株式会社パルソフトウェアサービス様
- 事業内容
- 業務アプリケーション開発、ハード・ソフトウェア開発、ネットワーク・サーバ構築、業務パッケージ販売・導入支援、 IT教育・支援
- 従業員数
- 61名
- 設立
- 1990年4月
- 所在地
- 愛媛県
- 課題
- 入社して5年ほど経つ中堅社員が少なからず辞めてしまう。
人事評価制度を導入した理由を教えてください
「5年で退職」の流れにピリオド。年8回の面談で定着率の向上へ
―御社は 2016 年 7月に人事評価制度を導入しました。その経緯を聞かせてください。
当社は1990年に3名でスタートし、いまでは80名ほどの規模になりました。
ところが、入社して5年ほど経つ中堅社員が少なからず辞めてしまう。明確な理由がわからないまま、課題を解決するための方法を模索していました。
そんなとき、当社の総務担当があしたのチームの人事評価制度を教えてくれました。
実際に話を聞いてみると、私が抱いていた疑問がどんどん晴れていく。たしかに、中間管理職になると部下のマネジメントや人事評価に悩む社員が多かったんです。これは当社の状況にマッチした仕組みだと直感しましたね。
―人事評価制度を扱う会社は数多くあります。なぜ、あしたのチームを選んだのでしょう?
社内コミュニケーションの仕組みが埋めこまれていたからです。
この制度では、1年を4つのクオーターにわけて、3ヵ月ごとに2回の面談(中間面談と評価面談)を実施します。
つまり、上司と部下が向きあう機会が1年に8回設定されている。従来はそれぞれの管理職にまかせていたので、確実にコミュニケーションがとれる点が大きな魅力でした。
管理職からは「短期間で中間面談をするのはムダじゃないか?」という意見も出ましたよ。
その理由は開発プロジェクトの期間が長いから。完成後にフィードバックする文化だったので、途中で評価するのは非効率だと。
最終的には、私のトップダウンで決めました。
導入後の効果・成果を教えてください
プレ イング マネージャー の 意 識 が 向 上 。部 下 に よりそ い 、傾 聴 の 姿 勢 も
―導入後の効果を教えてください。
コミュニケーションが深まった結果、中間管理職や若手社員のモチベーションが上がりました。
彼らは上司に話を聞いてほしかったんです。実際、目標達成の進捗確認だけでなく、面談時に仕事の悩みを相談することも。上司も部下によりそい、傾聴する姿勢が身につきました。ひんぱんな面談は決してムダじゃありませんでしたね。
もともと、東京支店の部長クラスが松山本社(愛媛県)を訪れる機会は少なかったんですよ。
当社はIT企業なので、「リモートオフィス」を導入したり、テレビ電話やSkypeを活用したりしています。直接会わなくても仕事ができるからこそ、しっかり時間を確保して面談する効果が大きかったのでしょう。
―管理職は成長しましたか?
はい。人は役職で育つもの。役員・部長・リーダーなど、それぞれの役割と目標が明確になり、意識が向上しました。従来は一人ひとりの裁量にゆだねており、明確な役割を規定していなかったんです。
なかでもリーダークラスの中間管理職が成長しましたね。
彼らはプレイングマネージャーなので、普段はエンジニアとして開発に携わっています。それゆえ、業務に没頭しているときは部下の質問や相談を嫌がる傾向がありました。しかし、面談のスケジュールをあらかじめ組んでおけば、集中力を欠かさずに業務とマネジメントが両立できる。
そういった理解が広がり、ようやく一人前の管理職になりました。
技術者のマネジメント適性をあぶり出し、幹部候補生を発掘
―あしたのチームは評価制度の運用支援に力を入れています。どのサポートがもっとも役に立ちましたか?
「おせっかいレポート」です。当社のエンジニアには「エキスパート」と「マネジメント」という2種類のキャリアパスがあります。ほとんどの技術者はエキスパートを希望しますが、その適性はさまざま。
マネジメントの素養を感じる若手社員がいたものの、幹部候補に数えるほどの確信はもてませんでした。
それが人事評価制度の運用とレポートによって明確になりました。
プログラマーとして一流でありながら、マネジメントにも向いているとわかったんです。
今後の人事や管理職の育成にあたって、有用な情報を得られましたね。 また、評価面談のレポートも役立ちました。研修やマニュアルで抽象論を学んでも、なかなか現場に活かせません。一方、面談に同席してもらった後に具体的助言を受けると実践しやすい。すぐれた評価者の面談を共有することで、ほかの管理職の刺激にもなりました。
―今後、あしたのチームに期待することを教えてください。
サービスの魅力や認知度を向上させて、導入企業の採用力を高めてほしいですね。IT業界は流動が激しく、大手企業の優秀な人材がどんどん転職しています。
そのなかで高いプロ意識をもっている人たちを当社は迎え入れたい。
実際、この2年間で役員や事業本部長クラスの人材に入社してもらうことができました。こういった動きを加速させるため、転職エージェントやヘッドハンティング会社に推奨される制度に育つことを期待しています。