“会社としての課題や目標を達成するんだ”という意識や自主性が根付いてきているんだなと思います。
導入して1年ほど経った頃、1次評価者の一人が私と同じように社内の変化を感じてくれて「導入して良かったですね!」と言われたんです。正直、驚きました。
私から見ると、1次評価者は、これまでの業務に加えて評価業務も加わったことで、負担が一番増えて大変な思いをしている立場だったからです。
この言葉を聞いて、私も心からやってよかった!と感じました。
最後にお伝えしておくと…実は、業績も上がりました。
人事評価制度やあしたのクラウド®との直接的な関係は?と聞かれると、少し説明はし辛いですけど。(笑)
ただ、導入以降感じている社員の良い変化は会社の底上げになっていて、確実に一人ひとりの行動に現れ、それが更に実績に繋がってきているという実感はあります。
人事評価制度を運用していく中で苦労したこと、また、その局面をどのように乗り越えたのかを教えてください。
私自身が苦労したということはなかったですが、社員は「時間の確保」と「目標設定」の2つに苦労していましたね。
時間の確保については、先ほどお伝えしたとおり、以前は私一人で全社員を評価していたんですが、導入のタイミングで所属長に権限委譲しました。所属長に評価者という新しい役割を担ってもらったことで、面談や部下の目標・コメントの確認など、今まで以上にマネジメントに割く時間を捻出するのが大変だったと思います。
特に、面談の時間を作るのが大変そうでしたね。
先ほど、中間面談によって得られた効果のお話をしたとおり、人材を育成するうえで、面談はとても大切だと思っています。
しかし、無理なスケジュールで業務に過度な負担を与えたり、そもそも運用が続かなくなったりしては、元も子もありませんよね。
そこで当社は、どうしても全員との面談が厳しい場合には特に必要としている社員を優先的に実施して、面談の時間が取れない社員には日頃の業務内でのフォローをより細やかにするなど、柔軟に対処することにしています。
柔軟に対応したことで、思ってもみなかった効果がありました。
私は、面談をする社員・しない社員は評価者の判断に任せているのですが、評価者からすれば、「中間面談をしないからには、評価時、お互いに、認識相違なく進められるようしておかなければならない」という意識が高まり、普段から被評価者と密に、コミュニケーションを取って、進捗確認や業務フォローをする評価者が増えました。
逆に言えば、それさえできていれば、中間面談の時間を確保しなくて済むので、普段の業務から部下を気にしてフォローできる体制に変化してきていると思います。
運用においても「なぜそれをやるのか」ときちんと目的を理解したうえで、自分たちなり、自社にあった運用方法を考え改善しながら、本当に意味のある制度運用を長く続けることを今後も大切にしたいです。
目標設定については、いきなり「目標を立てましょう」と言われても、今まで自分自身で目標を立てたことながない社員からすれば、相当ハードルが高かったと思います。
そもそも「どんなことを目標にすればいいのか」「何をどう書いたらいいのか」そんな戸惑いがありました。
そこで担当コンサルタントの方から全社員に向けた“目標設定研修”を実施してもらいました。
目標設定研修では、業務の棚卸をするところから始め、目標を立てるための考え方を伝えてもらいました。
研修を受けたことで、「自分たちの持っている業務の中から、優先度の高いもの」を目標とすることや「課題となっていることを改善するために何ができるか?」という視点で目標を立てればいいんだと自身の日々の業務と絡めて目標設定を捉えることができたので、安心してくれた社員も多かったと思います。
今では、1次評価者が、新入社員の目標をしっかり添削してくれて、私の介在なく目標を完成させてくれる心強い存在になっています。
改めて振り返ると新しい人事評価制度を運用していくうえで、担当コンサルタントの存在は、必要不可欠だったなと思います。
弊社は、提案時点から導入後の制度構築・運用支援まで同じ担当コンサルタントがサポートをしてくれて、ずっと一貫して弊社に寄り添った提案をしてくれていました。
ここまで大きな問題なく運用を進めてこられたのは彼女のおかげですね。
この場を借りて感謝を伝えたいです。
今後、人事評価制度の運用により、実現したいことを教えてください。
機械室 修理などもスピーディに対応
私が社長として大切にしていることの1つに “一体感のある結束力の高い会社を作りたい”という想いがあります。
先ほど、導入後に感じている効果として、社員同士が連携し、助け合って会社の目標を達成する動きが出てきている、とお伝えしましたが、そんな動きが今後も継続すれば、それが“結束力の高い会社”の基礎になると思うんです。
あしたのチーム®を継続して運用することで、同じ目標に向かい助け合うことが企業文化として根付くと思うので、“結束力の高い会社”が実現できると期待しています。
今後、人事評価制度を導入する企業に対してのアドバイスをお願いいたします。
経営者が本気で取り組むことがとにかく大切だと思います。
新しい人事評価制度の導入は、目標設定や面談など、社員にとっては負担が増えた。そんな風に感じてしまうことも多いと思います。
それを負担だと思わせないためには、経営者が人事評価制度を運用する目的意識を熱量高く持ち、本気で取り組み、旗振り役となって社員に伝えることが大切だと思います。
それと、これはアドバイスではなく、1つのアイディアとしてお伝えしたいのですが、私は、期の最後の評価面談は、WEB面談ではなくは必ず対面で実施して、あしたのクラウド®から評価シートをA3で印刷したものを社員に手渡しするようにしています。
対面の方が、相手の感じていることや反応が伝わりやすく、コミュニケーションが取りやすいですよね。
あしたのクラウド®は、いつでもどこでもスマートフォンやパソコンから過去の評価結果を見ることが出来る便利なものなので、逆に言えば「いつでも見れる」という安心感からあまり開かなくなる人もいるかもしれません。
結果を改めて紙ベースで渡せば、一度は、内容を確認しますよね。
自分の今期頑張ったことが、評価シートとして1枚の紙の中に記載されているとモチベーションが上がると思うんです。
評価結果を敢えて紙で手渡しすることは、学生のころの通知表のような、社員にワクワク感を与えられたり、今期の頑張りを実感してもらえて来期のモチベーションに繋げることができると思うので、是非お勧めします。
企業によって課題や目指すゴールは違うと思いますが、改善を重ねながら運用を続けて、それぞれ自社にあった効果的な運用を実現しましょう!