松本隆博の「ng!相談室」は、仕事が出来る人の行動特性である「コンピテンシー」を用いてお悩みを解決するコーナーです。ng!はno goodではなく「never give up!」。会社員、経営者を経てシンガーソングライターになった松本さんならではの視点からみなさんに金言を授けます!
日大アメフト部の悪質タックル問題に胸を痛めています。報道では監督側と選手側の言い分が食い違い、何が真相だったのかはわかりませんが、何にせよ選手はまだ20歳で、自分と同い年です。体育会系の部活は上下関係が厳しく、やはりコーチや先輩から言われたことは絶対という慣習があります。社会に出たら、多少なりとも「上の言うことは絶対」いう空気があるのかなとも案じています。自分では納得がいっていないことに対しても、YESと答えて動かなければならないこともあるでしょう。少し前に政府の文書書き換え問題で自殺をしてしまった職員の方がいたことも思い出されます。 自分が将来そんな状況に追い込まれたらどうすればよいのか……ニュースを見ていてそんな気持ちになりました。
僕たちはコーチでも選手でもないから、どっちの言い分が正しいか真実を知ることはできないわけだけど……。人それぞれ「正しい」の物差しが違うことは分かっていつつも、胸に手を当てて自分自身の心の中と会話したときに、きっとスッキリしているのは選手の方で、罪悪感や晴れない感情に苛まれているのはコーチ側なんじゃないかなと僕は思いますね。
年齢が上とか下とか関係なく、自分に対して誠実だったかどうか。その面では、今回は選手の勝ちだと思う。20そこそこの男子学生が、批判を全身で受ける覚悟を持ってこのネット社会に顔出しをして挑んだというのは、賞賛されるべき。一昔前なら、世の中に顔が割れることで「終わったな」となっていたかもしれないけれども、今回は世間からの反応も概ね温かいものばかりでした。やっぱり自分の「非を認める」素直さが、見ている人の心を動かしたんじゃないかなと思うんです。
社会は「上から言われたことが絶対」ってイメージがあるかもしれないけど、自分の信念を貫くことができる人なのか、それとも都合よく周りに合わせて顔色ばかりうかがう人なのかは、周囲の人が結構見ているものです。上の人と違う意見を持ったことで異動させられたり、不遇な対応を受けたりすることは、残念ながら無いとは言い切れません。営業会社でも、ちょっとルールをやぶってでも数字を作った人が昇進昇格したりね。
でも、人に合わせてばかりで自分の頭を動かすことをサボると、いつか必ずそのしっぺ返しが来るんです。そういう生き方をしていると、おじさんになったときに空っぽな自分と向き合わざるをえなくなる。若いうちから、何を信じて何のために行動するのかという「価値観」をしっかり育んでおいてほしいなと思います。そうすれば、納得のいかない仕打ちを受けたとしても、別の誰かが必ず手を引っ張ってくれるはず。
誰かのミスをなすりつけられたり、追い詰められたりしたときはどうしたらいいか。真実にふたをされそうになったときは「客観性」をいかに保つかが重要です。録音しかり、日記やメモしかり。でも僕の価値観としては、録音のような小手先の解決法ではなくて、圧力に対して自分がどう向き合うかというスタンスを大切にしたいですね。コンプライアンスを気にしすぎる世の中が窮屈だという意見も分かるし、なんだか揚げ足取りになってない?って思うときもありますから。人は変えられないけど、自分は変えられる。自分が変わっても環境が変わらないと判断すれば、転職したっていいんです。
だから僕は「あしたのチーム」もやっている評価制度が好きなんですよね。何が正しいかを事実に基づいて補完してくれるのが評価制度。何が正しいか分からないときには、コンピテンシー一覧(ビジネスシーンにおいて仕事ができる人の行動特性)を見てみるといいですよ。
アメフト問題で盛り上がっていたとき、テレビを見ていたら松本人志が「おっさん、ごちゃごちゃ言わんとはよ謝れや」って言ったんですよね。もう、それに尽きるなと。日本人の全国民が同じこと思ってたと思いますよ。今となってはもう後戻りできなくなっているかもしれないけど、早い段階でさくっと謝ったらよかった。仕事に対しても他人に対しても、それから何より自分に対しても、まじめに真心をこめて向き合うこと。もし過ちを犯したり間違えたりしたときには、素早く・心を込めて謝罪することが大切です。社会人生活にはネガティブな印象があるかもしれないけど、そればっかりじゃない。誠実な人たちが集まっている良い集団にぜひ身を置いてください。
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