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調査リリース

2018/11/29

結婚・出産・育児後の職場復帰意向は6割だが、「将来管理職になりたい」はわずか1割 全体での女性管理職割合は7.05%
「プライベートと両立しやすい働き方」と「働き方に合った人事評価制度」が全社員のやりがいのカギ?
~中小企業の女性の働き方に関する調査~

AIを活用した人事評価クラウドで中小企業の働き方改革をサポートする株式会社あしたのチーム(本社:東京都中央区、代表取締役会長:髙橋恭介、以下「あしたのチーム」)は、中小企業の経営者および従業員を対象に女性の働き方に関するインターネット調査を実施いたしました。その結果、経営者は女性社員活躍支援に意欲的で、女性管理職に女性ならではの視点や発想や部下とのコミュニケーションを期待している一方、女性社員は、仕事と家庭の両立への不安がネックとなり、管理職になりたい意向が1割強にとどまることがわかりました。

■あしたのチーム 人事の調査:「中小企業の女性の働き方に関する調査」
URL:https://ashita-team.com/news/20181129

●女性の働き方に関する調査トピックス
≪経営者の女性活躍支援に対する意識≫
■「女性社員の活躍を支援したい」経営者96.0%。女性社員活躍支援のための取り組み、「産休・育休制度」実施は8割近く。
今後は、多様な働き方の制度導入と、働き方に合った人事評価制度を取り入れたい意向。
≪女性社員の活躍実態≫
■「女性管理職がいる」企業は6割。しかし女性管理職の割合は調査対象企業全体では7.05%にとどまる。
≪女性社員の自身の働き方に対する意識≫
■将来希望する働き方「無理のない範囲で自由に働きたい」61.3%が最多。役職や責任ある仕事をしたい意向は1割強。
■結婚・出産・育児を経て「現在の職場に復帰したい」は半数以上。
■「将来管理職になりたい」14.5%。
これがあれば管理職になりたいと思うサポート・支援1位は「プライベートや家庭と仕事を両立しやすいサポート体制」。
≪女性管理職が与える効果≫
■女性管理職に期待すること
経営者は女性特有の「物事を多面的に見られる視点」や「男性よりも思い切りの良いアクティブな行動・発想」に期待。「男性管理職が伝えると厳しく聞こえる伝達事項を優しく伝えてほしい」との声も。
■女性管理職による好影響
「話をよく聞く」、「相談しやすい」、「子育て社員に理解がある」など、共感力の高さがいい影響を与えているようだ。
≪女性活躍と人事評価の課題≫
■女性が働きやすい人事評価制度とは
「限られた時間の中で仕事をやり抜くプロセスを評価」、「気持ちを聞いてくれる対話型の制度」など。

●調査方法
【概要】
1.インターネット調査
2.従業員数10名以上300名未満で、女性社員が在籍したことがあり、人事評価制度を導入している会社の経営者
男女20~69歳、および女性社員、20歳~49歳を対象に実施
3.有効回答数:300人(会社経営者:150名、女性社員:150名)
4.調査実施日:2018年10月16日(火)~2018年10月18日(木)

1.経営者の女性社員活躍支援に対する意識
①女性社員の活躍を支援したいか
あなたは女性社員の活躍を支援したいと思いますか。(単一回答)n=150 ※経営者n=150

女性社員の活躍を支援したいか聞くと、96.0%の経営者が「そう思う」と回答しました。

②女性社員活躍支援のための取り組み
あなたが女性社員の活躍を支援するために自社の制度として現在実施していることをお答えください。
また、あなたが女性社員の活躍を支援するために自社の制度として今後実施したいと思うことをお答えください。
(複数回答)n=150 ※経営者n=150


女性社員活躍支援のために自社の制度として現在実施していることの1位は「産休・育休制度」78.0%で、8割近くが回答しました。次いで2位「短時間勤務制度」47.3%、3位「子どもの病気時などの看護休暇制度」42.7%と子育て社員に融通した制度が上位となりました。また4位は「職場復帰支援制度」42.0%と、結婚・出産・育児などで一時的に職場を離れた社員に戻って活躍してもらうための支援を行っている会社が多いことがわかります。今後実施したい制度の1位は「産休・育休制度」29.3%、2位は「子どもの病気時などの看護休暇制度」28.0%となり、子どもに関する制度は今後も実施したいと考える経営者が多いことがわかります。3位は同率で「フレックスタイム制度」、「女性管理職の積極登用」22.0%となりました。働く“時間”に関する制度は、時間短縮だけではなく、個人の都合によって変えられるフレックスタイムなど、いろいろな形で整えたいという意向があるようです。「女性管理職の積極登用」も2割以上と、女性社員に管理職としての活躍を期待する声が挙がりました。

2.女性社員の活躍実態
①結婚・出産・育児を経ての職場復帰について
あなたの会社に結婚・出産・育児を経て職場復帰した女性社員はいますか。(単一回答)n=300
※経営者n=150、女性社員n=150


結婚・出産・育児を経て職場復帰した女性社員がいるか聞いたところ、「いる」66.3%、「自分が結婚・出産・育児を経て復職した」4.0%をあわせて、7割以上が「いる」と回答しました。

②女性管理職の割合
あなたの会社には女性管理職がいるかお答えください。(単一回答)n=300 ※経営者n=150、女性社員n=150

女性管理職がいるかという問いに対し、61.7%が「いる」と回答し、中小企業で女性管理職がいる割合は6割以上となりました。

あなたの会社の女性管理職のおよその割合をお答えください。(数値回答)n=300 ※経営者n=150、女性社員n=150

女性管理職の割合を、調査対象者全体で見ると、平均「7.05%」となりました。女性管理職がいる企業は6割以上を超えるものの、人数の割合では1割未満であることがわかりました。

3.女性社員の自身の働き方に対する意識
①将来の働き方の希望
あなたは将来どのような働き方をしたいと思いますか。(複数回答)n=150 ※女性社員n=150

女性社員に将来どのような働き方をしたいか聞くと、「無理のない範囲で自由に働いていきたい」61.3%が最多となりました。「上位の役職へ上り詰めていきたい」13.3%、「結婚・出産をしても責任のある仕事を任されたい」12.0%、「結婚・出産をしても上位の役職に就きたい」10.0%と、役職に対する意向や責任のある立場・仕事を任されたいという方はそれぞれ1割強にとどまる結果となりました。

②結婚・出産・育児を経て職場復帰したいか
あなたが今後、結婚・出産・育児等で休業したとして、現在の職場に復帰したいと思いますか。(単一回答)n=150
※女性社員n=150


今後、結婚・出産・育児等で休業したとして、現在の職場に復帰したいと思うかの問いに対し「そう思う」は57.2%と、半数以上が、結婚・出産・育児により退職や転職をせず、現在の職場に戻りたいと考えていることがわかりました。

③将来管理職になりたいか
あなたは将来管理職になりたいと思いますか。あなたのお考えに最もあてはまるものをお答えください。
(単一回答)n=140
※女性社員 n=140(非管理職)

【回答理由】
・「そう思う」:収入が欲しいから。スキルを活かしたいから。子どもが大きくなったら仕事をやり甲斐に生きて行きたいから。(34歳・神奈川県、自社の女性管理職割合30%)
・「そう思う」:会社を変えたいから。(35歳・茨城県、自社の女性管理職割合0%)
・「そう思わない」:男性からのやっかみが怖いから。(27歳・福岡県、自社の女性管理職割合5%)
・「そう思わない」:家庭の用事で休めなくなるから。(29歳・宮城県、自社の女性管理職割合10%)
・「そう思わない」:管理職が大変なのは目の当たりにしている。家庭を犠牲にしている人がほとんど。
責任のない位置で長く働きたい。(34歳・山形県、自社の女性管理職割合10%)
・「状況や環境によると思う」:結婚して子どもがいる場合は自由に働きたい。(24歳・和歌山県、自社の女性管理職割合30%)
・「状況や環境によると思う」:仕事の内容、給料、時間のバランス次第。(38歳・神奈川県、自社の女性管理職割合5%)

女性社員に将来管理職になりたいと思うか聞いたところ、最も回答が多かったのは「そう思わない」54.3%でした。「そう思う」はわずか14.3%という結果となりました。管理職になりたいと思わない理由を見ると、管理職は「家庭の用事で休めなくなる」、「家庭を犠牲にしている」ケースが多いという印象を持っており、家庭と仕事の両立が難しくなるのではという不安から、管理職になりたくないと考えているようです。「状況や環境によると思う」の回答理由でも「結婚して子どもがいる場合は自由に働きたい」など、仕事のために家庭や子育てをおろそかにしたくないと思う女性が多いようです。

④どのようなサポートがあれば管理職になりたいか
あなたは会社にどのようなサポートや制度があれば管理職になりたいと思いますか。(複数回答)n=120
※女性社員n=120(非管理職、将来管理職になりたいと思うかの問いに「そう思わない」「状況や環境によると思う」と回答した方)


どのようなサポートや支援があれば管理職になりたいと思うか聞くと、「プライベートや家庭と仕事を両立しやすいサポート体制」50.0%が最多となりました。やはり「家庭と仕事の両立」が女性社員にとっての不安要素であり、そのサポートがあれば管理職になりたいと考えるようです。女性管理職に活躍してほしい企業にとっては、家庭と仕事を両立しやすいサポート体制の整備が課題になるのではないでしょうか。

4.女性管理職が与える効果
①女性管理職に期待すること
あなたは女性管理職に期待することはありますか。(自由回答)n=300 ※経営者n=150、女性社員n=150
※現状自社に女性管理職がいない方は、もしいたら期待することを回答。

【経営者の回答】
・男性の独断専行とは違い、物事を多面から見られるため、失敗が少ない。かたい仕事をするのではなく、仕事が楽しいと思える職場にすることを期待している。(68歳男性・東京都、自社の女性管理職割合70%)
・女性特有の、男性よりも思い切りの良いアクティブな行動・発想を期待する。業界や社内職務の環境にとらわれない、大胆な発想が欲しい。(58歳男性・京都府、自社の女性管理職割合20%)
・男性管理職が伝えると厳しく聞こえる伝達事項を優しく伝えてほしい。(49歳男性・愛知県、自社の女性管理職割合40%)

【女性社員の回答】
・女性のライフイベントに対する理解とともに、男女平等に評価し、よい職場環境を創ること。
(22歳・東京都、自社の女性管理職割合10%)
・女性ならではの体調を含めた相談に乗れること。(38歳・岐阜県、自社の女性管理職割合70%)
・柔軟に対応できる能力があると思う。 子育て中や身体面も考慮して対応してくれそう。(42歳・東京都、自社の女性管理職割合30%)

経営者・女性社員に、女性管理職に期待することをお聞きしました。経営者は、多面的な視点や思い切りのよい行動・発想などを、男性にはない女性特有の持ち味と考えており、管理職としてその力をますます発揮してほしいと期待しているようです。男性管理職では厳しく聞こえる事柄を優しく伝えてほしい、など、部下との柔らかなコミュニケーションにも期待していることがわかります。部下である女性社員からも、「女性ならではの体調を含めた相談」や「子育て中や身体面も考慮」した柔軟な対応に期待する声が挙げられました。経営者・社員ともに、女性管理職にはプライベートなことも含めての相談のしやすさや、社員の状況や気持ちを理解した対応など、部下のマネジメントに対する期待が大きいことがわかります。

②女性管理職がもたらす好影響
あなたの会社では、女性が管理職になったことで良い影響がありましたか。良い影響があった場合は内容を具体的にお答えください(自由回答)n=185
※経営者n=86、女性社員n=99

【経営者の回答】
・若手の、良き相談役、上司として活躍している。(59歳男性・大阪府、自社の女性管理職割合25%)
・話をよく聞く。外部の評価が高い。(53歳男性・新潟県、自社の女性管理職割合5%)
・男性社員がおしゃれになりました。(63歳男性・東京都、自社の女性管理職割合10%)

【女性社員の回答】
・男性管理職の女性配慮が促されやすい環境になったのではないかと思う。(34歳・神奈川県、自社の女性管理職割合25%)
・女性管理職のロールモデルができたため、長く働く人が増えた。(27歳・東京都、自社の女性管理職割合10%)
・子育てをしている社員(男女問わず)に理解があると思う。(28歳・山口県、自社の女性管理職割合30%)
・女性の方がしっかりしているとよく言われるように、女性の上司の方が身が引き締まる気がする。(31歳・神奈川県、自社の女性管理職割合10%)
・相談しやすい。細かいところに気付く。(40歳・福島県、自社の女性管理職割合30%)

女性管理職がいる会社の経営者・女性社員に、女性管理職による良い影響をお聞きしました。経営者は、相手の話をよく聞く女性管理職は若手の相談役として活躍しているとの回答がありました。また、男性社員がおしゃれになったことを良い影響と考える経営者もいました。女性社員からは、ロールモデルができたことや、男性の管理職への影響に関することが挙げられました。また、社員の視点では、女性管理職は優しく相談しやすいだけでなく、女性だからこそ緊張感があり身が引き締まるという効果もあるようです。

5.女性活躍と人事評価の課題
①女性社員が感じる人事評価制度の課題
あなたは女性として現在の人事評価制度に対して思うことがありますか。(複数回答)n=150 ※女性社員n=150

女性社員に女性目線で自社の人事評価制度に対して思うことをお聞きしました。その結果、「多様な働き方と評価制度が合っていない」29.3%、「結婚・出産・育児などのライフスタイルの変化が考慮されていない」28.7%、「男性社員と比べて正当に評価されていない」28.0%となりました。また41.3%の方が“女性”を理由に「特に思うことはない」と回答しました。現代では性別や年齢にかかわらず個人の志向を尊重したダイバーシティの考え方のもと、多様な働き方の実現が進んでいます。働き方の異なる社員を、同じ基準で評価することは難しく、働き方と人事評価制度が合っていないと感じられるのではないでしょうか。子育て社員をはじめ、社員全体の働き方に合った人事評価制度構築が課題になるでしょう。

②女性が働きやすい人事評価制度とは
あなたはどのような人事評価制度だと女性が働きやすい、やりがいを感じると思いますか。(自由回答)n=300
※経営者n=150、女性社員n=150

【経営者の回答】
・出産育児が評価のマイナスとならず現職復帰できる。(58歳女性・沖縄県)
・女性であることを特別視しない人事評価制度。(53歳女性・大阪府)
・男性と同等評価であることが基本で、女性ならではの特性に配慮した仕組みを導入。(67歳男性・岡山県)
・女性に限らず、ダイバーシティな人事評価制度が重要。(61歳男性・東京都)
・本人の意向を汲み取る。最終的に目指すポジション、職務、成果などを最終目標として、現状の到達点を評価とする。
(53歳男性・京都府)

【女性社員の回答】
・限られた時間の中で仕事をやり抜くプロセスを評価してほしい。(27歳・愛知県)
・気持ちを聞いてくれる対話型の制度ならば、安心感とゆとりが生まれると思います。(28歳・埼玉県)
・「できない=ダメ」ではなく、適切に理由を考慮できることが大事。(41歳・群馬県)
・結果重視だと小さい子どもがいる女性はどうしても働けない時間が出てきてしまう分、不利になると思うので、
その人個人のスキルや能力を高く評価してもらえると働きやすいと思う。(27歳・東京都)
・子どもがいるとどうしても休む頻度が増えるので、休んでも仕事はきっちりこなしているというところを評価してほしい。
(37歳・奈良県)

女性社員が働きやすい、やりがいを感じる人事評価制度はどのようなものだと思うか、経営者と女性社員に聞きました。その結果、経営者は“女性だから”という理由で区別をせず、個人の状況や意向を理解し、「本人がどうなりたいか、何を目指したいか」を聞いた上で達成度を評価することが、女性の働きやすさややりがいにつながると考えていることがわかりました。女性社員からは、限られた時間内に仕事を終わらせていることを評価してほしいという声が多く挙げられました。また数値的な結果だけでなく、達成できなかった場合でもその理由を考慮するなど、「話を聞いて評価してほしい」と考える傾向があるようです。経営者も女性社員も、働きやすさややりがいを感じられるのは面談を重視した人事評価制度であると考えていることが明らかになりました。

●報道関係者様へ
■引用・転載時のクレジット表記のお願い
※本リリースの引用・転載は、必ずクレジットを明記していただきますようお願い申し上げます。
<例>「あしたのチームが実施した調査結果によると…」

●会社概要
会社名       株式会社あしたのチーム
代表取締役会長   髙橋恭介
代表取締役社長CEO 赤羽博行
本社所在地     〒104-0061 東京都中央区銀座6-10-1 GINZA SIX 11F
事業内容      ・人事評価クラウド型運用おせっかい「ゼッタイ!評価®」
          ・あしたの人事評価クラウド「コンピテンシークラウド®」
資本金       4億1010万円(資本準備金含む)
設立        2008年9月25日
HP         https://ashita-team.com/

【お問い合わせ先】
株式会社あしたのチーム 広報担当:佐藤
TEL:03-4577-3923 FAX:03-6478-8011